マクラーレンF1代表が分析「数学ではなく競争力の問題」 ノリス勝利に手応え

ノリスは日曜の決勝71周をスタートからフィニッシュまでリードし、2位シャルル・ルクレールと3位マックス・フェルスタッペンに30秒以上の大差をつけて優勝。これで今季6勝目を挙げ、4月以来となるドライバーズランキング首位に返り咲いた。
現在ノリスはチームメイトのオスカー・ピアストリに1ポイント差でリードし、フェルスタッペンは首位から36ポイント差で残り4戦を迎える。
「数学ではなく、競争力の問題だ」
「チャンピオンシップに対する自信は高まっている」とステラは語った。
「それは、我々がレースで勝つことができるマシンを持ち、特定の条件下では支配的な走りができることを証明したからだ。これこそが、ランドとオスカーがタイトルを争うための最も重要な要素だ。これは数学の話ではなく、競争力の話なんだ」
ステラは続けて、「この週末でオスカーがいくつかポイントを失ったとしても、彼にとっては多くの学びがあった。これは今後のための投資であり、シーズン終盤のあらゆる状況で競争力を維持するために必要なものだ。チームとしてもドライバーとしても、この週末を終えて自信と楽観的な気持ちを持てている」と付け加えた。
「ランドは特別な走りを見せた」
メキシコGPでの勝利は、マクラーレンにとって5戦ぶりの優勝となった。それまでの4戦では勝利を逃し、フェルスタッペンに104ポイント差から40ポイント差まで迫られていたが、ノリスは見事に巻き返した。
ステラは「ランドのここ数年を振り返ると、今回のように圧倒的な週末は他にもあった。昨年のザントフォールトやシンガポールでも同じような支配的な走りを見せている」と語り、次のように続けた。
「彼は本当に説得力のあるパフォーマンスを見せた。すべてのセッションで最速だったと言っていい。マシンの性能と強みを完璧に引き出していた。特に今回のような低グリップ条件は、彼の自然なドライビングスタイルにぴったり合っていたんだ」

「チームとしての理解も深まった」
さらにステラは、ノリスとピアストリの両方が今後の4戦に向けて自信を持てる状態だと強調した。
「この結果はランドの自信をさらに強めるだろうが、オスカーにとっても価値のある学びになった。チームとしても、マシンから安定してパフォーマンスを引き出す方法をより理解できたと思う。メキシコ以前の数戦では、時に“ガレージにパフォーマンスを残してきた”こともあったが、今はそれを克服しつつある」
マクラーレンが見せた真の競争力回復
今回のメキシコGPでのノリスの完勝は、マクラーレンがシーズン終盤に再び“絶対的な競争力”を取り戻したことを証明する内容だった。低グリップの路面で完璧に機能したMCL39は、メカニカルグリップと空力の両面で優位に立ち、ノリスが全セッションで主導権を握った。
一方で、ピアストリは5位にとどまりながらも安定したペースを維持し、開発の方向性に貴重なデータをもたらした。ステラの言葉通り、今回の週末は「勝利の確認」であると同時に「タイトル戦への準備段階」としての価値が高い。残り4戦、マクラーレンはダブルタイトル奪取に向けて確固たる体制を整えたといえる。
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