2026年F1レギュレーション:雨天時の視認性向上へミラーにLEDライト導入
2026年F1シーズンに向け、FIA(国際自動車連盟)は安全性をさらに高めるための新たな対策を導入する。改良されたノーズ構造による二次衝突への耐性強化に加え、雨天時の視認性を向上させる目的で、マシンのドアミラー外側にLEDライトが追加されることになった。

2026年のレギュレーション刷新では、新パワーユニットと可動ウイングを前提とした全面的な空力見直しが注目を集めている。一方でFIAは、衝突試験の厳格化など、安全面での進化も同時に進めてきた。

雨天時の視認性対策は段階的に強化されてきた
雨天時には、マシン後方の視認性確保のため、リアに点滅するLEDライトの点灯が義務付けられている。もともとはリアクラッシュストラクチャーに内蔵された1灯のみだったが、2019年以降はリアウイングのエンドプレート端部にも2灯が追加され、前走車を水煙の中でも認識しやすくなっていた。

2026年はミラー外側にもLEDを追加
2026年からはさらに一歩進み、ドアミラーの最外側部分にもLEDライトが装着される。これにより、並走時やサイド・バイ・サイドの局面でもマシンの存在を視覚的に捉えやすくなり、特に横方向からの接触リスク低減が期待されている。水煙の中で確認できる「光の基準点」を増やすことが狙いだ。

国際自動車連盟 F1レギュレーション

スプレー低減と運用面での対応
FIAはまた、2026年レギュレーションによってディフューザーが生み出すスプレー量自体の低減も期待している。現行のグラウンドエフェクトカーは水を強く巻き上げ、大きな水煙が後続車の視界を大きく妨げてきた。過去数年に発生した複数の事故は、その深刻さを示している。

こうした背景から、FIAは運用面でも対応を強化。2026年以降、コンディションが特に厳しい場合には、レースディレクションの判断で車間距離を従来の10台分から20台分へ拡大できる規則変更が導入される。ディフューザーの影響は引き続き大きいものの、挙動は現行車とは異なる形で管理される見込みで、総合的に水煙の発生を抑えることが期待されている。

2026年F1では、技術革新と同時に、こうした細かな安全対策の積み重ねが、雨天レースの在り方を大きく変えていくことになりそうだ。

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カテゴリー: F1 / F1マシン / FIA(国際自動車連盟)