レッドブルF1、レーシングブルズの23億ドル買収オファーを拒否との報道

オーストリアの飲料メーカーは、長年にわたり2チーム体制でF1に参戦しており、ファエンツァを拠点とするセカンドチームは若手育成の舞台として機能してきた。
これまでにセバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンといった名ドライバーがこのチームから羽ばたき、レッドブル・レーシングへと昇格してきた。
レッドブルが23億ドルのオファーを拒否
F1チームの価値は、リバティ・メディアによる買収以降に大幅に上昇し、2017年以降、各チームの人気と収益性は飛躍的に高まっている。
F1ジャーナリストのジョー・ソワード氏は自身のブログ『Green Notebook』で、次のように報告している。
「信頼できる情報筋によると、レッドブルは最近、レーシングブルズを買収したい投資家から23億ドルのオファーを受け、それを断った。以前にも20億ドルの提案が8月にあったが、それを上回る金額だ。」
過去数か月間、レッドブルがセカンドチームを売却する可能性が取り沙汰されてきたが、レッドブル側も、買収を申し出た投資家側も正式なコメントは出していない。
ジャミー・チャドウィックが“ドライバー刷新”を提案
Sky Sports F1の解説者であり、ウィリアムズF1のアンバサダーでもあるジェイミー・チャドウィックは、レッドブルが新たな才能を見いだすために、レーシングブルズのドライバーラインアップを一新すべきだと主張した。
「彼ら(レッドブル)は常に“次のマックス・フェルスタッペン”を探している。今のラインアップを維持したままでは、トップチームに昇格できるようなドライバーは生まれないと思う」
「新しい若手を起用してみるべき。もしかするとイサック・ハジャーのような新星を発掘できるかもしれない。」
レーシングブルズの2026年ドライバー体制は、現時点でまだ正式発表されていない。

レッドブルの“2チーム体制”は今後も維持されるのか
23億ドルという評価額は、レーシングブルズが単なるジュニアチームではなく、すでにF1の中堅チームとして高い市場価値を持つことを示している。
しかし、売却を拒否した背景には、以下の要素があると考えられる。
ドライバー育成と技術共有の戦略的重要性
レッドブルは、若手発掘と育成を自社エコシステム内で完結させることを重視している。特に2026年のレギュレーション変更期には、2チーム体制による開発面の柔軟性が大きな武器となる。
VCARBブランドの再構築中
2024年に「Visa Cash App Racing Bulls」として刷新されたばかりで、スポンサーシップ価値も上昇中。チームを手放すにはあまりにタイミングが早い。
育成ラインの再編期にある
角田裕毅、リアム・ローソン、アイザック・ハジャーなど、昇格候補が複数存在。チャドウィックの提言は、2026年のレッドブル内人事をめぐる再編を象徴するものともいえる。
結果として、レッドブルがレーシングブルズを保持し続けることは、競争優位と育成戦略を両立するための中長期的判断と見られる。
2026年以降の新F1時代に向け、同チームがどのようなドライバー体制を構築するかが注目される。
Source: Sportskeeda
カテゴリー: F1 / ビザ・キャッシュアップRB / レッドブル・レーシング