ロータス E20
ロータスのテクニカル・ディレクターを務めるジェイムズ・アリソンが、ロータス E20の開発、そして2012年シーズンへの展望を語った。

2012年は、2011年とどれくらい異なりますか?
レギュレーションにふと目を通せば、昨年からあまり大きな違いはないと考えても無理はないと思うが、実際はかなり深い変更がある。最も顕著な変更はエキゾーストに関するものだ。2011年のシルバーストンあたりでチームはブロウン・リア・ディフューザーを取り除くことに決定した。その時点だけで非常に異なるデザインコンセプトが必要になった。

最近のマシンはリア・エキゾースト構成にかなり影響を受ける設計になっており、それを止めることが規約の意図するものだ。エキゾースト・ジオメトリーの規約自体が、昨年のかなり後半にTechnical Directiveによって届けられた技術規約ではないエンジン作動規約によって補強された。エキゾースト問題は、シルバーストンで原則として同意されたが、11月中旬くらいまで展開し続けたので、詳細が出てくる期間がかなり長引いたし、出てきた規約の各バージョンを最大限に活用し、どこが最終着地点になるかを予測するのはチャレンジだった。頭がいっぱいになったエリアなのは確かだし、グリッドの残りもそうだと想像している。

新しい規約は、我々がトラックで目にするものにどれくらいの影響を及ぼしますか?
昨年のマシンは、成功のレベルの範囲によってかなりの種類の排気レイアウトを備えていた。最新の規約がエキゾーストのパワーをより低いレベルにリセットすることに本当に成功しているのであれば、それは勢力図をリシャッフルするチャンスだ。

2012年の二人の新しいドライバーとの作業はいかがですか?
ロマンは、1年以上F1で走っていなかったが、昨シーズン末に2つの非常に有望なセッションをこなした。彼はマシンに飛び乗って、かなり印象的なやり方ですぐに当時のレースドライバーと競合していた。それは彼が今年シートを獲得するために効果があったと思う。彼と力強いスタートを切ることを楽しみにしている。キミの最近のR30によるバレンシアでのテストは、彼がスピードをまったく失っておらず、シーズンに向けて欲求で満たされていることを示した。彼らのような明白なクオリティを持ったドライバーと働くことは我々にとって素晴らしいことだ。

E20で完全に新しいものは何ですか? またより見慣れているものは?
みなさんが見る場所にもよるが、新車のいくつかのパーツは完全に再設計されている。他のエリアでは我々が数シーズン採用してきたデザイン哲学のベストな部分をさらに最適化した。エキゾーストに関する限りでは、我々の前方エキゾーストはもはや新しい規約では違法なので、いずれによせ我々の期待には応えなかった。なので、マシンのその部分には別れを告げ、完全な再設計を迎え入れた。フロントとリアのサスペンションのレイアウトは、より空気力学的なチャンスを得られるようにかなり修正されている。フロントウイングは2009年規約が発行されたときから取り組んできたコンセプトを継続している。リアウイング・システムは、リアダウンフォースの安定性で満足のいくレベルに取り組みつつ、DRSスイッチングのポテンシャルを最大化することに取り組んだ。

チームの60%風洞の強化は、E20の開発にどれくらい役立っていますか?
60%風洞により、我々が風洞で実施するテストのリアリズムを劇的に拡大することができた。より現実的なステアやヨー値を得ることができた。それらはかなり重要なことだ。うまくいけば、マシンはコーナリング状況でより広い範囲の許容性が得られるようになるだろう。

E20のパフォーマンスをどのように予想していますか?
我々はマシンに一生懸命、そして長く取り組んできた。広げられた規約のイメージに反応しようとしてきたが、どれくらいうまくいっているかを判断できてくるのは、プレシーズンでマシンを走らせ始めてからだろう。それでも実際にはメルボルンの予選まではわからないだろう。

今年はテストスケジュールがかなり異なっています。2月までなく、ムジェロでのシーズン中のテストまでテストは3回です。それはどのような違いを生みますか?
今年後半のムジェロでのテストスケジュールは、シーズン中盤へのかなり明確なターゲットを与えてくれる。シーズンスタートで達成できない特別な狙いがあれば、金曜日の走行による妥協したテストのタイプよりもアップグレードの管理されたテストを得られるチャンスなので、それが目指すポイントとなる。

20レースが予定され、シーズン途中にテストがあることは、シーズンに向けてどれくらい厳しい挑戦ですか?
20レースの主なチャレンジは、そのような厳しい予定についていくためのスタミナを見つけることだ。現在のテスト禁止協定とテストチームがないことにより、我々は適切なサイズに設定されているので、レースをするための全てのリソースはレースチームにあてなければならない。それらの20レースは、2月に開始する3つのプレシーズンでスタートし、そのあと11月後半に移っていく。8月の閉鎖期間を除けば、レースがストップするのは短期間だし、移動チームのスタッフにとっては容赦ない仕事だ。現在の非常に長いシーズンに対してエネルギーを維持しておくことが挑戦だ。

F1にピレリが復帰して2シーズン目ですが、2012年ラバーにはどのような期待をしていますか?
昨年のアブダビテストで新しいピレリタイヤを走らせている。レギュラードライバーを使っているわけではないので、はっきりとした結論を出すのはかなり難しいし、それはタイヤの根底にあるパフォーマンスを確認するのを難しくしている。だが、我々の計測で見分けることができたのは、2012年の構造は2011年タイヤのパフォーマンスとはそれほど異なっていないということだ。どれくらいアグレッシブか、もしくはピレリのどう調合してくるかはわかっている。大きな変化は予想していない。

2012年はDRSの2シーズン目でもありますが、その部分の変化は?
昨年、我々を含めた多くのチームが安定性とドラッグ・ステップとの間の適切なバランスを見つけることに多くの時間を費やした。正しいバランスを得るのはわずかに楽な一年になるだろう。サーキットでDRSのスイッチングポイントを選択する責任のあるFIAに関しても、去年は各トラックが彼らにとって新しい冒険だった。1年経験し、アドバンテージは少なくなるだろうし、FIAはどこにDRSラインを引けば最も効果があるか正確に選んでくれるだろう。2012年により良い結果を得るために、昨年オーバーテイクがあまりに簡単だったと共通で同意された場所ではFIAは適切な調整をしてくれるだろう。

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カテゴリー: F1 / ロータス