メルセデスF1 ラッセル放出案にバトン苦言「今の彼を外すのは奇妙な決断」

フェルスタッペンの将来に関する憶測が高まったのはオーストリアGPの週末。ラッセルがSky Sports F1のインタビューで「フェルスタッペンのような存在と話し合いが続いているのは、ごく自然なこと」と語ったことが発端だった。
その1週間後、イギリスGPの場でこの件について問われたフェルスタッペンは口を閉ざし、「前回言った通りだよ。他の人たちがいろいろ書いてるけど、僕から言うことは何もない」とコメントしている。
また、当時まだチーム代表を務めていたクリスチャン・ホーナーも「ノイズが多すぎる」と一蹴し、フェルスタッペンとは2028年末まで契約があると改めて強調した。
そんな中、バトンは『The Chris Moyles Show』に出演し、ラッセルとフェルスタッペンの“トレード”の可能性について問われると「まあ、あり得なくはない」としつつも、フェルスタッペンが現在のレッドブルという恵まれた環境を離れることには慎重な見方を示した。
「マックスにとっては難しい選択だと思う。彼はレッドブルで非常にうまくやっていて、これまで多くのものを与えられてきた。クルマは彼を中心に設計されていて、それを完璧に乗りこなしている。あのクルマの中では、誰も彼に太刀打ちできない」
「彼が3番手や4番手に予選する一方で、チームメイトは18番手だ。もし彼がメルセデスに移籍すれば、全く異なる状況になる。そこではクルマは彼のために設計されていない。うまくやれるかどうか、分からないね。でも、世界最高のドライバーであれば、それでも適応できるはず」

バトンはまた、現在ドライバーズランキングでフェルスタッペンと18ポイント差につけるラッセルの活躍に言及し、そのパフォーマンスを高く評価した。
「ジョージは今、まさにキャリアの絶頂にいると思う。ここ数年でルイス(・ハミルトン)と互角に戦ってきたし、彼はワールドチャンピオンになれる素材だ」
そのうえで、フェルスタッペンを獲得するためにラッセルを放出するという案については疑問を呈した。
「マックスを入れるためにジョージを外すというのは、ちょっと奇妙な動きに見える。たしかに18歳のキミ・アントネッリが控えていて、将来的にスターになる可能性はある。でも、それが確実かどうかはまだ分からない」
「一方で、ジョージは今そこにいて実力もある。そして、F1の新時代においては、非常に競争力のある2人のドライバーが必要になる。来年はレギュレーションも変わるし、クルマもエンジンも一新される。だからこそ、ジョージとマックスのラインアップこそ理想的だと僕は思う」
また、フェルスタッペンとラッセルのペアが実際にうまくいくと思うかと問われたバトンは、こう締めくくった。
「見てみたいね、ぜひとも!」
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