マクラーレン・ホンダ F1 アゼルバイジャンGP
マクラーレン・ホンダは、F1アゼルバイジャンGPの決勝でフェルナンド・アロンソが9位入賞して今シーズン初ポイントを獲得。ストフェル・バンドーンは12位でレースを完走した。

アゼルバイジャンGPは、アクシデントが続出する、記憶に残るレースとなった。波乱、クラッシュ、コース上に散乱するマシンの破片、ペナルティーに加えて、複数回導入されたセーフティカー、およびレース中盤では中断があったにもかかわらず、フェルナンド・アロンソは堅実なドライブで9位完走。マクラーレン・ホンダにとって、今季初のポイントを獲得した。

強い日差しが照りつける午後のレースでは、上位陣がさまざまな問題を抱える中、アロンソは一時は5番手に浮上。その後、レース終盤に同郷のカルロス・サインツ(トロ・ロッソ)にオーバーテイクされるまでは、8番手で走行を続けていた。

一方、ストフェル・バンドーンも、アロンソと同様に力強いレースを展開し、12位で完走した。レース終盤でタイヤにフラットスポットが発生したため、ピットストップを行い、新品のタイヤを装着。その後、前方を走行していたザウバーのマシン2台とのタイム差を17秒詰めたものの、サーキットの長い最終ストレートではその2台についていくことができず、オーバーテイクをするには至らなかった。

フェルナンド・アロンソ (9位)

「僕たちの競争力が最も劣るサーキットの一つで、ペナルティーのために19番手からスタートしたにもかかわらず、今季初のチャンピオンシップポイントを獲得したことは信じられない結果だ。全くのサプライズだった。レースが僕たちにとって有利な展開になったのは、何台ものリタイアと、多くのアクシデントがあったためだ。僕自身はあちこちでウォールにかすりながらも、なんとかクラッシュせずに済んだ。それでも、今日は表彰台、もしくは勝利さえもかけて戦える可能性はあったと思う。最初にセーフティカーが導入された際には、ダニエル・リカルド(レッドブル)の後方にいた。その後、ルイス・ハミルトン(メルセデス)がヘッドレストに問題を抱え、ピットストップを余儀なくされた。セバスチャン・ベッテルはペナルティーを科せられ、キミ・ライコネン(フェラーリ)はリタイア。そして、フォース・インディアの2台はチームメート同士で接触した。その結果、僕たちは自動的にいいポジションに繰り上がった。僕たちがさらなるチャンスを得られなかったのは、レースで十分なスピードがなく、そのポジションを守ることができなかったためだ。ただ、今日はシーズン初のポイントとなる2ポイントを獲得した。そのポイントは遠慮なくもらおう」

ストフェル・バンドーン (12位)

「レースではいいスタートを決めることができたが、その直後にかなりの混乱が生じ、コース上にはマシンの破片がたくさん散乱していた。3コーナーへの進入の際には遅いマシン2台を避けながら走行する必要があったが、なんとかアクシデントを回避することができた。その後、ロマン・グロージャンに抜かれないようにするために、チームはすばらしい仕事をしてくれた。スーパーソフトタイヤに履き替えたあと、グロージャンの前のポジションでコースに復帰した。そのタイヤではいいペースで走行していたものの、その後、赤旗が出された。それによって、ソフトタイヤを装着していたドライバー全員が赤旗中断の際にタイヤ交換を行ったので、自分のアドバンテージがなくなってしまった。最後のピットストップを行ったあと、前方を走るザウバーのマシン2台との差を1周あたり1.5秒縮め、その2台に追いついたものの、オーバーテイクすることはできなかった。ザウバーの2台は最終コーナーまで全エネルギーをセーブしていました。私も同じようにして、最大限のエネルギーを得ようとしたものの、ザウバーの2台を追い抜くほどのペースはなかった。それ以外の部分では、今日は僕たちには力強いペースがあった。今シーズン初のポイントを獲得できたことは、チームにとってすばらしいことだ。僕たちは、そのポイントを獲得するに値する」

エリック・ブーリエ (マクラーレン・ホンダ レーシングディレクター)

「今夜、我々が獲得したワールドチャンピオンシップポイント2点は、今週バクーで行ったすべてのことが正しかったという証拠だ。フリー走行が始まって以来、レースではいかなるチャンスも活かす必要があると言ってきたが、今日はまさにそれを実行した。両ドライバーはいつも通り果敢なレースを展開しましたが、それと同時に不要なアクシデントに巻き込まれないよう細心の注意を払っていた。フェルナンドは見事なレースをし、すべてのチャンスをものにした。9位という結果は、今日彼が成し遂げたことを正確に表すものではないと感じている。一方、ストフェルも非常に落ち着いたドライブをしました。ザウバーのマシン2台に追いつくペースがあり、入賞圏内で完走するチャンスもあった。ただ、この難しいサーキットで最もオーバーテイクのチャンスがあるロングストレートでは、ザウバーの2台はわずかに手の届かない位置で走行することができた。戦略チームのメンバー、エンジニア、そして懸命に仕事をするメカニックにとって、今日のポイントは、非常に厳しい週末を経たあとに願ってもない救いの手となった。次のオーストリアGPではさらなる幸運を目指して準備するが、今回のポイントは我々にとって次戦への弾みとなる」

長谷川祐介 (ホンダ F1プロジェクト総責任者)

「今日は大荒れの展開でサバイバルレースとなりましたが、チームにとっては非常にいい一日になったと思います.両ドライバーとも、トラブルを避けながら完走を果たし、さらにフェルナンドはチームとして今季初ポイントを獲得してくれました。彼は経験豊富なベテランらしく、レースを通じて要所を押さえたパフォーマンスを見せながら、何度かのオーバーテイクを演じ、見事に入賞を果たしました。ストフェルは惜しくもポイント圏内には届かなかったものの、果敢にプッシュを続け、カナダに続いてレースを完走してくれました。加えて、チームもセーフティカーやレッドフラッグによる中断など、あらゆるチャンスを逃すことなく、的確な戦略によりドライバーを支えました。レースの中ではまだまだ上位陣との差が大きいと感じましたが、両マシンともに最後方からのスタートだった上に、長いストレートを持つサーキットで難しい週末になることを予想していたことを考慮すれば、今日の結果は非常にいいものだったと思っています。次のオーストリアでは、今週金曜にテストを行い、いい結果を得たスペック3のPUを両方のマシンに投入予定ですが、ライバルとの差を少しでも早く縮められるよう、これからも懸命に開発を続けていきます」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ホンダF1 / F1アゼルバイジャンGP