ボッタス フェラーリで苦戦するハミルトンに助言「適応はF1ドライバーの仕事」

2025年にメルセデスからフェラーリへと移籍したハミルトンは、ここまでの12戦でフルレースの表彰台はなく、唯一の勝利は中国GPのスプリントレースにとどまっている。ドライバーズランキングでは現在6位に位置し、SF-25の挙動やパフォーマンス特性について、メディアを通じて批判的なコメントも残してきた。
そんなハミルトンの状況について、かつてメルセデスで5年間チームメイトとして過ごしたボッタスが、ポッドキャスト『Red Flags』で自身の見解を語った。
「適応できなければいけない」
「もちろん、新しいことを学んだり、慣れたりする必要はある」とボッタスは前置きしたうえで、こう続けた。
「特にチームメイトがすでにすべてに慣れている場合、最初は彼がアドバンテージを持つことになる。でも、レースドライバーというのは常に適応力が求められる存在だ」
「F1ではほぼ毎年、新しいマシンになる。パワーユニットも変化するし、常に何かしらに慣れなきゃいけない。そういう意味では、F1で“常に学ぶ”という姿勢はごく普通のことだよ」
「ハミルトンが今どんな状況にいるのかはよく分かるし、僕自身はアルファロメオに移籍したとき、割とスムーズに順応できた。でもそのときはレギュレーションの大きな変更があったから、そもそもすべてが新しくなっていたっていう背景もある」

「違いはあるが、謎ではない」
またボッタスは、メルセデスとフェラーリのパワーユニットやシステムの違いについても言及し、ハミルトンが直面しているであろう技術的ギャップについて次のように説明した。
「ドライバビリティ、特に低回転域でのパワーの出方は違うね。どっちがいいかは一概に言えないけど」
「セッティングやエネルギー回生・デプロイの方法にも違いがある。チームごとに名称も違うし、それをまず覚えなきゃいけない。ブレーキングの感覚にも若干の違いが出る場合がある」
「ただ、それも別にロケットサイエンスじゃない。やれば分かることだよ」
また、ブレーキメーカーの違いにも触れ、メルセデスはCarbon Industries(CI)製を使用し、フェラーリおよびそのカスタマーチーム(ボッタスが所属したザウバーなど)はBrembo製を使用している点についても、「自分にはほとんど違いがなかった」と語った。
「ブレーキのウォームアップに少し差がある程度。あるブランドのほうが立ち上がりが早いけど、挙動自体は大差なかったよ」

「フェラーリのプレッシャーはあるが、順応は避けられない」
ハミルトンは今季、初めてフェラーリのドライバーとしてフルシーズンに挑んでおり、その難しさや周囲からの注目度も他チームとは一線を画している。
だがボッタスは、F1という競技において「順応の過程」は誰にとっても避けられないものであり、ハミルトンの経験やスキルをもってすれば、乗り越えられるはずだと示唆した。
「チームが変われば、マシンもシステムも変わる。そのなかでどうやって自分のベストを引き出すか。それがF1ドライバーの宿命だと思う」
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