角田裕毅のレッドブルでの残酷な数字 2025年F1平均予選順位が映す現実
2025年F1シーズンにおける各ドライバーの平均予選順位が公開された。24戦を通じたデータの中で、タイトルを獲得したランド・ノリスが平均2.96でトップに立つ一方、レッドブル・レーシングに所属した角田裕毅の数字は、シーズン全体を象徴する厳しいものとなっている。

ノリスは平均予選順位2.96を記録し、3.0を下回った唯一のドライバーだった。オーバーテイクが難しい2025年のF1において、この予選での安定感が、オスカー・ピアストリやマックス・フェルスタッペンを抑えてタイトルを獲得する大きな要因となった。

ピアストリは平均3.04、フェルスタッペンは3.5で続き、トップ3を形成。4位と5位にはジョージ・ラッセル(4.38)、シャルル・ルクレール(5.46)が並んだが、ここまでが明確な上位グループとなっている。

6位以下では大きな断層が生じた。アンドレア・キミ・アントネッリは平均8.58で6位だったが、5位ルクレールとの差は3ポジション以上。さらにルイス・ハミルトンは、終盤に喫した3戦連続Q1敗退が響き、平均9.04で7位に沈んだ。

トップ10の残りは、アイザック・ハジャー(9.67)、フェルナンド・アロンソ(10.38)、カルロス・サインツJr.(10.61)。特にサインツは、ウィリアムズ移籍後の前半戦に苦しみながらも、平均ではトップ10に踏みとどまった。

その流れの中で、角田裕毅の数字は際立つ。角田は平均予選順位12.58で全体12位。これは同じレッドブル・レーシングに乗ったフェルスタッペン(3.5)と比べて、約9ポジションもの差があることを意味する。トップチームのシートに座るドライバーとしては、極めて厳しい統計だ。

角田のすぐ前にはリアム・ローソン(12.54)が位置し、ほぼ同水準。一方、アレクサンダー・アルボン(12.65)、ピエール・ガスリー(13.42)、オリバー・ベアマン(13.79)といった中団勢が続く中で、角田の12位という順位は「中団下位相当」の予選力であったことを示している。

さらに後方には、ガブリエル・ボルトレト(14.21)、ニコ・ヒュルケンベルグ(14.88)、エステバン・オコン(14.91)、ジャック・ドゥーハン(15.5)、ランス・ストロール(15.96)が並び、最下位はアルピーヌのフランコ・コラピントで平均16.94だった。

角田裕毅の平均予選順位が示すもの
角田裕毅の平均12.58という数字は、単なる一時的な不調ではなく、24戦を通じて積み重なった結果だ。同一チーム内でのフェルスタッペンとの差、そしてレーシングブルズ勢やウィリアムズ勢との比較を踏まえると、予選での安定感とピーク性能の不足が浮き彫りになっている。

2026年に向けて角田裕毅がリザーブ兼テストドライバーへ回る判断が下された背景には、この平均予選順位という冷酷なデータが存在している。2025年シーズンの数字は、角田裕毅にとって明確な課題を突きつける統計となった。

角田裕毅 レッドブル F1

2025年F1 平均予選順位一覧
1:ランド・ノリス(マクラーレン)2.96
2:オスカー・ピアストリ(マクラーレン)3.04
3:マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング)3.5
4:ジョージ・ラッセル(メルセデス)4.38
5:シャルル・ルクレール(フェラーリ)5.46
6:アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)8.58
7:ルイス・ハミルトン(フェラーリ)9.04
8:アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)9.67
9:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)10.38
10:カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ)10.61
11:リアム・ローソン(レーシングブルズ)12.54
12:角田裕毅(レッドブル・レーシング)12.58
13:アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)12.65
14:ピエール・ガスリー(アルピーヌ)13.42
15:オリバー・ベアマン(ハースF1チーム)13.79
16:ガブリエル・ボルトレト(ザウバー)14.21
17:ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)14.88
18:エステバン・オコン(ハースF1チーム)14.91
19:ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)15.5
20:ランス・ストロール(アストンマーティン)15.96
21:フランコ・コラピント(アルピーヌ)16.94

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カテゴリー: F1 / 角田裕毅 / レッドブル・レーシング