インディカー | 第13戦 結果:S.ディクソンが優勝、佐藤琢磨は19位
2019年のインディカー・シリーズ第13戦 Hondaインディ200アット・ミッドオハイオが7月28日(日)に行われ、スコット・ディクソン(チップ・ガナッシ)が優勝。チームメートのフェリックス・ローゼンクビストが2位、ライアン・ハンターレイ(アンドレッティ・オートスポーツ)が3位でゴール。Hondaドライバーたちによる1-2-3フィニッシュで表彰台を独占した。佐藤琢磨は19位でレースを終えた。
金曜日のプラクティスから決勝まで、今年のHondaインディ200アット・ミッドオハイオは、3日続けて快晴に恵まれ、レースは昨年同様イエローフラッグが一度も出されないハイスピードの戦いとなった。
予選8番手だったディクソンは、全長2.258マイルのコースを90周して争うレースを、2回のピットストップで走りきる2ストップ作戦を採用した。スタートから1回目のピットストップまでを、予選上位陣がサイドウォールが赤いソフトコンパウンドのレッドタイヤで走る作戦に出たのに対し、ディクソンと予選6番手だったチームメートのローゼンクビストはハードコンパウンドのブラックタイヤを選んだ。この作戦が見事にあたり、ローゼンクビストはトップ、ディクソンは2番手まで順位を上げた。
レース中盤、ローゼンクビストは早めに2回目のピットストップに入ってブラックタイヤにスイッチし、さらにもう1回のストップを行う作戦に変更した。それに対してディクソンは、1回目のピットストップで装着したレッドタイヤでの走りがライバル勢を圧倒するもので、ソフトコンパウンドであるにも関わらず、燃料をフルに使っての30周を走ってもほとんどペースダウンしなかった。
大量リードを築いたディクソンは、ゴールまでの31周もソフトコンパウンドのレッドタイヤで行くこととした。ピットにあったのが予選で一度使ったタイヤであることを知っていながら、それがアドバンテージになると考えたからだった。
ゴールが近づき、ディクソンは背後にルーキーのチームメートが急激に接近していることを知った。チームオーダーはなく、ローゼンクビストには優勝を目指して先輩であるチームメートにアタックすることが許された。タイヤが磨耗してスピードダウンしていたディクソンだったが、最終ラップのターン2でローゼンクビストが仕掛けてきた攻撃をなんとか封じ込め、0.0934秒という僅差での勝利を飾った。この勝利はディクソンにとって今シーズン2勝目。そして、キャリア通算は歴代3位の46勝目となった。
チップ・ガナッシにとっては今シーズン初の1-2フィニッシュ。ハンターレイが3位に入ったことで、ホンダは第3戦Hondaグランプリオブアラバマに次ぐ今シーズン2回目の表彰台独占を果たした。メアリーズビル工場など複数の施設があるオハイオ州は、ホンダにとってのアメリカでの第二のホーム。ミッドオハイオスポーツカーコースでのレースでは長年冠スポンサーを務めてきており、快晴に恵まれた今年のレースも約1万人のHondaアソシエイツがサーキットでのレース観戦を楽しんだ。
ディクソンはポイントリーダーであるジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)との差を62ポイントに縮めた。また、ポイントランキング2位のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポーツ)も5位フィニッシュし、ポイントリーダーとの差を16ポイントまで縮めた。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選17番手からスタートし、すぐさまポジションを上げたが、他車との接触でタイヤがパンクしてコースオフを喫した。ピットに入ってタイヤを交換した佐藤琢磨は、ハイペースでの追い上げを始めた。ところが、オープニングラップのコースオフで給油口に砂などが入り、ピットストップで燃料が満タンにできないトラブル発生。ゴールを前に給油を行う必要が生まれ、19位でのゴールとなった。
スコット・ディクソン(優勝)
「最後は激しい戦いになりました。チームメートのフェリックス・ローゼンクビストに対して、際どいライン取りでトップを守りましたから、彼には少し申し訳ないとも感じています。もし彼がチームメートでなかったら、きっと私はコースから弾き出されていたでしょうね。彼は敬意を保った戦いに終始してくれたと思います。今後、彼は多くの勝利を重ねることになるでしょう。今日の私たちの作戦は少し攻撃的すぎたかもしれません。終盤に2セット目のレッドタイヤを投入した作戦のことです。ソフトコンパウンドのタイヤですが、グリップはなんとか最後まで持ちこたえてくれました。私たちは今日もチームの総合力で優勝を勝ち取ったと思います。作戦が的確で、レースに向けてマシンの仕上がりもすばらしいものとしてくれました。この勝利はタイトル争いにとって大きな意味があります。今日、こうして優勝できたことを誇りに感じます」
佐藤琢磨(19位)
「スタート直後の左コーナー、私の前には十分なスペースがあったのですが、アウト側で一台が減速し、その後ろから急激にインサイドに切り込んだマシンがあって、それを避けるのが難しかったです。残念ながらそこで接触が起こり、左フロントタイヤがパンクしました。次のコーナーでコースを外れもしました。一周目を終えるとピットに向かい、タイヤを交換してレースに戻りました。そこからの私たちは、トップグループよりも速いペースで走り続けることができていました。しかし、コースオフしたときに飛び込んだ石などが燃料給油システムにトラブルを引き起こしていたのです。ピットで給油をしても満タンではなく、90%ぐらいまでしか燃料が入らなかったです。フルコースコーションも出なかったことから、私たちは予定より多いピットストップが必要となり、19位でのゴールとなりました。とても厳しいレースとなりました。次のポコノは毎年いい走りができているコースですから、気持ちを切り替え、いいレースを戦い、いい成績を挙げたいと考えています」
カテゴリー: F1 / インディカー
金曜日のプラクティスから決勝まで、今年のHondaインディ200アット・ミッドオハイオは、3日続けて快晴に恵まれ、レースは昨年同様イエローフラッグが一度も出されないハイスピードの戦いとなった。
予選8番手だったディクソンは、全長2.258マイルのコースを90周して争うレースを、2回のピットストップで走りきる2ストップ作戦を採用した。スタートから1回目のピットストップまでを、予選上位陣がサイドウォールが赤いソフトコンパウンドのレッドタイヤで走る作戦に出たのに対し、ディクソンと予選6番手だったチームメートのローゼンクビストはハードコンパウンドのブラックタイヤを選んだ。この作戦が見事にあたり、ローゼンクビストはトップ、ディクソンは2番手まで順位を上げた。
レース中盤、ローゼンクビストは早めに2回目のピットストップに入ってブラックタイヤにスイッチし、さらにもう1回のストップを行う作戦に変更した。それに対してディクソンは、1回目のピットストップで装着したレッドタイヤでの走りがライバル勢を圧倒するもので、ソフトコンパウンドであるにも関わらず、燃料をフルに使っての30周を走ってもほとんどペースダウンしなかった。
大量リードを築いたディクソンは、ゴールまでの31周もソフトコンパウンドのレッドタイヤで行くこととした。ピットにあったのが予選で一度使ったタイヤであることを知っていながら、それがアドバンテージになると考えたからだった。
ゴールが近づき、ディクソンは背後にルーキーのチームメートが急激に接近していることを知った。チームオーダーはなく、ローゼンクビストには優勝を目指して先輩であるチームメートにアタックすることが許された。タイヤが磨耗してスピードダウンしていたディクソンだったが、最終ラップのターン2でローゼンクビストが仕掛けてきた攻撃をなんとか封じ込め、0.0934秒という僅差での勝利を飾った。この勝利はディクソンにとって今シーズン2勝目。そして、キャリア通算は歴代3位の46勝目となった。
チップ・ガナッシにとっては今シーズン初の1-2フィニッシュ。ハンターレイが3位に入ったことで、ホンダは第3戦Hondaグランプリオブアラバマに次ぐ今シーズン2回目の表彰台独占を果たした。メアリーズビル工場など複数の施設があるオハイオ州は、ホンダにとってのアメリカでの第二のホーム。ミッドオハイオスポーツカーコースでのレースでは長年冠スポンサーを務めてきており、快晴に恵まれた今年のレースも約1万人のHondaアソシエイツがサーキットでのレース観戦を楽しんだ。
ディクソンはポイントリーダーであるジョセフ・ニューガーデン(ペンスキー)との差を62ポイントに縮めた。また、ポイントランキング2位のアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポーツ)も5位フィニッシュし、ポイントリーダーとの差を16ポイントまで縮めた。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)は予選17番手からスタートし、すぐさまポジションを上げたが、他車との接触でタイヤがパンクしてコースオフを喫した。ピットに入ってタイヤを交換した佐藤琢磨は、ハイペースでの追い上げを始めた。ところが、オープニングラップのコースオフで給油口に砂などが入り、ピットストップで燃料が満タンにできないトラブル発生。ゴールを前に給油を行う必要が生まれ、19位でのゴールとなった。
スコット・ディクソン(優勝)
「最後は激しい戦いになりました。チームメートのフェリックス・ローゼンクビストに対して、際どいライン取りでトップを守りましたから、彼には少し申し訳ないとも感じています。もし彼がチームメートでなかったら、きっと私はコースから弾き出されていたでしょうね。彼は敬意を保った戦いに終始してくれたと思います。今後、彼は多くの勝利を重ねることになるでしょう。今日の私たちの作戦は少し攻撃的すぎたかもしれません。終盤に2セット目のレッドタイヤを投入した作戦のことです。ソフトコンパウンドのタイヤですが、グリップはなんとか最後まで持ちこたえてくれました。私たちは今日もチームの総合力で優勝を勝ち取ったと思います。作戦が的確で、レースに向けてマシンの仕上がりもすばらしいものとしてくれました。この勝利はタイトル争いにとって大きな意味があります。今日、こうして優勝できたことを誇りに感じます」
佐藤琢磨(19位)
「スタート直後の左コーナー、私の前には十分なスペースがあったのですが、アウト側で一台が減速し、その後ろから急激にインサイドに切り込んだマシンがあって、それを避けるのが難しかったです。残念ながらそこで接触が起こり、左フロントタイヤがパンクしました。次のコーナーでコースを外れもしました。一周目を終えるとピットに向かい、タイヤを交換してレースに戻りました。そこからの私たちは、トップグループよりも速いペースで走り続けることができていました。しかし、コースオフしたときに飛び込んだ石などが燃料給油システムにトラブルを引き起こしていたのです。ピットで給油をしても満タンではなく、90%ぐらいまでしか燃料が入らなかったです。フルコースコーションも出なかったことから、私たちは予定より多いピットストップが必要となり、19位でのゴールとなりました。とても厳しいレースとなりました。次のポコノは毎年いい走りができているコースですから、気持ちを切り替え、いいレースを戦い、いい成績を挙げたいと考えています」
Pos. | No. | Driver | Team | |
---|---|---|---|---|
1 | 9 | スコット・ディクソン | チップ・ガナッシ | H |
2 | 10 | フェリックス・ローゼンクヴィスト | チップ・ガナッシ | H |
3 | 28 | ライアン・ハンターレイ | アンドレッティ・オートスポーツ | H |
4 | 12 | ウィル・パワー | チーム・ペンスキー | C |
5 | 27 | アレクサンダー・ロッシ | アンドレッティ・オートスポーツ | H |
6 | 22 | シモン・パジェノー | チーム・ペンスキー | C |
7 | 21 | スペンサー・ピゴット | エド・カーペンター・レーシング | C |
8 | 88 | コルトン・ハータ | ハーディング・スタインブレナー | H |
9 | 15 | グラハム・レイホール | レイホール・レターマン・ラニガン | H |
10 | 60 | ジャック・ハーベイ | マイヤー・シャンク・レーシング | H |
11 | 18 | セバスチャン・ブルデー | デイル・コイン・レーシング | H |
12 | 19 | サンティノ・フェルッチ | デイル・コイン・レーシング | H |
13 | 20 | エド・ジョーンズ | エド・カーペンター・レーシング | C |
14 | 2 | ジェセフ・ニューガーデン | チーム・ペンスキー | C |
15 | 98 | マリオ・アンドレッティ | アンドレッティ・ハータ・オートスポーツ | H |
16 | 59 | マックス・チルトン | カーリン | C |
17 | 31 | RC・エネルソン | カーリン | C |
18 | 4 | マティアス・レイスト | A.J.フォイト・レーシング | C |
19 | 30 | 佐藤琢磨 | レイホール・レターマン・ラニガン | H |
20 | 14 | トニー・カナーン | A.J.フォイト・レーシング | C |
21 | 26 | ザック・.ビーチ | アンドレッティ・オートスポーツ | H |
22 | 5 | ジェームス・ヒンチクリフ | アロウ・シュミット・ピーターソン | H |
23 | 7 | マーカス・エリクソン | アロウ・シュミット・ピーターソン | H |
カテゴリー: F1 / インディカー