レッドブル・ホンダF1 予選分析:裏目に出たセットアップとトウ狙い / F1ベルギーGP 予選
レッドブル・ホンダF1は2020年のF1世界選手権 第8戦 F1イタリアGPの予選をマックス・フェルスタッペンが5番手、アレクサンダー・アルボンが9番手という厳しい結果で終えた。

ダウンフォースマシンであるレッドブル RB16は、そもそもモンツァのような高速サーキットは苦手としている。レッドブル・ホンダF1は、ストレートでの赤字を減らすべく、モンツァにローダウンフォースパッケージを投入した。

しかし、それがマシンバランスを崩した。FP1ではマックス・フェルスタッペンがアスカリシケインでクラッシュ。序盤戦で苦しめられた突如リアが抜けてしまうという症状が再び顔を覗かせた。

おそらく、それを解消するためにマックス・フェルスタッペンは初日よりもダウンフォースをつけて予選に臨んだと思われる。すべての区間でベストタイムを記録したのはメルセデス勢だが、フェルスタッペンが最も上位にいた区間はセクター2だった。

また、その代償かスピードトラップのジュニではマックス・フェルスタッペンは16番手。一方、比較的バランスには満足していたと語っていたアレクサンダー・アルボンはスピードトラップで8番手、区間別でもセクター2よりもセクター1とセクター3で上位にいるという狙い通りの位置につけていることからもマシンセッティングの違いは見てとれる。

「グリップが十分でないのでコーナーの攻略が難しかった。ダウンフォースが少ない中での最適なマシンバランスを掴めず、このレースウイークは苦戦している」とマックス・フェルスタッペンは振り返る。

「ダウンフォースを減らして運転する場合、マシンは後部が依然として敏感であり、それが現時点では問題だ」」

結果的にそこまでダウンフォースに偏らずにバランスを重視したメルセデス、マクラーレン、レーシング・ポイントがレッドブル・ホンダを上回ることになった。この3台は“ハイレーキ”コンセプトを採用していないマシンであることも興味深い。

また、今回の予選ではトウ(スリップストリーム)はそれほど効果を生まなかった。メルセデスはスリップストリームを狙わずに真っ先にコースに出て自由な空間のなかでアタックラップにむけたタイヤの準備に焦点を当てた。一方、レッドブル・ホンダF1はチームメイト同士で引っ張りあうことを試したが、想定されたタイムアップを果たすことはなかった。

最終的にメルセデスから0.908秒差をつけられたF1イタリアGPの予選。3番手のカスロス・サインツ(マクラーレン)は0.1秒差、4番手のセルジオ・ペレス(レーシング・ポイント)とは0.075秒差だが、6番手のランド・ノリス(マクラーレン)は0.025秒差、7番手のダニール・リカルド(ルノー)は0.069秒差と後ろとの差の方が小さい。レースペースも拮抗しており、決勝は後続との厳しいバトルになるかもしれない。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング / ホンダF1 / F1イタリアGP