メルセデスF1代表 アントネッリへの「危険な称賛」から守る姿勢を強調

18歳のアントネッリはF1カナダGPで3位表彰台を獲得し、自身初のキャリア表彰台を手にした。これは2009年の日本GPでヤルノ・トゥルーリが3位に入って以来、イタリア人ドライバーとして初の表彰台となった。
イタリア人ドライバーによるF1優勝は2006年マレーシアGPのジャンカルロ・フィジケラまで遡り、世界王者ともなると1953年のアルベルト・アスカリまで遡る。F1世界選手権76年の歴史のなかで、イタリアは長らく勝利とタイトルから遠ざかっている。
こうした背景もあり、アントネッリの母国レースであるイモラGPではメディアの注目が集中。メルセデスとヴォルフ自身も、「報道の嵐から彼を十分に守れなかった」と認めている。その影響か、アントネッリはイモラ以降の6戦中4戦でリタイアしており、うち2件はメカニカルトラブル。オーストリアではマックス・フェルスタッペンに接触し、シルバーストンではアイザック・ハジャーに追突される不運も重なった。
マイアミGP以降、ポイントを獲得したのはカナダの3位表彰台のみだが、アントネッリは依然としてランキング7位につけている。彼の前には、マクラーレン2台、フェラーリ2台、フェルスタッペン、そしてチームメイトのジョージ・ラッセルがいる。
「それは本当に重要な質問だ。イタリアは、レースやチャンピオンシップを勝てる車に乗るドライバーに長い間飢えていたからね」と、アントネッリをどう守るか尋ねられた際に、トト・ヴォルフはRacingNews365を含むメディアに語った。
「だからこそ熱狂は大きく、主要メディアが『キミは伝説だ』と見出しを打つような状況は、正直なところ好ましくない。表彰台に上がっただけで18歳のドライバーを“伝説”と持ち上げるのは危険だ」
「そういった状況では、彼の周囲のすべてが彼に何かを求めてくるようになる。それを遮断し、守る必要がある」
「ファンからの自撮り要求など、最初は些細なレベルだが、彼のキャリアに関わった人々も何かを期待し始める」
「18歳の若者に四方八方から過度なプレッシャーがかかれば、それは成長の妨げになり得る。車に乗って戦うだけでも十分な重圧だ。チームメイトはジョージ・ラッセルで、マシンは勝てるメルセデスなんだから」
「その上で、さらに外からもプレッシャーが加われば、我々としては彼を守ることが何より重要になる。今、それを実行している」
カテゴリー: F1 / メルセデスF1 / アンドレア・キミ・アントネッリ