レッドブルF1の最優先課題は「2台目」 メキースに求められる角田裕毅の再生

2025年シーズン第12戦終了時点で、マックス・フェルスタッペンが165ポイントを稼いでいるのに対し、チームメイトが獲得したのはわずか4ポイントにとどまっている。この“2台目問題”はここ1年で深刻化しており、セルジオ・ペレスの不振を皮切りに、過去にはピエール・ガスリーやアレクサンダー・アルボンもフェルスタッペンとの大きな差に苦しんだ。
2025年F1ベルギーGPで初陣を迎えるメキースにとって、角田裕毅の立て直しは喫緊の課題と見られている。
「今すぐにやるべきこととしては、それが一番有効だと思う。なぜなら、同じマシンに乗っているのに、片方のドライバーだけが圧倒的に速いという状況だからだ」とパーマーはF1 Nationポッドキャストで語った。
「レッドブル自身も頭を悩ませている。“なぜ誰もマックスに近づけないのか?”とね。そして今、チーム代表となったメキースは、マックスとはこれまでのような関係性を築いていない。クリスチャン(・ホーナー)はマックスとともにチャンピオンを育ててきたが、ローランはむしろ角田裕毅やリアム・ローソンと関わってきた人間なんだ」
メキースはレーシングブルズ時代に角田裕毅と強い信頼関係を築いており、それがレッドブルにおいてもポジティブに働く可能性があるという。
「彼はアンダードッグ的な立場からF1を率いてきた人物だ。だからこそ、角田に寄り添って“あのときはフロント3列に予選で並んでいたじゃないか。今は何が起きているんだ?”と問いかけるだろう。2台目ドライバーの役割をしっかり見極めることが、今のレッドブルにとっては大きな意味を持つはずだ。ただし、そこから実際にパフォーマンスを引き出せるかどうかは、さらに難しい問題だ」

角田裕毅、F1残留に黄信号
だが角田裕毅自身は、F1残留をかけた厳しい戦いの中にいる。2026年にはアイザック・ハジャーがレッドブル昇格を果たすと見られており、角田のシートは風前の灯火だ。
フランス出身のハジャーは、今季レーシングブルズで印象的なデビューシーズンを過ごしており、チームにとって有力な次世代の柱とされている。また、リアム・ローソンは現状チームに残留する見込みで、比較対象としての役割を担っている。一方で、F2で活躍するアービッド・リンドブラッドも2026年のF1デビューが有力視されており、シルバーストンではFP1でレッドブルのマシンをドライブした。
角田裕毅の選択肢は極めて限られており、キャデラックはバルテリ・ボッタス、セルジオ・ペレス、ミック・シューマッハら複数のドライバーを評価している段階。現実的には、2026年からホンダ製パワーユニットを供給されるアストンマーティンでリザーブドライバーを務める可能性が取り沙汰されている。
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