WRC
ラリー・トルコがマルマリスで開幕。市街地SSでミークが総合5位につける。
2019年FIA世界ラリー選手権(WRC)第11戦ラリー・トルコが9月12日(木)に開幕。トルコ南西部のマルマリス市街地でSS1が行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(ヤリスWRC 5号車) が総合5位に、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(8号車)が総合7位に、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)が総合9位につけた。

ラリーのスタートに先立ち、サービスパークが置かれるマルマリス近郊アスパランから約7km離れた山岳地帯で、シェイクダウンが行なわれた。全長4.7kmのグラベルコースは路面が非常に荒れており、金曜日から始まる実際のステージと共通点が多いロードコンディションだった。そのため、チームはラリー前にギリシアのプレイベントテストで導き出したセットアップを元に調整。ミークがベストタイムを、タナックが4番手タイムを、ラトバラが7番手タイムを記録した。その後、夜8時過ぎからマルマリス市街地でセレモニアルスタートに続き、全長2kmのSS1が行なわれ、ラリーが開幕。ヤリスWRCは3台全てが堅実にオープニングステージを走り切った。

トム・フォウラー(テクニカル・ディレクター)
シェイクダウンでは、ドライバーに異なる路面のコンディションでベストなフィーリングを感じてもらうために、最初と2回目の走行の間にセットアップをファインチューンしました。ステージはとても荒れていたので、クルマが大きなダメージを負わないように何度も走らせたくありませんでした。また、チームごとにタイヤ戦略も違うので、タイムの比較はそれほど意味がありません。昨年我々がトルコで優勝した時は、純粋な速さよりも、強さと信頼性が勝っていました。しかし2回目となる今回は、皆が路面の荒れ具合を理解し改善を施してきたはずです。ですから、我々は昨年よりもパフォーマンスを高める必要がありました。今年、新しいダンパーを何度かテストし、最近はラフなグラベルでのパフォーマンス向上を確認できてきたので、トルコは実戦に投入する良いタイミングだと思います。

オット・タナック (ヤリスWRC 8号車)
今晩最初のステージはグルグルと回るドーナッツターンが多く、とても楽しめました。しかし、明日からの3日間は今シーズンもっともラフなステージが続きます。今朝、シェイクダウンを走った時点で既にその過酷さを実感しました。昨年と同じように、今年も本当に厳しいラリーになるでしょう。2年目の今年は、昨年と比べればまだある程度予想がつきますが、それでも難しさに変わりはなく、問題が起こらないように戦うことが何よりも重要です。ドライバーの集中力と、クルマの信頼性の両方が、このラリーでは求められます。大きなリスクを冒すつもりはありませんが、限界を絶対に越えない範囲で速く走りたいと思っています。

ヤリ-マティ・ラトバラ (ヤリスWRC 10号車)
マルマリスの港はラリーの開幕にふさわしいロケーションで、観客の皆さんにとっては楽しいショーだったと思います。しかし、明日からがラリー・トルコの本番です。シェイクダウンのステージは非常に荒れていて、明日以降のステージに向けて良い準備ができました。最初の走行を終えた後に足まわりのセットアップを変更したところ、フィーリングがより良くなりました。ベストタイムを刻んだ訳ではありませんが、トラブルなくラリーを戦うために適切と思えるスピードを探し、注意深く走ろうと心がけていました。もちろん本番では速く走りますが、だからといってフルアタックはしません。前走車によって掘り起こされた大きな石が目の前に現れたとしても、すぐに反応できるくらい余裕を持ったスピードに留めるつもりですし、それが良い結果に繋がることを期待しています。

クリス・ミーク (ヤリスWRC 5号車)
今晩最初のマルマリスのステージでは、多くの観光客が我々を応援してくれました。ステージはとてもシンプルで、本格的な戦いは明日の朝から始まります。今朝のシェイクダウンは、本当にラフなコンディションでした。どんどん道が荒れていくだろうと予想してはいましたが、終盤はまるで地獄のような状態でした。決して簡単ではありませんが、準備はできています。朝早いステージでダストによる視界不良さえなければ、例え目の前に大きな石が現れたとしてもクリーンな走りができるでしょう。クルマにとっては今シーズン最も過酷なチャレンジになると思いますが、我々選手にとっては暑さとの戦いになります。クルマを壊さないギリギリのスピードを見極め、良いリズムで走ることが、今回のラリーの鍵を握るでしょう。

ラリー・トルコ デイ1の結果
1 アンドレアス・ミケルセン/アンダース・ジーガー (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) 2m02.6s
2 ティエリー・ヌービル/ニコラス・ジルソー (ヒュンダイ i20クーペ WRC) +0.0s
3 ポントゥス・ティディマンド/オーラ・フローネ(フォード フィエスタ WRC) +1.6s
4 セバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア(シトロエン C3 WRC) +1.7s
5 クリス・ミーク/セブ・マーシャル (トヨタ ヤリス WRC) +2.0s
6 エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム (シトロエン C3 WRC) +3.9s
7 オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ (トヨタ ヤリス WRC) +4.2s
8 カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン (シュコダ ファビア R5) +4.3s
9 ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ (トヨタ ヤリス WRC) +4.6s
10 ダニ・ソルド/カルロス・デル・バリオ (ヒュンダイ i20 クーペ WRC) +4.9s

明日のステージ情報
ラリー・トルコ最初の「フルデイ」となるデイ2は、今大会最長の1日です。オープニングステージのSS2/5はサービスパークのすぐ近くで行なわれ、SS3/6およびSS4/7はサービスパークの北東エリアが舞台となります。3本のステージを日中のサービスを挟んで各2回走行し、その合計距離は159.14km。全競技区間の半分以上の距離を1日で走ります。291.74kmのリエゾン(移動区間)を含めた1日の総走行距離は、450.88kmとなります。

注目のステージ
SS3/6 チェティベリ 全長38.15km

マルティン・ヤルヴェオヤ(ヤリスWRC 8号車 コ・ドライバー)
「チェティベリ」は今大会最長、そして私が思うにもっともタフなステージです。特に、午後の2回目の走行時は非常に難しいコンディションになるでしょう。ステージのいくつかの場所は、本当に荒れています。ライバルに大きな差を築くことが可能なステージだと思いますが、問題なく走り切るのは簡単ではありません。

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カテゴリー: F1 / トヨタ / WRC (世界ラリー選手権)