トヨタ自動車、近健太氏が社長就任 現職の佐藤恒治氏は副会長就任

執行役員の近健太が社長およびChief Executive Officer(CEO)に就任し、現職の代表取締役社長である佐藤恒治は、代表取締役副会長に就くとともに、新設されるChief Industry Officer(CIO)を兼務する。
今回の人事では、佐藤が副会長・CIOとしてトヨタにとどまらず産業全体に軸足を置き、近が社長・CEOとして社内経営に専念する新たなフォーメーションへ移行する。トヨタはこの体制変更について、経営スピードの向上と、「産業報国」という使命を果たすための体制整備が目的だとしている。
背景には、自動車産業を取り巻く事業環境の厳しさがある。国際競争力強化に向け、業界連携を実践的に加速する必要がある中で、佐藤が日本自動車工業会の会長として果たす役割の重要性が高まっている。また、佐藤は2025年5月に経団連副会長に就任しており、日本の産業競争力強化に向けた政策提言や産業連携の推進も期待されている。
一方でトヨタ社内では、「もっといいクルマをつくり続ける」ための基盤となる「稼ぐ力」の向上や損益分岐台数の改善が喫緊の課題となっている。機能分業にとどまらず、バリューチェーン全体を見据えた改革が求められる中、Chief Financial Officerとして収益構造改善を主導してきた近が、その役割を担うことになる。近は、ウーブン・バイ・トヨタでの経営経験も含め、機能を超えた経営に携わってきた。
トヨタでは、経営トップの人事を長期的視点で検討すべき重要テーマと位置付け、役員人事案策定会議において将来の候補者検討を継続してきた。昨年10月には、日本自動車工業会から佐藤に対し、次期会長就任の要請があり、取締役会は2026年1月からの会長就任を承認している。
これを受け、トヨタの執行トップ、自工会会長、経団連副会長という役割を同時に担うことの影響について議論が行われ、個々の特性と環境変化を踏まえた最適な体制として今回の人事案がまとめられた。2月6日の取締役会で提案され、決議された。
4月1日付の役職変更では、佐藤恒治が代表取締役副会長およびChief Industry Officerに、近健太が社長およびChief Executive Officerに就任するほか、宮崎洋一が代表取締役副社長およびChief Financial Officerに就く。
また、第122回定時株主総会後には、佐藤恒治が取締役を退任し、副会長・Chief Industry Officerとしての役割に専念する予定となっている。新たに近健太が代表取締役社長として取締役に選任される予定で、これらは株主総会での承認および総会後の取締役会を経て正式決定される。
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