WEC:トヨタ 2021年 第2戦 ポルティマオ8時間 予選レポート
2021年シーズン FIA 世界耐久選手権(WEC) 第2戦 ポルティマオ8時間レースの予選が6月12日(土)にポルトガルのポルティマオ近郊に位置するアルガルヴェ・サーキットで行われ、トヨタのGR010 HYBRIDは8号車が最前列2番手グリッド、7号車が3番手グリッドを獲得した。
13日(日)に行われる決勝レースは、トヨタが世界トップレベルの耐久レースシリーズにグループCカーで1983年の富士1000kmでデビューして以来、100戦目となる。
この記念すべき決勝レースのスターティンググリッドを決定する予選では、非常に僅差でのアタックが繰り広げられた。2台のGR010 HYBRIDは2、3番手と好位置につけ、前戦スパ6時間に続き、このポルトガルラウンドでも勝利を目指し戦う。
スパを制したセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車はチェッカー目前のアタックでタイムを伸ばし、トップのアルピーヌ36号車から僅か0.094秒差の1分30秒458をマークし2番手。ディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はトップと0.176秒差の3番手グリッドとなった。
開幕戦スパ6時間レース後の本レースでは、GR010 HYBRIDには26kgの最低重量増加及び最高出力と使用可能エネルギー制限という性能調整が施された。これにより、トヨタは同じカテゴリーのアルピーヌ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスだけでなく、LMP2クラスの車両とも、僅差のラップタイムで争うこととなった。
10分間の予選セッションは目まぐるしく順位が入れ替わる、非常にエキサイティングなものとなった。新品タイヤを装着してまずコースインした7号車のコンウェイは、最初にアタックしたタイムがトラックリミット違反で抹消。一度走行したタイヤでアタックした8号車のハートレーは上位タイムに届かずこの時点では5番手。その後、2周のアタックを経てコンウェイが2番手に入った。
セッションの残り時間が少なくなっていく中、2台のGR010 HYBRIDは一旦ピットへ戻り、新品タイヤへ交換し、ポールポジション獲得へ向け最後の一発アタック。ハートレーはチェッカーを受ける最終ラップで自身のベストラップを更新、7号車をかわして2番手に浮上。コンウェイはベストラップ更新ならず、3番手で予選を終えた。
予選上位につけたハイパーカークラス3台のタイムはコンマ2秒以下という僅差であり、ポルトガル初のWEC戦は接戦が予想される。8時間の決勝レースは現地時間13日(日)午前11時(日本時間同午後7時)にスタートが切られる。
マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID 7号車)
非常に接近した予選セッションでしたが、もう少し良いタイムを出せたと思っているので少し残念です。GR010 HYBRIDのポテンシャルを全て引き出すことはできませんでした。最初のアタックではトラックリミット違反を取られてしまいましたが、次のアタックラップでさらにタイムを更新するつもりであったのであまり気にしていませんでした。新品タイヤに交換し、ポール獲得へ向けた再アタックに出ましたが、グリップを最大に発揮できるまでにはもう少し時間が必要だったようです。それでも、LMP2カーより前のポジションへ出ることができたのはよかったと思いますし、決勝レースでのスタートが少し楽になるでしょう。決勝レースでは、我々GR010 HYBRIDが競争力を持っていることは分かっています。差は非常に小さく、どの車両にもチャンスがありますが、可能な限り上位でフィニッシュすべく頑張ります。
ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車)
我々は新しいハイパーカーでまだ経験を積んでいる最中で、色々なことを試しています。練習走行中、新品タイヤで苦戦したので、最初のアタックは一度走行したタイヤで挑みました。この作戦が上手く行かなかったときの代案も用意してあり、それが今回は効を奏しました。最後のアタックはプレッシャーもありましたが、なんとかタイムが更新できて満足しています。最前列グリッドを獲得できたのはチームの作戦とチームワークのお陰です。本当に僅差だったので、ポールポジションも獲得可能だったとは思いますが、最終的にはアルピーヌのものになりました。彼らはよかったと思います。予選トップ3がコンマ2秒以内ということで、決勝レースも最後まで接近戦が続くと思いますが、長いレースですし、コース上の他の車両をかわしていくのも大変です。LMP2カーともタイムが僅差なので、集中し、接触しないようミス無く戦うことが大事です。8時間の決勝レースはとても長い戦いになるでしょう。
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)
13日(日)に行われる決勝レースは、トヨタが世界トップレベルの耐久レースシリーズにグループCカーで1983年の富士1000kmでデビューして以来、100戦目となる。
この記念すべき決勝レースのスターティンググリッドを決定する予選では、非常に僅差でのアタックが繰り広げられた。2台のGR010 HYBRIDは2、3番手と好位置につけ、前戦スパ6時間に続き、このポルトガルラウンドでも勝利を目指し戦う。
スパを制したセバスチャン・ブエミ、中嶋一貴、ブレンドン・ハートレーのGR010 HYBRID 8号車はチェッカー目前のアタックでタイムを伸ばし、トップのアルピーヌ36号車から僅か0.094秒差の1分30秒458をマークし2番手。ディフェンディングチャンピオンであるマイク・コンウェイ、小林可夢偉、ホセ・マリア・ロペスの7号車はトップと0.176秒差の3番手グリッドとなった。
開幕戦スパ6時間レース後の本レースでは、GR010 HYBRIDには26kgの最低重量増加及び最高出力と使用可能エネルギー制限という性能調整が施された。これにより、トヨタは同じカテゴリーのアルピーヌ、スクーデリア・キャメロン・グリッケンハウスだけでなく、LMP2クラスの車両とも、僅差のラップタイムで争うこととなった。
10分間の予選セッションは目まぐるしく順位が入れ替わる、非常にエキサイティングなものとなった。新品タイヤを装着してまずコースインした7号車のコンウェイは、最初にアタックしたタイムがトラックリミット違反で抹消。一度走行したタイヤでアタックした8号車のハートレーは上位タイムに届かずこの時点では5番手。その後、2周のアタックを経てコンウェイが2番手に入った。
セッションの残り時間が少なくなっていく中、2台のGR010 HYBRIDは一旦ピットへ戻り、新品タイヤへ交換し、ポールポジション獲得へ向け最後の一発アタック。ハートレーはチェッカーを受ける最終ラップで自身のベストラップを更新、7号車をかわして2番手に浮上。コンウェイはベストラップ更新ならず、3番手で予選を終えた。
予選上位につけたハイパーカークラス3台のタイムはコンマ2秒以下という僅差であり、ポルトガル初のWEC戦は接戦が予想される。8時間の決勝レースは現地時間13日(日)午前11時(日本時間同午後7時)にスタートが切られる。
マイク・コンウェイ(GR010 HYBRID 7号車)
非常に接近した予選セッションでしたが、もう少し良いタイムを出せたと思っているので少し残念です。GR010 HYBRIDのポテンシャルを全て引き出すことはできませんでした。最初のアタックではトラックリミット違反を取られてしまいましたが、次のアタックラップでさらにタイムを更新するつもりであったのであまり気にしていませんでした。新品タイヤに交換し、ポール獲得へ向けた再アタックに出ましたが、グリップを最大に発揮できるまでにはもう少し時間が必要だったようです。それでも、LMP2カーより前のポジションへ出ることができたのはよかったと思いますし、決勝レースでのスタートが少し楽になるでしょう。決勝レースでは、我々GR010 HYBRIDが競争力を持っていることは分かっています。差は非常に小さく、どの車両にもチャンスがありますが、可能な限り上位でフィニッシュすべく頑張ります。
ブレンドン・ハートレー(GR010 HYBRID 8号車)
我々は新しいハイパーカーでまだ経験を積んでいる最中で、色々なことを試しています。練習走行中、新品タイヤで苦戦したので、最初のアタックは一度走行したタイヤで挑みました。この作戦が上手く行かなかったときの代案も用意してあり、それが今回は効を奏しました。最後のアタックはプレッシャーもありましたが、なんとかタイムが更新できて満足しています。最前列グリッドを獲得できたのはチームの作戦とチームワークのお陰です。本当に僅差だったので、ポールポジションも獲得可能だったとは思いますが、最終的にはアルピーヌのものになりました。彼らはよかったと思います。予選トップ3がコンマ2秒以内ということで、決勝レースも最後まで接近戦が続くと思いますが、長いレースですし、コース上の他の車両をかわしていくのも大変です。LMP2カーともタイムが僅差なので、集中し、接触しないようミス無く戦うことが大事です。8時間の決勝レースはとても長い戦いになるでしょう。
WEC 第2戦 ポルティマオ8時間 公式予選結果(総合順位)
順位 | No. | ドライバー名 | チーム/車種 | ベストタイム |
---|---|---|---|---|
1 | 36 | アンドレ・ネグラオ ニコラス・ラピエール マシュー・バキシビエール | アルピーヌ・エルフ・マトムート/ アルピーヌ A480-Gibson | 1:30.364 |
2 | 8 | セバスチャン・ブエミ 中嶋一貴 ブレンドン・ハートレー | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:30.458 |
3 | 7 | マイク・コンウェイ 小林可夢偉 ホセ・マリア・ロペス | TOYOTA GAZOO Racing/ トヨタ GR010 HYBRID | 1:30.540 |
4 | 28 | ショーン・ゲラエル ストフェル・バンドーン トム・ブロンクヴィスト | イオタ/ Oreca 07-Gibson | 1:31.210 |
5 | 38 | ロベルト・ゴンザレス アントニオ・フェリックス・ダ・コスタ アンソニー・デビッドソン | イオタ/ Oreca 07-Gibson | 1:31.255 |
カテゴリー: F1 / トヨタ / WEC (FIA世界耐久選手権)