F1 メキシコグランプリ エルマノス・ロドリゲス・サーキット
2017年のF1世界選手権 第18戦 メキシコグランプリが、10月27日(金)~29日(日)にエルマノス・ロドリゲス・サーキットで行われる。

メキシコにおけるF1の歴史は、60年代前半にペドロとリカルドのロドリゲス兄弟によって開かれた。2人ともドライバーとしてF1に参戦し、メキシコでのファンが拡大。それが1963年の非選手権レースとしてのメキシコGPの開催につながった。

当時の開催地であるマグダレーナ・スポーツ・シティ・サーキットはその後1979年までカレンダー入り。その後、「アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲス」と名を改められ、1986~92年の7年間にわたって開催され、2015年から再びカレンダーに加わった。

標高2,200mは、年間を通じて最も高く、チームはエンジニアリング面で大きなチャレンジを強いられる。また、ピット前のメインストレートは1.2㎞に及び、ターン1でのオーバーテイクに向けた駆け引きが見られるなど、好レースを演出している。

今大会もチケットはすでに完売。満員の大観衆が独特の雰囲気を作り出し、特に4万人収容のスタジアムセクションでは大きな盛り上がりを見せる。ちなみに、このエリアはレース以外にコンサートでも活用されており、過去にはローリング・ストーンズやマドンナが公演を行った。

昨年のレースでは、3位に3人のドライバーが指名されるという珍事があった。3番手でフィニッシュラインを通過したマックス・フェルスタッペンに、コーナーカットがあったとして5秒ペナルティーがレース後に科され、セバスチャン・ベッテルが繰り上がって表彰式に参加。しかし、その後ベッテルにも危険走行による10秒ペナルティーという裁定が下され、最終的に5番手でチェッカーを受けたダニエル・リカルドが3位の座を手にした。

マクラーレンは、これまでメキシコで3勝を挙げており、そのうち2勝は1988年と89年にホンダエンジンとともにつかんだもの。また、ホンダは1965年のメキシコGPでF1初勝利を達成しています。

【動画】 F1メキシコグランプリ:エルマノス・ロドリゲス・サーキット 解説


エルマノス・ロドリゲス・サーキット

全長4.304㎞ ※カレンダー中2番目の短さ
2016ポールポジションルイス・ハミルトン 1分18秒704
2016ファステストラップダニエル・リカルド 1分21秒134(53周目)
ラップレコード1分20秒521 (ニコ・ロズベルグ、2015年)
エンジニアリング標高がエンジン出力とマシンの冷却に影響するため、対策がカギとなる。標高2,000mでは海抜0mに比べて酸素量が約75%にまで減少し、ICE(内燃機関)の出力に影響を与える。また、マシン内部のシステムやブレーキを通り抜ける空気の量も減るため、冷却面の影響も避けられない
ドライビングダウンフォースが少なくなる特性上、オーバーランなどミスをしやすい。また、ターン1~3、4~5、13~15のように相関性のあるコーナーが多いのでスムーズなドライビングが求められる。難所はターン1へのブレーキング。直線ではモンツァと同程度のスピードが出るが、減速に必要なダウンフォースが少ないため。また、ラップ終盤のスタジアムセクションは低速コーナーが多くタイムを左右するが、ターン16をうまく抜けて1.2㎞のメインストレートでスピードを乗せるためのポイントでもある
マシンセットアップダウンフォースを高く設定しなければならない。高地で空気が薄いため、シンガポールのマリーナ・ベイ市街地サーキットと同程度のダウンフォースレベルになるが、マシンの出力はモンツァと比較して約10%しか減少しない
グリップレベル中程度。アスファルトは2年前に舗装されたためにグリップが比較的高いが、ダウンフォース量が少ないのでマシンは暴れやすくなる
タイヤウルトラソフト(紫)、スーパーソフト(赤)、ソフト(黄) ※この組み合わせは今季9回目
ターン1までの距離800m ※カレンダー中最長
最長ストレート1.314km ※ターン1へ向かう直線
トップスピード時速345㎞(ターン1への進入時)
スロットル全開率47%
ブレーキ負荷高い。ブレーキングポイントは12カ所あり、そのうち3カ所でハードブレーキング。しかし、空気の薄さと冷却の問題により、ブレーキへの負荷は高くなる
燃費1周あたり1.45㎏を消費。カレンダー中でも低め
ERSの影響高い。長いストレートと高地という組み合わせが、ERSにとって年間で最も過酷な環境となる
ギアチェンジ44回/1ラップ、3,124回/レース

F1 メキシコグランプリ

周回数71ラップ
スタート時間現地時間13時(日本時間月曜午前4時)
グリッドポールポジションはレーシングライン上にあるが、少ないダウンフォースがドライバーにとって一番の問題であり、ターン1への距離も長いので、アドバンテージは少ない。
DRSゾーンは2つ。ターン1と4へ向かうストレート。
ピットストップ昨年のレースでは表彰台に登壇したドライバーはすべて1ストップ。今年ピレリは1段階ソフト側のコンパウンドを持ち込むが、今季型タイヤの耐久性は増しているので、30周前後でタイヤを交換する1ストップ戦略が見込まれる。
ピットレーン650m。1回のストップでのタイムロスは約18秒
セーフティカー2015年にカレンダーへ復帰してからの出動率は100%。過去2年間はセーフティカーもしくはバーチャルセーフティカーがレース結果に影響を及ぼしている
注目ポイントターン3での攻防。1つ目のDRSゾーンであるメインストレートでマシン同士が接近し、2つ目のDRSゾーンへ続くターン3でさらに近づけるかがオーバーテイクのカギとなる
見どころメキシコのファンは情熱的で、雰囲気は衝撃的ですらある。ドライバーズパレードの際には大歓声とともにさまざまな色に染まるスタンドが見られる。特に、4万人のファンがひしめくスタジアムセクションはひと際盛り上がり、フェルナンド・アロンソは「まるでフットボールスタジアムにいるみたいだ」と評した
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カテゴリー: F1 / F1メキシコGP