ジャック・クロフォード キャデラックF1参戦でF2王座に意欲「僕を逃すな」
ジャック・クロフォードは、もし今季F2でチャンピオンを獲得しても、2026年にF1参戦を控えるキャデラックからの起用がなければ「彼らにとっての機会損失だ」と語った。

アメリカ・ノースカロライナ州シャーロット出身の20歳、現在F2選手権でランキング2位につけるクロフォードは、ESPNのポッドキャスト『Unlapped』に出演し、こう主張した。

「彼らがどうしたいのかを判断するのは難しい。アメリカ人ドライバーをいつか起用したいという話は聞いてるけどね。僕から見れば、もしF2でチャンピオンになるか、かなり上位でシーズンを終えることができたら、アメリカ人を起用しないのは“逃したチャンス”だと思う」

「もちろん、チームにとって最初から新人ドライバーを乗せるのが理想的とは限らない。でも僕自身としては、それが正当な見方だと思ってる」

キャデラックは2026年のF1参戦に向けて準備を進めており、ドライバーラインアップはまだ未定。F1での優勝経験を持つセルジオ・ペレスやバルテリ・ボッタスが有力候補と報じられているが、両者ともアルピーヌからの関心もあるとされ、状況は流動的だ。

「ドライバーは後回し」─ キャデラックの優先事項と“待ちのゲーム”

チーム代表のグレアム・ロードンは、現在の最優先事項はチーム体制の構築であり、ドライバー決定は「優先順位の下位にある」と明言。クロフォード自身もこう語っている。

「それは僕だけじゃなくて、シートを狙っている他のドライバーにも同じように言ってるみたい。だから今は完全に“待ちのゲーム”だよ。ドライバーにとってはつらいけど、今は何もできることがない。宙ぶらりんの状態さ」

「キャデラックの人たちに自分をアピールしようとする段階ではない。僕のマネージャーが主にやり取りしているし、今のところ僕が頻繁に会話する必要はない。何より大事なのはF2で結果を出すこと。F1に近づくにはそれしかない」

アンドレッティとの自然な接点「すでにファミリーの一員」
クロフォードは2023年末からアンドレッティのフォーミュラEチームでリザーブドライバーを務めており、このつながりがキャデラックとの会話をスムーズにしていると語る。キャデラックF1チームは、当初アンドレッティ名義でF1参戦を目指していた経緯があり、現在もアンドレッティのフォーミュラE運営母体であるTWGモータースポーツがF1プロジェクトを担当している。

「それは僕にとってかなり自然なリンクになってる。昨年の終わりにアンドレッティのフォーミュラEプロジェクトに加わってたから、話しやすい環境だったよ。もうファミリーの一員って感じがある」

「今振り返ると、あのタイミングは完璧だった。10月にアンドレッティに加わって、その翌月の11月末にF1プロジェクトの話が(外部に)発表されたからね」

なお、キャデラックのF1プロジェクトは現在、ディズニープラスでのドキュメンタリー作品としても制作が進行中で、ハリウッド俳優キアヌ・リーブスが出演することが明らかになっている。

F2王者を目指すクロフォード、キャデラックF1昇格に意欲「乗れなければ機会損失」クロフォードがF1入りへアピール

F2からF1への“直行ルート”を狙うクロフォード
クロフォードは元レッドブル育成ドライバーで、現在はアストンマーティンの開発ドライバーでもある。F1を目指すうえでF2の成績が極めて重要であることは自覚しており、実際に今季はここまで3勝を挙げ、ランキング2位と結果でアピールを続けている。

F1では近年、若手の登用が進んでおり、2025年シーズンでは5名のルーキードライバーがグリッドに並ぶ。新人×新チームという構図は一見ハードルが高いが、クロフォードのような実績ある若手なら十分に検討対象となり得る。

「できることはF2で成績を残すことだけ。それがF1のシートを手に入れる最も重要な手段だし、僕が今集中しているのはそこだけなんだ」

若きアメリカ人ドライバーが、母国ブランドとともにF1の舞台に立つ日は訪れるのか。その鍵は残りのF2シーズンにかかっている。

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カテゴリー: F1 / キャデラックF1チーム / FIA F2 / アストンマーティンF1チーム