宮田莉朋&ハータ 平均年齢でF1グリッドの半数を上回るハイテックF2
2026年に向け、アメリカのトップ・シングルシーターであるインディカーからF2へと異例の転向を果たすのが、インディカー勝者のコルトン・ハータだ。7シーズンにわたるインディカー参戦経験を携え、彼は来季のF2開幕と同じ月に26歳を迎える。これは、F2ドライバーとしては明らかに高い年齢層に属する。

だが、彼のチームメイトも同様だ。宮田莉朋もすでに26歳であり、2人が所属するハイテックは、F2の中でも際立って“成熟した”ラインアップを形成している。

F1では、F2に参戦する若手よりも年下のドライバーが昇格するケース自体は珍しくない。しかし、2026年のハイテックの布陣はその中でも特異な例だ。宮田莉朋は2026年F1に参戦予定の10人、世界王者のランド・ノリスを含むドライバーより年長となる。コルトン・ハータもまた、すでにF1で戦う8人より年上だ。

一方で、F1側に目を向けると、ハイテックのF2コンビより平均年齢が高いラインアップを組むチームも存在する。現役王者のマクラーレン、2025年のレースウィナーであるレッドブル・レーシングやメルセデスなど、5チームがそれに該当する。

対照的に、レーシングブルズは両ドライバーともハイテックの2人より若く、ハースF1チームも平均年齢ではハイテックを下回る。F2経験者を擁しながらも、年齢面ではF1勢の方が“若い”構図が浮かび上がる。

コルトン・ハータは2019年、18歳でCOTAを制しインディカー史上最年少勝者となった。シリーズ9勝、昨季のランキング2位という実績を持ちながら、FIAスーパーライセンス・ポイント不足によりF1参戦資格を得られなかったのは周知の事実だ。

しかし、彼のF2転向が発表された後、FIAは2026年からインディカーに付与されるスーパーライセンス・ポイントを増加させると発表した。さらにハータは、2026年に新規参戦するキャデラックF1チームのテストドライバーも務め、2027年のレースシート獲得を目指す。なお、この新チームは来季F1グリッドで最年長のラインアップを組む見込みだ。

F2の中にありながら、F1グリッドの半数より年長──ハイテックの2026年体制は、育成カテゴリーとトップカテゴリーの年齢構造が逆転しつつある現実を、象徴的に示している。

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カテゴリー: F1 / FIA F2 / コルトン・ハータ / 宮田莉朋