マクラーレン ホンダF1 アメリカグランプリ フェルナンド・アロンソ
マクラーレン・ホンダは、F1アメリカグランプリの予選で、フェルナンド・アロンソが9番手、ストフェル・バンドーンが13番手だった。

午前中にオースティンで行われたFP3では、両ドライバーとも予定通りプログラムを消化した。快晴ながら強風に見舞われたドライコンディションの中、フェルナンド・アロンソとストフェル・バンドーンはトラブルもなく2度の走行を実施。それぞれ13番手および14番手でセッションを終了した。

午後の予選では、再びサーキットに強風が吹く中、路面温度は午前中よりも5℃上昇した。Q1は両マシンにとって順調にセッションが進み、フェルナンド・アロンソは1度、ストフェル・バンドーンは2度の走行を実施。アロンソは8番手、バンドーンは13番手に入り、両マシンが余裕を持ってQ2に進出した。Q2も両者にとって特に大きな問題もなく進行したものの、時間が経つにつれて、新しいパーツの有無による2台のハンドリングの差が浮き彫りとなり、バンドーンはアロンソよりもマシンのバランスに悩まされるようになりった。その結果、アロンソは9番手でQ3進出を決めたものの、バンドーンは13番手でセッションを終了した。

Q3では、アロンソはマシンのセットアップを微調整してからセッションを開始。ほかのマシンとのスペースが十分に確保できる場所を狙ってコースに出たあと、1回目のアタックで8番手のタイムをマークした。その後、アロンソは2回目の走行を行い、ラップタイムをわずかに更新してしばらく8番手に留まったものの、最終的には9番手で予選を終えた。

明日のレースでは、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がグリッド降格ペナルティーを受けるため、フェルナンド・アロンソはグリッドが繰り上がり、8番手からスタートする。一方、ストフェル・バンドーンは自身が5グリッド降格ペナルティーを受けるものの、フェルスタッペン、ランス・ストロール(ウィリアムズ)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)およびブレンドン・ハートレー(トロ・ロッソ)が同じくグリッド降格ペナルティーを受けるため、決勝は14番手からのスタートとなる。

フェルナンド・アロンソ (9番手)

「現地入りするまでは、ここでの僕たちの競争力は期待通りのレベルではないかもしれないと少し心配していたが、実際にコース上でマシンを走らせると、すぐにかなりいいパフォーマンスを発揮した。各セッションでトップ10圏内に入ったことは、うれしいサプライズだった。今回はアップデートをいくつか持ち込んでおり、期待通りの効果を発揮しているようだ。今日は、マシンに対して非常にいい感触があった。ただ、今日は難しいコンディションとなり、予選では高温と強風に見舞われ、グリップは予想よりも低いレベルだった。そのようなコンディションでは、僕たちのマシンはすばらしいパフォーマンスを発揮する。Q2ではいいラップを走行してQ3進出を果たし、最終的に予選9番手となった。明日の決勝では、フェルスタッペンがグリッド降格ペナルティーを受けるため、8番手からスタートする。従って、ポイント獲得に向けて大きなチャンスがあると考えている。ストレートでのスピードがほかのチームよりも劣っていることは分かっているし、1周目は集団の中で走行するためにアクシデントに巻き込まれる可能性もある。ただ、1周目を終えて各マシンがそれぞれのポジションに落ち着いたら、高速区間ではライバルチームのマシンとの差を広げて、自分たちのポジションをいつもよりもうまく守れるかもしれない。アメリカのファンの皆の前で、レースができるのをとても楽しみにしている。明日はすばらしいレースが展開されると思うよ!」

ストフェル・バンドーン (13番手)

「今週末は少し苦戦が続いているので、今日の予選結果はそのような状況で、ベストを尽くした上でのものだったと感じている。昨日のFP2以降、マシンに対する感触があまりよくなく、今日はかなり難しい状況だった。新しいフロントウイングを搭載した状態で空力プログラムを多数実施した昨日のFP1はいいフィーリングを得られ、5番手でセッションを終えたが、その後、そのフロントウイングをフェルナンドのマシンに付け替え、自分のマシンを旧スペックに戻してからは思うようにパフォーマンスが発揮できず、それ以降はマシンのバランスに悩まされている。その状態が今日の予選でも続いた。コーナーでの正しいバランスがまだ十分につかめていないか、自分の思った通りにマシンをまとめることがまだできていない。ただ、僕は5グリッド降格ペナルティーを受けるので、明日のレースで入賞する可能性が自分よりも高いフェルナンドに新しいフロントウイングを渡すのは、当然だと思う。ペナルティーを受けるので理想的なポジションではないが、それが現実だ。明日が今日よりもいい一日になることを願っている。ここは難易度の高いコースだし、明日は長いレースになる。タイヤの摩耗という要素をうまく味方につけて、ポジションをいくつか上げるチャンスを得られるようにしたいと思う。新しいフロントウイングをマシンに搭載してフェルナンドがQ3に進出できたのはよかったし、そのフロントウイングはとてもいい効果を発揮しているようだ。明日に向けてデータを慎重に分析する必要があるものの、ロングランのペースはショートランよりもややいいと考えている。今シーズンを振り返ると、僕たちにとってオーバーテイクはかなり難しい状況だが、明日どうなるのかみてみよう。ここは1コーナーが広く、急な上り坂もあるので、スタートはかなり難しいものの、好スタートを切れれば、バトルを展開してポジションを上げることは可能だ。ここオースティンのファンはすばらしく、イベントに行く先々で皆さんから声援をいただいている。そんな皆さんの姿を目にするのは非常にうれしいものだし、明日はファンの方々のためにもいいレースを展開できることを願っている」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)

「今日の予選では、マシンの実力を最大限に出しきるために両ドライバーが全力を尽くしてくれた。今回、フェルナンドのマシンには、ストフェルよりも新しいスペックのフロントウイングを搭載した。フェルナンドはストフェルのようにグリッド降格ペナルティーを受けることはなく、このコースでマシンをQ3に進出させるポテンシャルがあったためだ。フェルナンドはすばらしいラップを走行し、マシンを限界までプッシュしてくれた。だから、彼がQ3進出を決めて、予選9番手に入ったことをうれしく思う。一方、フェルナンドよりも難しいセッションを迎えたストフェルは、エンジニアと一緒にマシンのバランスを改善しようと考えていた。FP2以降は、アップデート版のパーツを搭載したFP1での最適なバランスを再現することができずにいるものの、そんな状況でもいい走りをし、予選13番手となった。幸い、両ドライバーは明日のレースで、ほかのドライバーがペナルティーを受けることによって恩恵を受ける。それによって、スターティンググリッドが通常とは異なる順番となり、明日の決勝では少なくとも最初の数周は劇的な展開が予想される。ストフェルのグリッド降格は5グリッドではなく1グリッドのみとなり、14番手からスタートする。一方、フェルナンドは8番手からのスタートとなる。明日はフェルナンドよりもストフェルの方が難しい状況となるが、両ドライバーが入賞するためにあらゆるチャンスを最大限に活かせるように、レース戦略に焦点を当てて準備するつもりだ」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)

「テキサスらしい強い日差しと高温のなかで行われたアメリカGPの2日目ですが、我々にとってはまずまずの一日になりました。昨日のセッションでは、両ドライバーともにセッティング向上の余地があると感じていたため、今日の午前中はベストなセットアップを見つけることに注力しました。その成果もあり、午後に行われた予選では、フェルナンドが素晴らしい走りを見せ、Q3進出を果たしてくれました。ストフェルがQ3に進出できなかったことは残念ですが、二人ともに昨日から確実なパフォーマンスの向上を見せてくれていたと思います。ここまで我々のパワーユニットには大きな問題は見られませんし、想定通りのパフォーマンスが出せています。ポイント獲得に向けた競争力はあると思っているので、明日のレースを楽しみにしています」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1アメリカGP