角田裕毅 「レッドブル以外のF1チームにも自分の価値を証明したい」
スクーデリア・アルファタウリのチームリーダーとしての角田裕毅にとって、これまではめまぐるしい1年だった。

18年間指揮を執ってきたチーム代表のフランツ・トストが2024年を前に退任することを選択したことを受け、チームは水面下で大幅な経営陣の変更を行った。

トストの後任には元フェラーリのスポーティングディレクターのローラン・メキースと元FIA幹部のピーター・バイエルが就任し、バイエルはすでにCEOに就任している。

角田裕毅はまた、ニック・デ・フリースが成績不振で解雇され、ザントフォールトでの不運な事故で中手骨を骨折したダニエル・リカルドが欠場したことに続き、今季3人目のチームメイトにリアム・ローソンを迎えている。

さらに、角田裕毅が”親友”と表現した親しいチームメンバーのひとりがカナダGP後にチームを去ってしまった。

角田裕毅が今年のアルファタウリのすべてを引っ張っていると言っても過言ではなく、チームが獲得した3ポイントはすべて、オーストラリア、アゼルバイジャン、そして直近のベルギーGPで角田裕毅が獲得したものだ。

角田裕毅はモンツァでそれなりの結果を残そうとしていたが、フォーメーションラップでエンジントラブルが発生し、チャンスが早々に消滅してしまった。

角田裕毅はイタリアGPの会場でRacingNews365のインタビューに応じ、これまでのシーズンについて、そして2026年から日本のエンジンサプライヤーであるホンダを手放すレッドブルファミリーに長期的に留まるつもりかどうかについて語った。

「レッドブルに残れればいいですね」と角田裕毅は語る。

「でも正直なところ、おうういうことは僕にはわかりません。彼らが決めることだし、僕は自分のやるべきことに集中して結果を出すだけです。そうすれば、自然にこれら2つのことは起こるでしょう」

アルファタウリのドライバーにとって最も論理的なステップは、姉妹チームであり、現在ワールドチャンピオンのレッドブルに移籍することだろう。

しかし、セルジオ・ペレスがマックス・フェルスタッペンの成績に及ばず、リカルドはフルタイム復帰を目指し、ローソンはスーパーフォーミュラでのタイトル争いのさなかで“代役 ”としての価値を証明するなど、ドライバーの難問も抱えている。

角田はこの方程式のどこに当てはまるのだろうか?

「そんなことは考えようとしていません。もしかしたらレッドブルにステップアップできるかもしれません」と角田裕毅は語る。

「それらは決して分からないことです。だから、それらのことを考えても無駄です。僕は自分がやっていることに集中し、結果を出し続けます」

「レッドブルだけでなく、他のチームに対しても、ドライバーとして自分の価値を示すことにもっと集中したい。それが最も重要なことだと思う。それが僕の目標です」

元チームメイトのピエール・ガスリーは、レッドブルの道が必ずしも最良の選択肢ではないことをすでに証明しており、2019年に当時のトロロッソを卒業した後、成績不振でシーズン途中にジュニアチームに戻された。

ガスリーは今年、カート時代の元ライバルであるエステバン・オコンがいるアルピーヌF1チームに移籍し、ついにレッドブル以外への移籍を果たした。しかし、この移籍によってガスリーは経営陣の交代や信頼性の低さに悩まされるなど、悪い意味で注目を集めている。

アルピーヌに移籍する前、アルファタウリの2勝目を獲得したことで、ガスリーはグリッドに自分の価値を示すことができた。

それと同じような道をたどりたいかと質問された角田裕毅は「まさに、それが私に必要なことです」と答えた。

「この2年間はドライバーとして、自分の価値や実力を十分に高めることができなかったと思っています。いろいろな状況が変わって、みんな彼(ガスリー)に何ができるかを見始めたんだと思います。僕はこれまで、いいパフォーマンスを見せることができなかった」

「このクルマが良いパフォーマンスを発揮するのは難しいと思いますが、彼らがまだ僕の努力に注目しているのは良いことです」

角田裕毅 F1 スクーデリア・アルファタウリ

トストは2020年のルーキーF2シーズンでの成績を見て、レッドブルを説得したチーム内の重要人物のひとりだ。F2で角田裕毅は3勝を挙げ、ランキングでは王者ミック・シューマッハにわずか15ポイント差の3位につけた。

「彼が僕に3年を与えてくれたのは確かだし、それは大きなことです」と角田裕毅はトストの3年計画について語る。

「それが、僕が彼のために良いパフォーマンスをしたかった理由でもあります。今年は彼にとってアルファタウリでの最後の年であり、彼なしでは明らかに僕はここにはいなかったと思っています」

「だから、彼への感謝の気持ちを込めて、いい走りをしたいと思っています少なくとも、アブダビでのレースが終わった後、彼が満面の笑みを浮かべてくれることを願っています!」

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ