F1イタリアGP表彰台に特別トロフィー「キメラ」登場 ピレリと現代アートの融合

この特別なトロフィーは、2025年のF1イタリアGPに向けて、ピレリとピレリ・ハンガービコッカが共同で進めるアートプロジェクトの一環として制作された。
デザインを手掛けたのは、イタリア人アーティストのニコ・ヴァスチェッラリ。2021年以降、ピレリはイタリアGPのトロフィーを現代アーティストに委ねており、今年で5作目となる。
「キメラ」は神話とスピードをテーマに誕生し、空・海・陸の最速生物であるハヤブサ、バショウカジキ、チーターの特徴を融合。翼や爪、尾、背びれといった要素が組み合わさり、進化や変容を象徴する幻想的な造形を持つ。
素材には軽量なアルミニウムを使用。2次元スケッチから有機的モデリング、3D樹脂プリントを経て、古来の鋳造技術で仕上げるという手法で製作されている。職人技と最先端技術の融合が、このトロフィーを唯一無二の存在へと昇華させた。
ヴァスチェッラリは「人間の本能的な魅了の対象である動物を象徴的に掲げ、自然との調和を取り戻す試みでもある。自然は尽きないインスピレーションの源泉だ」とコメントしている。
「キメラ」は金曜フリー走行後、ピレリ・ホットラップスのガレージでメディア向けに披露され、ヴァスチェッラリ本人のほか、ダラーラCTOアルド・コスタ、ピレリ・モータースポーツディレクターのマリオ・イゾラも立ち会う予定だ。
決勝後、勝利したチーム代表を含む4人がこの特別なトロフィーを掲げる瞬間は、スピードの殿堂モンツァならではの記念すべきシーンとなる。

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