マックス・フェルスタッペン レッドブルF1の現状に「再建期でも落ち着いている」

一見すると、フェルスタッペンはそれを比較的冷静に受け止めているように見える。27歳となった彼は2021年から2024年にかけて連続して勝利を重ね、その間に65勝のうち56勝を挙げた。
そして4年連続でタイトルを獲得。勝利は日常となっていた。しかし今季は全く違う。ライバルのマクラーレンが他を圧倒しているからだ。
それでもフェルスタッペンは勝利を挙げてきた。だがそれははるかに難しくなり、トップに立つためには彼の圧倒的な才能を余すことなく発揮する必要があった。その結果、ここまで日本とイモラで2勝を収めている。
とはいえ、彼は依然としてドライバーズ選手権3位と立派な位置にいるが、首位オスカー・ピアストリとは97ポイント差。これはグランプリ4勝分に相当し、シーズン再開後に残されたレースは10戦しかない。
レッドブルはコンストラクターズ選手権でも苦戦している。主に、現在2台目をドライブしている角田裕毅が得点を重ねられていないことが理由だ。
チームの194ポイントのうち、フェルスタッペンが稼いだのは187点に上る。
「自分が置かれている状況を受け入れるしかない」とフェルスタッペンはハンガリーでのレッドブル・モーターホームの中階で語った。「今は最速じゃないけど、最遅でもない」
「僕たちは常に改善を目指している。勝っていた時もそうだった。今はあまり勝てていないけどね」
「今はクルマをもっと理解し、どこでタイムを見つけられるかに集中している。もちろん来年は新しいレギュレーションがあるけど、今年のうちにもまだ多くのことを学べると思う」
4度の世界王座と65勝を積み重ねてきたフェルスタッペンは落ち着きを増したように見える。勝ちたい気持ちは変わらないが、一度勝ち続け、自分の才能を証明した今、この成績の低迷は以前ほど堪えるものではないようだ。
「勝てないマシンで走った年は何度もあった。それがF1だし、分かっていることだから、割り切るのはそれほど難しいことじゃない」と彼は語った。

「まるで第二の家族のようだ」
ハンガリーでは、フェルスタッペンとレッドブルとの関係における大きな節目を迎えた。F1参戦以来200戦目となったのだ。
この間、彼は驚異的な32.5%の勝率を記録。少なくとも2027年まで在籍すれば(契約は2028年まで)、ルイス・ハミルトンがメルセデスで記録した単一チーム最多参戦(246戦)を上回ることになる。
それだけに、チームの多くの人々と強い関係を築いたのは必然だった。
「長くチームの一員でいられるのは素晴らしいことだ。まるで第二の家族のようだ。共に数多くの美しい成果を成し遂げてきたし、もちろんタイトルも勝ち取った」
「自分が200戦目を迎えたなんて知らなかったから、ある意味すごく早く感じるけど、振り返れば本当に多くの素晴らしい思い出がある」
「F1を始めた頃、200戦に到達すること自体がすでに特別な目標だった。その200戦を1つのチームでできたのは最高だ」

「僕は26年に集中している」
今季、フェルスタッペンの将来は一年を通して憶測の的となってきた。契約は2028年末まで残っているにもかかわらず、メルセデスがその前に彼を獲得しようとしていると噂されてきた。
しかしフェルスタッペン本人は一貫して沈黙を保ち、ほとんど語らなかった。
「他の人がいろいろ話しているだけで、僕はほとんど話さない。だって言う必要がないからね。何も言う必要がない。それがみんなにとってもいいんだ。意味のないことをあれこれ言うのは無駄だし、僕はチームと共に26年を見据えて集中している。レギュレーションをしっかり仕上げて、スタートから競争力を発揮できるようにね」
来季もレッドブルに残る彼は、チームの未来をどう見ているのだろうか。レッドブルは、2010〜2013年のセバスチャン・ベッテル時代、そして2021〜2024年のフェルスタッペン時代に栄光を手にし、その後に低迷を経験している。
「僕が来る前にチャンピオンを獲ったチームは、その後再建期を迎え、そして再びチャンピオンを獲れる絶頂期に達した」と彼は語った。
「今は少し再建の時期だと感じている。もちろん依然として強力なチームだけど、再びステップアップするために、少しの再建や再編成が必要だと思う。そして何が起きているかをもう少し理解する必要がある。それには時間がかかるけど、できればあまり時間をかけずに済むといい」
そしてこう付け加えた。「チームには低迷から立ち直るメンタリティがある。それは常にそうだった。だから僕はあまり心配していない」
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