マクラーレンF1が嘲笑された理由 “パパイヤ・ルール”に隠された落とし穴

ヴィルヌーヴは、同様のドライバー規定はF1では「ごく普通のこと」だと前置きしたうえで、マクラーレンがそれに“名前”を与えたこと自体が嘲笑を招いていると指摘している。
パパイヤ・ルールとは実際のところ非常に単純だ。ランド・ノリスとオスカー・ピアストリが、互いにクリーンかつフェアにレースを行い、決して接触しないことを求めるものにすぎない。これはF1の全チームに共通する、絶対的な前提条件でもある。
しかしこのルールは、ウォーキング拠点のチームが2人のドライバーに完全な平等を与えようとする姿勢の象徴として語られるようになった。公平性の天秤を常に中央に保とうとするその方針は、モータースポーツという世界では極めて困難、あるいは不可能に近い試みでもある。
2025年モンツァでの決定的な場面
2025年シーズンでこの問題が最も顕在化したのは、モンツァ・サーキットだった。
マクラーレンは、ノリスのピットストップを失敗した後、ピアストリにポジションを譲るよう指示した。ピアストリは当初、チームメイトの前を走っていたが、チームは異例の判断で彼を先にピットインさせた。その後に入ったノリスは、スローピットによって後方に落ちてしまった。
チームのミスを是正するためのチームオーダーだったが、ドライバーズタイトルを争う真っ只中での判断は、パドック全体で賛否を大きく分ける結果となった。
「名前を付けたこと」が最大の失敗
ヴィルヌーヴは、パパイヤ・ルールの具体的な中身については「よく分からない」としつつも、マクラーレンが犯した最大の過ちは、その規定に名前を与えたことだと断言する。
「正直、パパイヤ・ルールが何なのかすら分からない。ただマシンの色にちなんだ名前を付けただけだ。」
「結局のところ、チームメイト同士はぶつかってはいけない、というルールはどのチームにもある。それが普通だ。」
「他のチームは特別な名前やニックネームを付けない。マクラーレンがそれをやった、ただそれだけのことだ。」
「名前がなければ、からかいようがない。それだけ単純な話だ。最終的には、これはチームルールというより、ドライバーの契約に書かれている内容でもある。それだけのことだ。」
カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ジャック・ヴィルヌーヴ
