F1 トロロッソ アゼルバイジャンGP バクー市街地コース 2018年のF1世界選手権
トロロッソ・ホンダのドライバーを務めるピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレー、ホンダF1のテクニカルディレクターを務める田辺豊治が1アゼルバイジャンGPが開催されるバクー市街地コースの見所とレースにむけての意気込みを語った。

バクーの超ロングストレートはカレンダー中でも一番の最高速を叩き出し、その一方で精密なコントロールを必要とするタイトコーナーも出現。効率よくエネルギーを活用することが重要となる。

ピエール・ガスリー
「バクーは非常にエキサイティングなコースです。まず、ウォールが張り巡らされたストリートサーキットなので、通常に比べてリスクが倍以上になります。さらに、特徴であるロングストレートもサーキットを非常に面白いものにしていると思います。トップスピードはとんでもない速さです! 昨年の最高速は信じられないものでした。その分、ドライバーにとっては走っていてすごく楽しいサーキットではありますが、同時にリスクも高いです。いまはバクーに行くのが楽しみです。2017年はリザーブドライバーとしてレースを観戦しましたが、シーズンを通して最もエキサイティングなレースの一つだと感じました。今年は、自分がドライブできるので、うれしいですね。僕たちにとっていい結果になることを期待しています。城の近くの低速コーナーは、シーズン中で最もタイトな箇所かもしれません。ここではかなり低速で通過するので時間がかかりますが、急げばすべてを台無しにしてしまうこともあり得ます。毎ラップ、バリアから数cmのところを走るので、面白いですが本当に集中していなければなりません。通常のコースでは、縁石で少しはみ出しても、芝に触れてタイヤがほこりを巻き上げる程度で済みますが、ここでは違います。もし数cmでもはみ出そうものなら、そのまま壁に激突してそれでおしまいなんです。コースの中盤にはかなりテクニカルな箇所があり、そこでのオーバーテイクは不可能です。これを抜ければ長いストレートが待ち受けているので、ここではチャンスがあるでしょう。ストレートでもバリアが近いので、通常よりも体感速度が速くなります。特にターン1でブレーキングするときが顕著ですね。GP2に参戦していたときには、ここで2位表彰台を獲得しました。18番グリッドからスタートして2位に入れたので、僕にとっては記憶に残るレースの一つとなっています」

ブレンドン・ハートレー
「初体験のサーキットで走れるのを、楽しみにしています。これまでのキャリアでいくつのコースを走ったのか数えたことはないですが、初めて走るサーキットはいつもわくわくするものです。バクーは、とてもユニークな市街地コースで、ミスのできないコーナーがいくつもあります。このようなコーナーは本当に面白くて、いつも楽しく走れますし、ほかのドライバーたちも同じように感じていると思います。シミュレーターでは、城壁のそばを走るときに、僕の好きなコースであるマカオの風景を思い出しました。今週末は楽しくなると思いますし、シーズン4戦目が待ち遠しいです。今は、レースに向けてシミュレーターで走ったり、過去のレース映像を見たりと、できる限りの準備を進めているところです。レースウイークでは、金曜に走る最初の10周以内でスピードに乗れるように頑張ります。シミュレーターの作業は、その多くがエンジニアのマシンセットアップを進めるために行われています。しかし、新しいサーキットに挑む場合には、ドライバーのために行われる作業の割合が高くなります。もちろん、実際にコースで走ってみるまで分からないことはいくつもあります。バンプの数、風向きや、刻一刻と変わる路面コンディションなどは、体験しないと分かりません。でも、僕はこれまでに多くのサーキットを走ってきた経験があるので、それらの知識を総合して、新しいサーキットについてイメージすることはできます。例えば、あるコーナーを走っているときに、過去に走ったサーキットの似たようなコーナーと比べることができるんです。このように、新しいコースについて学ぶ際には、経験が非常に役に立ちます。シミュレーターで走る際には、実物のサーキットにできる限り近づけて作業を行いますが、どこまで忠実かはもちろん分かりません。縁石は一緒か、同じだけのグリップが得られるか、ほかの要素はないのか、タイヤラバーの乗りはどうか?など、シミュレーターからすべてを知ることは不可能です。ですから、過去のレース映像を見て、ドライバーがどのラインで走っているかを見るのは、新しいサーキットに挑むときに役立ちます。コースを自分の目で確認できる、木曜日のコースウォークが待ちきれません!」

田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「長距離移動の連続だった開幕からの3戦を終え、今回はヨーロッパの東端、アゼルバイジャンでのレースになります。バクー市街地サーキットは、旧市街にあるタイトなセクションと、2キロに及ぶロングストレートを持ち、同じように市街地を走るモナコやシンガポールとは異なるトラックレイアウトになっています。PUにとっては厳しいサーキットなので、燃費とエネルギーマネジメントが重要になります。今年のアゼルバイジャンGPは第4戦での開催になったため、例年より早い時期にレースがあります。気温や路面温度も高めだった過去3年より下がると見込まれるので、それに合わせてセットアップを進めます」

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カテゴリー: F1 / トロロッソ / ホンダF1 / F1アゼルバイジャンGP