ガブリエル・ボルトレト、2026年アウディF1元年に「プレッシャーは感じない」

予選ではグランプリ予選が12対12、スプリント予選も3対3と完全なイーブン。決勝でもヒュルケンベルグが12回、ボルトレトが11回と僅差で、バーレーンGPでのヒュルケンベルグ失格を除けば、ほぼ互角の戦いを演じた。
ボルトレト自身がシーズンのハイライトに挙げたのはハンガリーGPだった。
「Q3で素晴らしい予選ができて、1周目にすぐ良いオーバーテイクも決められた。その後はタイヤマネジメントもうまくいって、P6でフィニッシュできた。純粋な速さがあって、本当に楽しいレースだった」
このほかにも、初ポイントを獲得したオーストリア、モンツァ、スパを印象深いレースとして挙げている。
ルーキーとして挑んだF1の世界では、ドライビングだけでなく、マシン理解という面でも大きな成長があったという。
「今年受け取った情報量、エンジニアから学んだこと、データを勉強して一緒に作業したこと、そのすべてが素晴らしかった。正直、昨年のポストシーズンテストの時点では、自分がマシンに何を求めているのか全く分かっていなかった」
「最近エンジニアに『去年のテストでのフィーリングを覚えている?』と聞かれたけど、『今それを聞かないでくれ』って答えた。あの頃は理解がなさすぎて、間違ったフィードバックをしたくなかったからだ。今思えば、それも大事な成長だったと思う」

2026年は新レギュレーション元年であり、ザウバーはアウディのワークスチームとして新たなスタートを切る。ボルトレトにとってはF1での2年目となり、もはやルーキーではない立場だ。だが、本人は「プレッシャー」という言葉には慎重だ。
「“プレッシャー”とは言わないかな。ルーキーシーズンだから許されることは確かにあるけど、それでも来年も学ぶことは本当に多い。まだF1で2年目だし、15年や20年走っている人たちがいる世界だからね」
一方で、アウディというブランドが加わることによる責任の重さは強く意識している。
「アウディが来ることで、責任が増えるのは間違いない。これは新しいプロジェクトで、新世代のマシンの始まりだ。いつか世界タイトルを争えるようなクルマとパワーユニットを作るために、良い意味でのプレッシャーは確実に感じることになると思う」
F1での基礎固めを終え、次なるステージへ向かうボルトレト。2026年のアウディF1元年は、彼にとって単なる「2年目」以上の意味を持つシーズンとなりそうだ。
カテゴリー: F1 / ガブリエル・ボルトレト / ザウバーF1チーム / アウディ
