ペーター・ザウバー 「ルイス・ハミルトンはサウバーでF1デビュー寸前だった」

チーム名の「C」の由来である妻クリスティアーネとともに、最後のサウバー車C45を見届けるために訪れたアブダビ。その席で語られたのは、ハミルトンのキャリアに大きな影響を与えていたかもしれない未公開のエピソードだった。
2026年からチームはアウディへと移行し、サウバーという名前はここで幕を閉じる。
アップルパイの席で語られた“歴史が変わり得た瞬間”
スイス紙『Blick』によれば、ザウバーがアブダビを訪れた際、アップルパイを囲んだ席で語られたのが、ルイス・ハミルトンがF1デビュー直前までサウバーに来る予定だったという事実だった。
ザウバーはこう語った。「ほとんど誰も知らないが、約20年前、ルイス・ハミルトンは私たちのチームで走りかけていた。彼はマクラーレンに所属していたが、彼らはF1の徒弟期間として、ハインヴィルへ送り出そうとしていたんだ」
交渉はクローテン空港で行われたが…
当時、チューリッヒのクローテン空港で会談が設定され、ハミルトン、父アンソニー、ペーター・ザウバー、モニシャ・カルテンボーンが顔を合わせた。
しかし、交渉は決裂した。
ザウバーはその理由をこう説明する。「取引がまとまらなかったのは、マクラーレンが1年だけのレンタルを望んだのに対し、我々は2年を主張したからだ」
そしてハミルトンはマクラーレンから衝撃のデビューへ
ザウバー移籍は実現しなかったが、その結果ハミルトンは2007年にマクラーレンから直接F1デビュー。デビューから9戦連続表彰台、3勝、そしてタイトル争いに加わる歴史的なルーキーシーズンを送ることになる。
もし当時、レンタル期間が一致していれば、F1史はまったく異なるものになっていたかもしれない。“サウバーからデビューするルイス・ハミルトン”という別の世界線が、確かに存在していた。
カテゴリー: F1 / ザウバーF1チーム / ルイス・ハミルトン
