「想像以上に若かった」ウィートリー語るザウバーF1の現実とアウディの野心

スポーティングディレクター出身者がチーム代表として成功を収める例は多い。ウィートリーも、アンドレア・ステラ(マクラーレンF1チーム)、そしてレッドブルの新代表であるローラン・メキースと並び、その系譜に連なる存在だ。
「私は心の底から、チームの力を信じてきた。我々が向かうべき方向性のもとに人々を結集させ、各自が自分の役割を完全に理解し、何ができて何ができないのか、いつ責任を果たすべきなのか、そしてチーム内のコミュニケーションがどのように機能するのかを明確にする。その力を信じている」とウィートリーは語る。
若手発掘と育成、その経験をザウバーへ
フィナンシャル・タイムズのインタビューで、ウィートリーは自身がチームにもたらした最優先事項を明かしている。
「私が持ち込んだのは、若い才能を見極め、育成し、組織の中で成長させていくことに関する膨大な経験だ。」
Revolutとの大型契約が象徴する変化
スポンサー獲得を巡る競争は、コース上の戦いと同じくらい激しい。最近の例が、英国のデジタル銀行であるRevolutだ。複数チームが交渉を進めたが、最終的に2026年からの契約を勝ち取ったのはアウディだった。
この契約は年間およそ6,000万ドル規模とされ、F1としては異例のスピードでまとまった。最初の話し合いは今年3月、最終署名はその2か月後だったという。
「我々は既存の秩序を揺さぶりたい。どうやって? 互いから何を学べるのか? Revolutは我々を限界以上に押し上げ、我々もRevolutを押し上げる。同じ道を歩んでいる。」
若く、未経験だが情熱に満ちたチーム
ウィートリー加入以降、ザウバーはパフォーマンスを向上させ、13年ぶりの表彰台も獲得した。ただし彼は、勝利を信じる意識をチーム全体に根付かせる必要性も理解している。
「ザウバーに来て驚いたのは、チームがこれほど若いことだった。経験不足は多いが、同時に情熱も非常に大きい。長年サバイバルモードで戦ってきたチームで、グリッドに2台並べるだけでも、ときに並外れた偉業だった。」

アウディの野心と“勝てる”という確信
「我々の野心はそれをはるかに超えている。アウディの目標は、10年末までにレースに勝ち、選手権を争うことだ。謙虚さは忘れないが、マッティアと私は、どうすれば最強の相手を倒し、世界選手権を勝ち取れるのかを正確に理解している。」
ヒュルケンベルグの表彰台が示した“可能性”
7月のイギリスGPで、ニコ・ヒュルケンベルグが獲得した表彰台は、アウディに待ち受ける課題の大きさと同時に、成功がもたらす喜びと一体感を浮き彫りにした。
「チェッカー後、ピットウォールに座りながら『今日は本当に良いレースだった。10の判断をして、10すべてが正しかった。堅実な結果だ』と考えていた。振り返ると、背後で感情が爆発しているのを見て、その意味の大きさに気づいた。」
「こうした瞬間は今でも鳥肌が立つ。あの喜びと感情の爆発が、私をさらにチームに近づけてくれた。彼らは今、自分たちにもできるのだと分かっている。」
カテゴリー: F1 / ザウバーF1チーム / アウディ
