2025年F1ハンガリーGP 分析:金曜日のデータが示す残りの週末の行方

しかし、フェラーリやメルセデス、そして巻き返しを狙うレッドブルも黙ってはいない。各チームが予選と決勝に向けてマシンの改善に取り組む中、マクラーレンの独走を阻止できる存在は現れるのか。注目の週末が続く。
マクラーレン、好調の流れを維持
金曜のフリー走行で、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリが他を寄せつけない走りを披露。ノリスが両セッションを最速で締めくくった。彼は現在、選手権ポイントでピアストリに16点遅れている。
両者とも理想的なラップを目指してクリーンな走りを追求しており、マクラーレンのデータによれば、ピアストリはミニセクターすべてをつなげていれば0.28秒も短縮できた可能性があるという。
テレメトリーによれば、パパイヤカラーのマシンはターン6以降が特に強く、これは優れたタイヤマネジメントの成果かもしれない。
予選シミュレーションでは、マクラーレンは他チームに対して驚異の0.4秒もの差をつけていた。レースシミュレーションでは差がやや縮まったが、それでも約0.3秒のアドバンテージを維持し、全3種類のコーナーで優位に立っている。
「マクラーレンは明らかに別格だ」と語ったのはメルセデスのジョージ・ラッセル。金曜の内容を見る限り、彼の言葉に異論を挟むのは難しい。

フェラーリが最大の脅威に
フェラーリにとっても、金曜は比較的好調な一日となった。チーム代表のフレデリック・バスールが複数年契約を更新した週末、ジョン・エルカン会長もサーキットに姿を見せた。
マクラーレンには依然として大きな差をつけられているものの、予選とロングランのいずれでもメルセデスとレッドブルを上回った点は評価に値する。
予選ではメルセデスおよびレッドブルに対して約0.03秒の差、ロングランでもわずかながら優位を築いており、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールはさらなるグリップを求めてセットアップに取り組んでいる。
中速コーナーでマクラーレンに対し0.2秒、低速では0.4秒失っているが、ストレートではそれらの合計ロスの約3分の1を取り戻しており、最高速は全チーム中トップだ。

レッドブル、金曜はバランスに苦しむ
「運転できない」と、現世界王者のマックス・フェルスタッペンは金曜の無線でマシンを評した。
グリップが感じられず、「何も機能していない」と語るなど、原因特定が困難な状況に直面していた。
角田裕毅も「チーム全体として苦戦している」と述べたが、フェルスタッペンとの差は小さく、FP2では実際に彼を上回るタイムを記録した。
予選シミュレーションでは3番手、ロングランでは4番手につけており、今週末の戦いはフェラーリおよびメルセデスとの三つ巴となりそうだ。
マクラーレンに対し最大の弱点は低速コーナーで、ここで0.6秒ものロスが発生しており、フェルスタッペンは進入時のアンダーステアと脱出時のオーバーステアに悩まされている。

ベルギーの苦戦から再起図るメルセデス
メルセデスは、ベルギーでの苦戦を経て、金曜のセッションを通じてマシンの基準値の見直しに取り組んだ。ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリのフィーリングを改善すべく、リアサスペンションを旧仕様に戻している。
その効果は一定の成果を見せ、両ドライバーはマシンへの自信を取り戻しつつある。
2回目のセッションでは異なるセットアップを各車に施し、チーフエンジニアのアンドリュー・ショブリンは「週末に向けた明確な方向性が得られた」と語った。
「最近の問題点のいくつかは解決したが、1周のタイムとロングランのバランスをさらに詰める必要がある」とも述べている。
ストレートスピードは全体で2番手に位置するが、ハンガロリンクには直線が少なく、マクラーレンとの差は主に低速コーナーで広がっている。
現時点では理想からは遠いが、少なくとも「Q3進出争い」から「マクラーレンの次点争い」へとポジションを押し上げており、好転の兆しは見えている。

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