レッドブル・ホンダF1 分析:スタート失敗+忍耐力+タイヤ管理 / F1トルコGP 決勝
レッドブル・ホンダF1にとって、F1トルコGPの決勝はすべてが負のスパイラルに陥ってしまったレースとなった。

タイヤに優しいか厳しいかというマシン特性の違いは出たかもしれないが、今回は新舗装されたグリップの低い路面とウエットというコンディションではシャシーやエンジンの性能差はほとんど出ないレースとなった。

だが、マシンという点で改善しなければならないのはスタートだ。過去にもスタートは弱点であり、直近ではF1トスカーナGPでマックス・フェルスタッペンが失速して順位を下げて接触リタイアというレースがあった。

今回もレッドブル・ホンダF1はスタートに失敗。マックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンの2台だけがグリッドの真ん中でまるで止まっているかのようにトラクションがかからなかった。昨年もスタートでの失速は何度もあり、ホンダのF1パワーユニットとしてスタートが課題であるのは確かだ。

ホンダF1の田辺豊治も「レーススタートを見れば、『これは課題でしょ?』と誰が見ても分かるようなことを2台共に披露していますので、そこはちゃんと見直していきたい。色々なコントロールが絡み合っているのですが、車体・PUを問わず、自分たちができることを持ち寄って解決策を検討していくことになります」と語る。

また、優勝したルイス・ハミルトンが派手さはないものの、無理をせずに好機を仕留めて優勝したのに対し、レッドブル・ホンダの両ドライバーは忍耐力の欠如が仇となったレースでもあった。

マックス・フェルスタッペンは3番手走行中のセルジオ・ペレスとのバトル中にコントロールを失ってスピン。フラットスポットを作ってタイヤ交換を余儀なくされ、表彰台争いから脱落した。アレクサンダー・アルボンも3番手走行中の34周目にスピンを喫して後退。同じようにタイヤ交換をしている。

表彰台のさらに上位、さらに優勝が見えている場合、攻めるところで攻めなければならないものだが、そこでスピンを喫するようでは元も子もない。クラッシュしてレースを失わなかっただけでも幸いだったと言える。

タイヤマネジメントも課題が残った。予選ではインターミディエイトにスイッチを入れることができずにポールポジションを逃しており、決勝でも優勝したルイス・ハミルトン、2位表彰台のセルジオ・ペレスが定評のある巧みなタイヤマネジメントで1ストップ戦略を成功させたのに対し、マックス・フェルスタッペンは3回のストップ、アレクサンダー・アルボンも2回のストップを余儀なくされている。ポールポジションからスタートしたランス・ストロール(レーシング・ポイント)もタイヤマネジメントに失敗して最終的に9位でレースを終えている。

シャシー側はタイヤマネジメント、ホンダF1はスタートに関してドライバーと煮詰めていく必要性が浮き彫りとなったF1トルコGP。マシン性能云々よりも堅実なレース運びが重要となる今回のようなレースでそのチャンスを掴み取れないようではレッドブル・ホンダとしてのタイトル獲得の道は遠い。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1トルコGP