レッドブルF1関係者 ホーナー解任後の“喪失感”とメキース新体制を告白
クリスチャン・ホーナーの解任から間もないハンガリーGP、チーム内に“異なる空気”が流れていたと、レッドブル内部に精通する記者が明かした。

2025年7月、20年にわたってチームを率いたクリスチャン・ホーナーが解任され、一部のレッドブル関係者にとって新体制への適応は容易ではなかった。

その当日に新たなチーム代表に就任したローラン・メキースは、3週間の準備期間を経て、ベルギーGPで初めてピットウォールに立った。

ヘルムート・マルコは、前任者とは異なるメキースのリーダーシップスタイルに言及し、工場での14時間労働を例に挙げてその驚異的な労働倫理を称賛した。

角田裕毅もハンガリーGP前に、メキースとホーナーの違いについて語り、ドライバーのフィードバックを重視する姿勢を強調していた。この感覚は、メキースの下でレースを戦ったことのあるカルロス・サインツら他のドライバーからも共有されている。

ベルギーGPでは“喪失感”、ハンガリーでは“前向きなムード”に変化
ポッドキャスト『The Inside Track』に出演したジャーナリストでレッドブルに精通するマット・マジェンディは、ベルギーとハンガリーで感じたチーム内の雰囲気の違いについて次のように語った。

「スパでは雰囲気が違った。どこか“喪に服している”ような空気、少し不安定で、皆がやや迷っているように見えた。何をすればいいのか、はっきりしていない印象だった」

「ホーナーのことを忘れたわけじゃないが、F1はとても速いスピードで進んでいく。“それはもう先週の話だ、さあレースに集中しよう”というムードだった。チームには何か違う空気があって、“やり直そう”という意志を感じた。ただ、それがハンガロリンクでうまく機能したかと言えば、そうでもなかったけどね」

マックス・フェルスタッペンは少なくとも来季まではレッドブルに残留する見込みであり、騒動が続いた7月を経て、再びレースに集中できる環境が整ったことは彼にとっても望ましい状況だったはずだ。

レッドブル・レーシング

メキース体制、夏休みを“リセット”の機会に

ベルギーGPでの新体制初戦を終えたローラン・メキースに対し、F1ファンの間ではその即効性を巡って意見が分かれている。

フェルスタッペンは土曜のスプリントレースで勝利を挙げたものの、RB21のパフォーマンスはその後下降。決勝レースでは悪天候に備えたセットアップが裏目に出るかたちとなった。

■ コンストラクターズランキング(8月初旬時点)
1位 マクラーレン:559ポイント
2位 フェラーリ:260ポイント
3位 メルセデス:236ポイント
4位 レッドブル:194ポイント

ハンガリーGPでは、フェルスタッペンのマシンのテレメトリーに“際立った”パフォーマンス低下が表れ、昨年のサンパウロGP以来となる予選低迷、そして今季ワースト2位の決勝結果となった。

F1の夏休みに入る直前にチームを引き継いだメキースは、8月末のレース再開を“再スタート”の機会と位置づけ、残り10戦でレッドブルの下降傾向を立て直すことが求められる。

チームはこのままコンストラクターズ選手権で大きく引き離されれば、4位でのフィニッシュが現実味を帯びてくる。2022年と2023年に連覇を達成した姿からは、かけ離れた位置にある。

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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング