坪井翔 F1テストへの夢を語る「トヨタとハースF1の提携で現実味を帯びた」
スーパーフォーミュラの現チャンピオンである坪井翔は、トヨタとハースF1チームの提携によって、グランプリマシンのテストという長年の夢を実現できる可能性が出てきたと語った。

昨年、スーパーフォーミュラで初のタイトルを獲得した坪井翔は、旧型F1マシンを使用するハースのTPC(Testing of Previous Cars)プログラムで走行機会を得る有力候補として名前が挙がっている。

このタイトルは、トヨタのフラッグシップチームであるTOM'Sからのスーパーフォーミュラ初参戦で獲得したもので、さらに同年にはSUPER GTで3度目のタイトルも獲得。日本国内におけるトヨタのトップドライバーとしての評価を確固たるものにした。

トヨタとハースの提携は昨年スタートしており、すでに平川亮がアメリカのチームであるハースの公式リザーブドライバーに就任。F1グランプリ週末のフリープラクティス(FP)セッションに2回出走しており、今後さらに2回の出走が予定されている。

30歳の誕生日を迎えたばかりの坪井翔は、今後の目標について語る中で、自身のスーパーフォーミュラ制覇が初めてF1マシンをテストする可能性を現実的なものにしたと語った。

「スーパーフォーミュラのタイトルを獲るまでは、それ以上のことはあまり考えていませんでした。勝てなければ他の選択肢はないと思っていたからです」と坪井翔はオートスポーツ誌に語った。

「でも、ダブルタイトルを獲ったことで、日本国内でできることはすべてやったと思えるようになり、いろいろな可能性を考えられるようになりました」

「最近では、トヨタがF1のハースと提携し始めていて、F1マシンをドライブしてテストに参加できる環境が整いつつあるように思えます」

「F1ドライバーになるのは子供の頃からの夢だったので、F1マシンを一度でいいからドライブしたいと思っています」

坪井翔の前任者であり、現在FIA F2に参戦している宮田莉朋も、今年1月にヘレスでハースのF1マシンを初めてテストしている。

また最近では、トヨタのWECドライバー兼チーム代表である小林可夢偉が、トヨタの若手育成の一環として現代のF1マシンを理解する目的で、ポール・リカールで2日間にわたりVF-23をドライブしている。

ハースF1チーム トヨタ今月、小林可夢偉はポール・リカールでハースF1チームの2023年型VF-23で11年ぶりのF1マシンでの走行を行った。

「もちろん、F1ドライバーとして成功することがずっと夢でした」と坪井翔は続けた。

「ダブルタイトルを獲得できた昨年は、その夢に向かって一歩踏み出した年でした」

「それまでは本当に夢物語というか、自分には手が届かないもので、目の前のことに集中するしかないと思っていました。だから、スーパーフォーミュラチャンピオンになることだけが目標だったんです」

「でもチャンピオンになったことで、その先の新たな目標が生まれ、トヨタの一員としてF1に関わるチャンスを得られるかもしれないという想いが、大きなモチベーションになっています。それを目指していきたいと思っています」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / トヨタ / ハースF1チーム / スーパーフォーミュラ