トト・ヴォルフ フェラーリF1のバスール体制を擁護「彼以上の人物はいない」

バスールの将来に関する報道は6月のF1カナダGP前に浮上し、これに対してバスール本人は「不敬だ」と反論。これを受けて、来季フェラーリに移籍するルイス・ハミルトンもバスール支持を明言していた。
そして今回、ハミルトンの長年の上司であるヴォルフも同様に支持を表明。F1におけるチーム代表職には**「時間が必要」**だと述べた。
「F1では時間を買うことはできない。だからこそ、シニアリーダーシップには物事を掌握するための猶予を与える必要があるんだ」とヴォルフは語る。
「今日、ジャン・トッドの話をした。彼は1993年にフェラーリ入りし、最初のチャンピオンシップを獲得したのは2000年だった。つまり8年かかったということだ。F1はそういうサイクルなんだよ」

さらにヴォルフは、自身が率いるメルセデスも「3年連続でタイトル争いができていない」ことを引き合いに出し、チーム代表を取り巻く評価の不公平さを嘆いた。
「良い週末にはレースに勝つこともあるし、リスペクトに値する走りもできている。だが悪い結果の時に、リーダーの手腕を疑うような声が出るのはおかしい。やらせてやればいいんだよ」
「フレッドなら自分が採用したい」─ヴォルフ、バスールの資質を称賛
ヴォルフはバスールについて、「知る限り最も優れたレースマネージャーのひとり」だと評価し、「もし自分が今のポジションになければ、フレッドを採用するだろう」と断言した。
「彼は素晴らしい人格の持ち主で、正直者だし、政治的な駆け引きや嘘を嫌う。話す内容に裏付けがあるし、何をすべきかを理解している」

またヴォルフは、フェラーリの指揮官にかかるイタリア国内からのプレッシャーの強さにも言及した。
「イタリアでフェラーリを率いるというのは、サッカー代表監督と同じようなもの。メディアからの注目が常にある。勝てばキリストのように崇められ、負ければただの敗者扱いだ。だがそれがイタリアの情熱というものなんだよ」
「そういう環境には、少しずつ順応していく必要があるかもしれない。でもフレッドにはこのチームを率いる能力がある。彼に信頼を与えるべきだ。彼以上の人物は手に入らないんだからね」
現在フェラーリは、シーズン折り返し時点でコンストラクターズランキング2位(222ポイント)。首位マクラーレンとは238ポイント差をつけられており、3位メルセデスとのギャップはわずか12ポイントとなっている。
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