ステファノ・ドメニカリ 「2026年新時代のF1に拙速な判断は禁物」
F1 CEOのステファノ・ドメニカリは、2026年に史上最も急進的なレギュレーション刷新を迎えるにあたり、忍耐と冷静な視点を持つよう呼びかけた。

シャシーとパワーユニットの両方の規則が書き換えられる大改革は、すでに次世代マシンをシミュレーターで試したドライバーたちの間で議論を呼んでいる。フェラーリのシャルル・ルクレールは最近、新マシンは「運転していてあまり楽しくないかもしれない」と懸念を示した。

しかしドメニカリは、この大胆な新時代の幕開けとなる最初の数戦を前に「過剰反応すべきではない」と強調し、ファンやチーム、ドライバーに対して進化をオープンマインドで受け入れるよう求めている。

ドライバーの懸念と開発の現実
ドメニカリは最近出演した『The Race』ポッドキャストで、2026年コンセプトに対するドライバーの反応は文脈に沿って理解する必要があると語った。

「新しいレギュレーションに関しては2つのアプローチがあることを忘れてはならない。ひとつは戦術的なもので、チームがそのゲームをしており…それが特定のコメントや見解につながっている」と彼は述べた。

「彼らにはある目的があって、その目的は我々が信じているものとは違う。そうした理由でコメントをしているのだ」

ドメニカリは、こうした初期の批判はチームが優位を得るための駆け引きの一部だと見ており、同時にマシン自体がまだ進化の途上にあることを指摘する。

「2つ目の理由は、まだ進化の過程にあるからだ。私は、年初にFIAやチーム、ドライバーと行った本当の議論を覚えているが、今日ではすでに全く違っている」

「つまり新しいレギュレーションが始まる前から、正しい方向への進化が進んでいるのだ」

「当初は『リフト・アンド・コースト(燃費走行)』という話をよく聞いていたが、今日ではこの議論はほぼ消えつつある。まだ2、3の状況では残っているが、チームとFIAの間に適切な関係があると私はかなり確信している。最終的にこの規則調整を解決するのは彼らだからだ」

ステファノ・ドメニカリ F1 自動車競技

忍耐とオープンマインドを
ドメニカリは、2026年の最初のレースは必然的に厳しい目で見られるだろうとしつつ、パドックやファンに対して冷静な姿勢を強調した。

「心構えは、何が起きているのかを理解しようとオープンであることだ」とイタリア人CEOは説明した。

「今日ではあまりに多くの理論が飛び交っており、すべてが可能性として語られている。だが正しいことは、まず何より過剰反応しないことだ。我々はF1の経験から…常に過剰に慎重なアプローチがあり、物事が違う方向に進展してきたことを知っている」

ドメニカリは、時間が経てば変化の本当の影響が見えてくると自信を持っている。すでに一部のチームは新規則を活かす方法を模索しているとも指摘した。

「だから私はこう言いたい。どこにいるのかを見てから判断しよう、と。そして調整が必要であっても、すぐにやる必要はない」

「何を話しているのかを正確に理解するために、少し待つ時間はある」

2026年新時代へ向けた冷静な視座
「すでに一部のチームやメーカーは、新規則の恩恵をどう活かすかを考えている可能性がある。だからアプローチは常に好奇心を持って臨むことだ。シーズン初戦には信じられないほどの注目が集まるだろう…だが重要なのは、適切な時間をかけ、FIAやチームと正しい議論を行い、大きな見落としがないか確認することだ」

2026年の大改革まで残り半年余り。ステファノ・ドメニカリのメッセージは明確だ――オープンマインドを持ち、プロセスを信じ、コース上で新時代が自らを証明するのを待つこと。

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カテゴリー: F1 / リバティ・メディア