ロードレース世界選手権 MotoGP マレーシアグランプリ マルク・マルケス
3連戦最後の戦いとなったロードレース世界選手権 第17戦マレーシアGPは、Moto3とMoto2クラスはドライコンディション、MotoGPクラスはウエットコンディションで行われた。今大会、最大の注目選手はもちろん、タイトル王手で今大会を迎えたマルク・マルク・マルケス(Repsol Honda Team)。

今大会も3日間を通じて不安定な天候となったが、マルク・マルケスは、ドライ、ウエットとともに着実にマシンのセットアップを進めた。

しかし、ドライコンディションで行われた予選では、痛恨の転倒を喫し7番グリッド。ウエットコンディションとなった決勝も、思うようなパフォーマンスを発揮できなかった。

レースは、Moto2クラスの決勝レースが終わった直後に激しい雨となり、フルウエットで始まった。その難しいコンディションの中で、マルク・マルケスは3列目7番グリッドから好スタートを切ると、オープニングラップで3番手につけるが、5周目に4番手へとポジションを落とす。それからは4番手をキープする走りに徹し、22周のレースでチェッカーを受けた。総合2位のアンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)に33点差をつけ、タイトル王手で今大会を迎えたマルク・マルケスだが、レースを終えて点差は21点となり、タイトル決定は次戦への持ち越しとなった。最終戦となる次戦バレンシアGPでは、11位以内に入れば自力チャンピオンが決まる。

また、マルク・マルケスが4位でフィニッシュしたことで、ホンダはコンストラクターズポイントを332点とし、2位のドゥカティに29点差をつけたことで、2年連続23回目のコンストラクターズタイトルを獲得した。

今季3回目のポールポジションを獲得したダニ・ペドロサ(Repsol Honda Team)は、この数戦、苦戦してきたウエットコンディションで健闘し、5位でチェッカーを受けた。日本GP、オーストラリアGPと、過去2戦ともにウエットコンディションでタイヤの温度を上げられず苦戦を強いられたが、今大会もウエットでは思うようなパフォーマンスを発揮できなかった。しかし、決勝ではこれまでと比較して大きく改善されたことで、5位フィニッシュを果たした。

予選11番手から決勝に挑んだジャック・ミラー(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)が8位フィニッシュ。前戦オーストラリアGPの7位に続き、2戦連続でシングルフィニッシュを達成した。シーズン後半戦にかけて調子を上げているミラー。最終戦バレンシアGPでもその走りに注目が集まる。

予選10番手から決勝に挑んだカル・クラッチロー(LCR Honda)は、リアタイアのグリップに苦しみ、ペースが上がらず15位。予選20番手のティト・ラバト(Estrella Galicia 0,0 Marc VDS)もリアタイヤのグリップに苦しめられ、18位でレースを終えた。

マルク・マルケス(MotoGP 4位)

「今日はウエットレースとなり、路面が非常に滑りやすく、これまでのチャンピオンシップの中でも最も難しいレースの一つになりました。スタートはよかったので、集団につかまらないようにしようと思い、序盤はプッシュしました。そしてマシンの感覚やペースをつかもうとしたのですが、ドゥカティの2人がとても速いのが分かったので、リスクを冒すよりも、冷静にチャンピオンシップのポイントを獲得することに専念しました。(ヨハン)ザルコ(ヤマハ)をパスすることも考えましたが、チャンピオンシップのアドバンテージを21ポイントから24ポイントにするだけだと考えると、リスクが大きすぎました。今日のレースはタイトルを獲得するためのものではなく、そこに近づくためのものだと考えることにしました。この週末は難しいものとなり、常に苦戦し続けていたので、4位という結果が獲得できたことに満足しています。もちろん、このあともしっかりと集中して、バレンシアの決勝ではチャンピオンシップポイントのアドバンテージに油断することなく、100%で取り組みたいと思います。また、今日はコンストラクターの年間タイトルが獲得できました。これはチャンピオンシップの最初のステップになったと思います」

ダニ・ペドロサ(MotoGP 5位)
「全体的に今日の結果には満足しています。戦えるマシンを用意してくれたチームに、感謝しています。昨日ポールポジションを獲得したあとはもちろん、決勝も晴れてくれたらという期待感が強かったので、決勝前に雨が降り始めるのを見たときには、トップでスタートしても最後尾でゴールすることになってしまうかもしれないと思いました。結局、セッティングの変更を行い、リアのグリップが得られるように、過去に試したことのあるセッティングにしたところ、これが機能しました。そのセッティングとリアにソフトを選択したことで、自信につながりました。ストレートでリアがスピニングする症状は、依然として完ぺきではありませんでしたが、少なくともエッジグリップは効いていたので、マシンを倒し込むことができました。また今後、技術面で役立ちそうなことを学べたと思うので、満足です。また今日はHondaがコンストラクターズタイトルを獲得しました。これは大切なことです。Hondaにとってもう一つのタイトル獲得になるので、うれしく思っています」

ジャック・ミラー(MotoGP 8位)
「序盤はグリップのレベルが難しく、タイヤの左側を使っているときは特にコースから外れないようにするのに苦労しました。とにかく転倒しないようにしました。少し怖かったです。でも序盤からリアタイヤが機能するようになり、ポジションもいくつか上げることができて、8位を獲得できました。全体的にはいい週末でした。ドライではとても力強い走りができました。足の骨折から復帰して2度目のトップ10なので、バレンシアではもっとポイントが獲得できるようにがんばります」

カル・クラッチロー(MotoGP 15位)
「今日は本当にタフな日になりました。雨のレースだったのに15位というのはとても残念ですが、レースのウォームアップのときからリアに問題があったので、いくつか修正を重ねながらマシンに乗っていました。チームとしても、そして僕自身も今回は非常に残念な結果ですが、今シーズン最後のレースとなるバレンシアに向けては、ポジティブなマインドで臨まなくてはいけないと思います。僕たちはこれまでも雨のレースで強かったので、今日の雨ではもっと戦えると思っていました。リアタイヤについてはなにか決定的に悪い点があったと感じています。振動も多く、レース中ずっとサバイバルモードでした。マシンに乗っているのがやっとで、ようやく正しいやり方でスロットルを開けることができるようになったのは、唯一、レース終盤になって路面が乾きだしてからでした。とにかく、バレンシアの最終戦は楽しみにしています」

ティト・ラバト(MotoGP 18位)
「午前中は日が照っていたのに、僕たちのレースの時間になってから望んでいなかった雨が降り出しました。リアタイヤに少し問題があって、スロットルをあまり開けていないのにもかかわらずグリップを全く得られず、ヒザが何度も路面と接触しました。感覚がおかしかったので、一度はリタイアも考えたのですが、最後までプッシュしました。あまりにもトップとのタイム差がついてしまったので、がっかりしています」

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カテゴリー: F1 / MotoGP