NASCARレジェンドのグレッグ・ビッフルと家族が航空機事故で死亡

ビッフルは妻のクリスティナ・グロッス・ビッフル、娘のエマ、息子のライダーとともに搭乗しており、ほかに3名を含む計7名全員の死亡が確認された。
当局の発表と現場の状況
ノースカロライナ州ハイウェイパトロールのクリス・ノックス一等軍曹は、事故について次のように説明した。
「現時点で、航空機に搭乗していた7名全員の死亡が確認されている。そのうちの1人がグレッグ・ビッフル氏であることは確認できている。」
その後、犠牲者には「ビッフル氏とその近親者が含まれる」ことが正式に確認された。現場は当初、アイアデル郡保安官事務所が対応し、その後FAA(米連邦航空局)とノースカロライナ州警察が調査に加わった。空港は無期限で閉鎖されている。
事故当時の飛行データと天候
飛行追跡データによると、機体は午前10時6分ごろに離陸し、10時8分までに高度4,300フィートに到達。その後、空港から約1マイルの地点で降下を開始し、引き返して着陸を試みたが、最終的に滑走路東端付近で墜落した。
事故機はセスナC550(機体番号N257BW)で、ビッフルが所有するGB Aviation Leasing, LLC名義の機体だった。
AccuWeatherの予報担当副社長ダン・デポドウィンは、当時の気象状況について次のように述べている。
「事故当時、空港周辺では悪天候が報告されていた。午前10時15分には強い霧雨と雲高約1,200フィートが観測され、その後、雲高は約400フィートまで低下し、視程は2マイル未満にまで悪化していた。」
天候が事故原因に関係したかどうかは、今後数か月から1年以上かけて調査される見通しだ。
家族と関係者による共同声明
ビッフル、グロッス、ダットン、ランダースの各家族は連名で声明を発表した。
「私たちは愛する家族を失い、深い悲しみに包まれています。この悲劇は言葉では表せないほどの心の痛みを残しました。グレッグとクリスティナは献身的な両親であり、息子ライダーと娘エマ(母:ニコール・ランダース)を中心に人生を捧げていました。」
「デニス・ダットンと息子ジャック、そしてNASCARコミュニティで愛されていたクレイグ・ワズワースも、私たちにとってかけがえのない存在でした。どうか私たちがこの計り知れない喪失を受け止める時間と、思いやり、理解を与えてください。」
NASCARと関係チームの追悼
NASCARも声明を発表し、ビッフルの功績を称えた。
「NASCARは、グレッグ・ビッフルとその家族、そして他の犠牲者を失ったことに深い悲しみを覚えています。グレッグはチャンピオンである以上に、仲間やファンに愛された存在でした。」
ビッフルはキャリアを通じてラウシュ・レーシング(現RFKレーシング)に所属し、2000年クラフツマン・トラック・シリーズ、2002年ブッシュ・シリーズの王者に輝いた。Cupシリーズでも通算19勝を挙げ、2023年にはNASCAR史上75人の偉大なドライバーに選出されている。
レーサーとして、そして慈善家として
引退後のビッフルは、動物福祉を中心とした慈善活動や、2024年のハリケーン・ヘリーン後の被災地支援で知られていた。登録パイロットでもあり、自身のヘリコプターを使って物資輸送を行い、多くの命を救ったとされている。
NASCAR界を代表する存在だったグレッグ・ビッフル。その突然の死は、モータースポーツ界全体に深い衝撃と悲しみをもたらしている。
カテゴリー: F1 / NASCAR
