メルセデス 2025年F1マシン『W16』 前モデルの学習を生かして「大幅な変更」
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先週ロンドンで開催されたF1 75イベントでマシンのカラーリングを公開したメルセデスは、今回もブラックに溶け込むシルバーのデザインを選択し、火曜日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで行われる撮影日に先立ち、新型W16の画像を公開した。
昨シーズン、メルセデスはコンストラクターズ選手権で4位に終わった。ジョージ・ラッセルとルイス・ハミルトンがそれぞれ2勝を挙げた暗い2023年からチームは復活したが、W15は狭いセットアップウィンドウで、ブラッケリーチームが期待していたほどのゲインは得られなかった。
メルセデスが2025年のF1マシン、W16を発表
今年、現行のグラウンドエフェクト・レギュレーションの4年目にして最後のシーズンを迎えるにあたり、メルセデスは「前モデルの学習を活かした」マシンを設計し、「大幅な変更」を盛り込んだ。
マシンの空力面にも変更が加えられ、フロントサスペンションも新しくなった。また、前モデルの課題となっていた特性を改善するために、W16の内部にも手が加えられている。
「シャシー側ではこのレギュレーションが4年目となり、マシンは成熟期に入っている。ラップタイムの大幅なゲインは難しくなっているが、我々は昨年我々を妨げていた分野の改善に集中してきた」とテクニカルディレクターのジェームズ・アリソンは説明した。
「我々の主な焦点は、低速コーナーでのW15のわずかな旋回抵抗を解消することと、セッションごとにマシンの挙動が安定しなかった原因であるタイヤ温度の不均衡を解消することにあった」
「冬の間に進歩できたことを嬉しく思うとともに、他のチームと比較して自分たちがどの位置にいるのかを確かめるのが楽しみだ」。
ルイス・ハミルトンが12年在籍して6度のワールドタイトルを獲得した後、フェラーリに移籍したことで、メルセデスにとって今シーズンは新時代の幕開けとなる。イタリアの「神童」アンドレア・キミ・アンドレッティが、ジョージ・ラッセルの新しいチームメイトとしてハミルトンの後任となる。
しかし、アントネッリはルーキーとしてグリッドに並び、トト・ヴォルフは2025年のF1は2026年とその全く新しいマシンに向けての準備期間だと認めているが、ラッセルは世界タイトル獲得を目指している。
「僕はF1に6年間参戦しており、来年で7年目、チームには4年目になる」とラッセルはThe Timesに語った。「次のレベルに挑戦する準備が完全に整っていると感じているし、チャンピオンシップを戦う準備もできている」
「マックスと戦う準備もできているし、チャンスがあればそれを無駄にはしない。3年間準備ができていたと感じている」
「僕は史上最高のドライバーとチームメイトだった。もしルイス・ハミルトンより上位でフィニッシュしたり、選手権で彼に勝ったりすることができれば、おそらく12シーズンで十分優勝できるだろうし、少なくとも世界選手権で戦えるだろう」
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メルセデスは、過去3年間と同じ罠に陥らず、1つの問題を解決するだけで別の問題を生み出さないようにしなければならない。
「正直に言って、今年は大きな変化があるだろう」とラッセルはメディアに語った。
「毎年、問題を発見し、それを解決してきたけど、また新たな問題が生じていた。そして今年は、おそらくこれまで以上に、あらゆる変更に対して規律を持って取り組んできた。シミュレーターの実行についても、これまで以上に徹底的に行い、新たな罠にはまらないようにしてきた。そして今のところ、それは妥当なステップだ」
「僕たちは過去よりもずっと先を見越した考え方をしており、風洞で開発を行う航空業界では、これはごく普通のことだ」
「でも、マシンの特性やハンドリング、ドライビングのフィーリングを変える場合、フロントを強化するとリアが犠牲になる。 行き過ぎると、逆の方向でやった場合と同じくらいの問題が生じる」
「だから、本当に徹底的にやるべきだと思う。『よし、これは我々がやる基本的な変更だ。僕たちはこれがXに効果的だと考えている。これはこれらのレースで問題になるだろうか?もしそうなら、どうやってそれを回避しようか?』とね」
ジョージ・ラッセルとアンドレア・アントネッリは、水曜日に3日間の日程でサヒール・サーキットで行われるプレシーズンテストが始まる前の火曜日に、撮影日でW16を運転する。
メルセデスは、アントネッリが初日の朝にステアリングを握り、その後ラッセルにマシンを引き継ぐことを確認している。木曜日に交代し、3日目は初日のメンバーでテストを行い、ラッセルがテストを締めくくる。
開幕戦オーストラリアGPは3月14日から16日までアルバート・パークで開催される。
カテゴリー: F1 / メルセデスF1