ランス・ストロール アストンマーティン低迷の年「それがF1という世界」

チームは前年にコンストラクターズランキング5位で“ベスト・オブ・ザ・レスト”の評価を得たが、今季は7位に後退。シルバーストン拠点のアストンマーティンF1にとっては2026年前半に向けた風洞時間が増える一方、賞金面では減収となった。
シーズンを通した比較でも明確な差が出た。チームメイトのフェルナンド・アロンソが予選で24勝を挙げ、ポイントも56点。ストロールは33点にとどまった。マシンAMR25は多くのサーキットで伸び悩んだ一方、ザントフォールトやハンガロリンクといったタイトで低速寄りのコースでは光る走りも見せた。
「競争力が足りなかった」率直な自己評価
「チームとして望むほど競争力がなかった」とストロールは認める。「クルマが生き生きしたサーキットもあったし、雨や変わりやすいコンディションに助けられたレースもあった。でも、単純にペースが足りず、ポイントを狙えない週末も多かった」
「本当に良かったのは数コースだけで、得点のチャンスがまったくないレースが続く時期もあった。それは確かに厳しかった。だからこそ、クルマが合う週末には最大限に取り切るプレッシャーが大きかった。結局、安定して戦い、ポイントを積み重ねるだけの一貫性が足りなかった年だった」。

「それがF1という世界」
ストロールは悔しさをにじませつつも、現実を受け入れる。「F1はそういうものだ。難しいシーズンもあれば、クルマが自分に合わない年もある。逆に、すべてが噛み合い、クルマが競争力を持ち、何カ月も、あるいは何戦も続けて心から楽しめる年もある」
「毎年それを味わえるドライバーもいれば、10年に一度という人もいる。それが僕たちの生きるスポーツだ」。
アップダウンの中で得た手応えと課題
2025年を振り返り、ストロールは「本当に難しかったが、良い週末もあった」と語る。オーストラリア、シルバーストン、ザントフォールト、そしてクルマが合ったハンガリーを前向きな例に挙げる一方、カタールは「とても難しく、十分ではなかった」と振り返った。
「アップダウンはあった。でもチームとしては、新レギュレーションと来年の新しいチャンスを皆で楽しみにしている」と、視線はすでに次のシーズンへ向いている。
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