マクラーレン FIAに苦言「F1ドライバーの発言の自由を取り戻すべき」

FIA会長モハメド・ビン・スライエムによる発言や振る舞いへの厳格な対応方針は、これまで多くの反発を招いてきた。スライエム会長はイギリスGPの場で「ドライバーの声に耳を傾け、スポーティングコードのセクションBを修正し、罰則を緩和した」と主張した。
しかし、依然として国際スポーティングコード第12.2.1.f条には、以下のような表現が残されている。
「FIA、その機関、構成員、役員、またはモータースポーツの利益およびFIAが擁護する価値に対し、道徳的損害や損失を与える言動、文書、発言など」
この曖昧な条項が残されている限り、F1ドライバーにとっては自由に意見を述べることがリスクを伴う状態が続く。
現在ランキング首位に立つオスカー・ピアストリも、イギリスGPでセーフティカー中のブレーキ行為により10秒ペナルティを科された直後、怒りをにじませながらも口を慎んだ。
「ここで何か言えば、年間出場停止になるかもしれない」とピアストリは苦笑まじりに語った。
「あまり多くは言わないよ。問題になるからね」と続けた。
マックス・フェルスタッペンも同様に、FIA記者会見で以前より静かな態度を見せており、当該条項の存在が彼の発言を抑制していると見られている。

ステラ代表はピアストリの慎重な姿勢を支持しつつも、次のようにFIAに提言している。
「F1のようにヒートアップしやすい環境では、ドライバーにはまず映像を確認してから発言するよう助言している」
しかし、ドライバーが正当な意見すら述べられない状態は問題だと強調した。
「公正な意見すら問題視されるなら、それは別の次元の話だ」
「この点は見直す必要がある。我々はFIAと協力してそれを行うつもりだ」
「対立する意図はまったくない。この点においてはすべての関係者の利害は一致している」
「我々は常にFIAおよびスチュワードと協調的な立場を取っている」
F1における自由な意見表明とスポーツマンシップとのバランスは、今後の大きな論点になりそうだ。
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / FIA(国際自動車連盟)