【WTCC】 ホンダ:第8戦 日本 決勝レポート
世界ツーリングカー選手権(WTCC)の第8戦は、ホンダにとってホームレースとなる日本・ツインリンクもてぎで行われた。台風等の影響により、前戦が行われた中国からの輸送が遅れ、レーススケジュールは大幅に変更。10月29日(日)に予選と決勝レースが行われた。
雨の中、午前9時40分から行われた予選では、Q1、Q2ともにHonda Civic WTCCの3台は好調にタイムを伸ばして上位を占める。
新しいシャシーとエンジンを投入した道上龍(Honda Racing Team J.A.S.)も、厳しいウエットコンディションの中で上位に名を連ね、Q2を3位で終了。自身初となるQ3進出を果たした。Castrol Honda World Touring Car Teamは、ノルベルト・ミケリスが2位、ティアゴ・モンテイロに代わってドライブするエステバン・グエリエリは4位となり、今季初めて、Q3に3台のCivic WTCCが進出を果たした。上位5台が1台ずつのタイムアタックを行うQ3では、ミケリスが圧倒的な速さを見せてトップタイムをマーク。グエリエリは4位、道上龍が5位で予選を終える。
リバースグリッドで行われるオープニングレースは、グエリエリが6番手、ミケリスが8番手からスタートした。道上龍は中国からの車両の輸送が間に合わず、エンジン交換を行うこととなりグリッドダウンを強いられた影響で、16番手からのスタート。
時折、雨脚が強くなるコンディションでのレースは、激しいポジション争いが展開される白熱したレースとなった。好スタートを切った道上龍は、1周目に大きくポジションを上げ、10番手に浮上。グエリエリも好スタートで4番手、ミケリスも7番手と、ポジションをアップする。しかし3周目、3コーナーで後続にプッシュされた道上龍がスピン。同じ周にミケリスも後続と接触してスピンを喫し、ポジションを落とす。そのあと、このアクシデントの原因となった2台にはドライブスルー・ペナルティーが科された。激しいポジション争いはレース終盤まで続き、グエリエリは9周目に3番手に浮上。道上龍も入賞圏内を争うバトルを展開し、10番手に再浮上を果たす。スピンにより11番手までポジションをダウンしたミケリスも、終盤には7番手までばん回。3台のCivic WTCCが揃って入賞を果たした。
雨が激しさを増したメインレースは、セーフティカーの先導によってスタートが切られた。ミケリスはポールポジション、グエリエリは2列目4番手、道上龍は3列目5番手と、絶好のポジションからのスタート。
2周にわたりセーフティカーが先導したのち、レースがスタート。6番手争いを演じた道上龍は、4周目のV字コーナーでコースアウト。グラベルにはまりレース復帰ができず、リタイアとなった。トップを守ったミケリスは後続との差を広げ、グエリエリも4番手を守ってさらに上位を狙った。
しかし雨はさらに激しくなり、7周目にセーフティカーが再び導入される。コンディションは回復せず、10周目に入った時点で赤旗が提示され、レース終了となった。ミケリスは今シーズン3勝目、ホンダは昨年に続いて、ホームレースを優勝で飾ることができた。
第9戦マカオは、11月18(土)~19日(日)に、マカオの市街地コースで開催されます。
ノルベルト・ミケリス (7位/1位)
「今年3度目の優勝は非常にうれしく、チームに感謝したいと思います。今週末の準備のたいへんさを考えると、メインレースに勝つことは大きな成果です。Civic WTCCは、間違いなくこのコンディションで最高のマシンでしたし、これでタイトル争いに自信を持って挑むことができます」
エステバン・グエリエリ (3位/4位)
「Hondaでのデビューが実現し、オープニングレースでの厳しい戦いのあとに表彰台を獲得できたことにとても満足しています。今週末の自分とマシンのパフォーマンスにはとても満足していますし、Hondaがもう一度私を必要としてくれるなら、ぜひもっと一緒にやりたいですね」
道上龍 (10位/リタイア)
「マシンが届かずにエンジン交換をせざるを得なくなり、ペナルティーを受けるなど、いろいろ不安な始まりでしたが、新しいクルマは土曜日の練習からとても状態がよく、自分自身でもトップ5に入れるくらいの安定感がありました。そういう意味で、レースに不安要素はなかったですね。もてぎということもありますし、80kgのウエイトが雨に効いていたのかもしれません。重かったことも、雨のよさにつながったのかなという気もします。オープニングレースでは、あまり自信のなかったスタートがとてもうまく決まりました。そのあとも追い抜くことができて、バトルも激しく、これまでにないレースができたと思います。メインレースではV字コーナーでブレーキを踏んだ瞬間にロックしてしまい、ペダルから足を離してもパッドがくっついたままで、そのままストップしてしまいました。ウォームアップの時点では問題なく、トラブルの兆候もありませんでした。詳細はこのあと、チームに調べてもらいますが、パッドとローターを交換したことがなんらかの原因なのかなと思います。次戦のマカオは以前、F3で走ったことはありますが、ツーリングカーで走るのは初めてなので、どういうレースができるか楽しみです。市街地コースはここまで比較的うまくいっているので、久々のマカオを楽しめたらなと思います。今の自分のマシンは、エンジンも車体もいい状態にあるので、マカオでは上位を狙いたいと思います」
古川隆一 (Honda Civic WTCC開発プロジェクトリーダー)
2017 世界ツーリングカー選手権 第8戦 日本 古川隆一プロジェクトリーダー 決勝後インタビュー「今回、輸送のトラブルにより非常にタイトなスケジュールの中、3台のマシンを準備し、間に合わせてくれたチームのスタッフにたいへん感謝しています。予定通り3台とも新しいシャシーで、エンジンもアップグレードし、パワーアップしたものでHondaのホームレースに臨むことができました。それらの効果は、80kgというウエイトにもかかわらず、速さを見せられたことで確認できたと思います。特に、予選で3台がベスト5に入り、ミケリス選手がメインレースで勝利できたことは、うれしい結果です。今回初めてCivic WTCCに乗り表彰台を獲得したグエリエリ選手や、これまでにないパフォーマンスを見せてくれた道上選手らの活躍もよかったと思います。しかし、目標である表彰台独占には届きませんでした。タイトル争いがし烈となり、あと2戦も激しい戦いになると思いますので、さらにマシンの速さに磨きをかけるべく、開発を続けていくつもりです。タイトル獲得に向けて、一層がんばりますので、応援よろしくお願いします」
カテゴリー: F1 / ホンダF1
雨の中、午前9時40分から行われた予選では、Q1、Q2ともにHonda Civic WTCCの3台は好調にタイムを伸ばして上位を占める。
新しいシャシーとエンジンを投入した道上龍(Honda Racing Team J.A.S.)も、厳しいウエットコンディションの中で上位に名を連ね、Q2を3位で終了。自身初となるQ3進出を果たした。Castrol Honda World Touring Car Teamは、ノルベルト・ミケリスが2位、ティアゴ・モンテイロに代わってドライブするエステバン・グエリエリは4位となり、今季初めて、Q3に3台のCivic WTCCが進出を果たした。上位5台が1台ずつのタイムアタックを行うQ3では、ミケリスが圧倒的な速さを見せてトップタイムをマーク。グエリエリは4位、道上龍が5位で予選を終える。
リバースグリッドで行われるオープニングレースは、グエリエリが6番手、ミケリスが8番手からスタートした。道上龍は中国からの車両の輸送が間に合わず、エンジン交換を行うこととなりグリッドダウンを強いられた影響で、16番手からのスタート。
時折、雨脚が強くなるコンディションでのレースは、激しいポジション争いが展開される白熱したレースとなった。好スタートを切った道上龍は、1周目に大きくポジションを上げ、10番手に浮上。グエリエリも好スタートで4番手、ミケリスも7番手と、ポジションをアップする。しかし3周目、3コーナーで後続にプッシュされた道上龍がスピン。同じ周にミケリスも後続と接触してスピンを喫し、ポジションを落とす。そのあと、このアクシデントの原因となった2台にはドライブスルー・ペナルティーが科された。激しいポジション争いはレース終盤まで続き、グエリエリは9周目に3番手に浮上。道上龍も入賞圏内を争うバトルを展開し、10番手に再浮上を果たす。スピンにより11番手までポジションをダウンしたミケリスも、終盤には7番手までばん回。3台のCivic WTCCが揃って入賞を果たした。
雨が激しさを増したメインレースは、セーフティカーの先導によってスタートが切られた。ミケリスはポールポジション、グエリエリは2列目4番手、道上龍は3列目5番手と、絶好のポジションからのスタート。
2周にわたりセーフティカーが先導したのち、レースがスタート。6番手争いを演じた道上龍は、4周目のV字コーナーでコースアウト。グラベルにはまりレース復帰ができず、リタイアとなった。トップを守ったミケリスは後続との差を広げ、グエリエリも4番手を守ってさらに上位を狙った。
しかし雨はさらに激しくなり、7周目にセーフティカーが再び導入される。コンディションは回復せず、10周目に入った時点で赤旗が提示され、レース終了となった。ミケリスは今シーズン3勝目、ホンダは昨年に続いて、ホームレースを優勝で飾ることができた。
第9戦マカオは、11月18(土)~19日(日)に、マカオの市街地コースで開催されます。
ノルベルト・ミケリス (7位/1位)
「今年3度目の優勝は非常にうれしく、チームに感謝したいと思います。今週末の準備のたいへんさを考えると、メインレースに勝つことは大きな成果です。Civic WTCCは、間違いなくこのコンディションで最高のマシンでしたし、これでタイトル争いに自信を持って挑むことができます」
エステバン・グエリエリ (3位/4位)
「Hondaでのデビューが実現し、オープニングレースでの厳しい戦いのあとに表彰台を獲得できたことにとても満足しています。今週末の自分とマシンのパフォーマンスにはとても満足していますし、Hondaがもう一度私を必要としてくれるなら、ぜひもっと一緒にやりたいですね」
道上龍 (10位/リタイア)
「マシンが届かずにエンジン交換をせざるを得なくなり、ペナルティーを受けるなど、いろいろ不安な始まりでしたが、新しいクルマは土曜日の練習からとても状態がよく、自分自身でもトップ5に入れるくらいの安定感がありました。そういう意味で、レースに不安要素はなかったですね。もてぎということもありますし、80kgのウエイトが雨に効いていたのかもしれません。重かったことも、雨のよさにつながったのかなという気もします。オープニングレースでは、あまり自信のなかったスタートがとてもうまく決まりました。そのあとも追い抜くことができて、バトルも激しく、これまでにないレースができたと思います。メインレースではV字コーナーでブレーキを踏んだ瞬間にロックしてしまい、ペダルから足を離してもパッドがくっついたままで、そのままストップしてしまいました。ウォームアップの時点では問題なく、トラブルの兆候もありませんでした。詳細はこのあと、チームに調べてもらいますが、パッドとローターを交換したことがなんらかの原因なのかなと思います。次戦のマカオは以前、F3で走ったことはありますが、ツーリングカーで走るのは初めてなので、どういうレースができるか楽しみです。市街地コースはここまで比較的うまくいっているので、久々のマカオを楽しめたらなと思います。今の自分のマシンは、エンジンも車体もいい状態にあるので、マカオでは上位を狙いたいと思います」
古川隆一 (Honda Civic WTCC開発プロジェクトリーダー)
2017 世界ツーリングカー選手権 第8戦 日本 古川隆一プロジェクトリーダー 決勝後インタビュー「今回、輸送のトラブルにより非常にタイトなスケジュールの中、3台のマシンを準備し、間に合わせてくれたチームのスタッフにたいへん感謝しています。予定通り3台とも新しいシャシーで、エンジンもアップグレードし、パワーアップしたものでHondaのホームレースに臨むことができました。それらの効果は、80kgというウエイトにもかかわらず、速さを見せられたことで確認できたと思います。特に、予選で3台がベスト5に入り、ミケリス選手がメインレースで勝利できたことは、うれしい結果です。今回初めてCivic WTCCに乗り表彰台を獲得したグエリエリ選手や、これまでにないパフォーマンスを見せてくれた道上選手らの活躍もよかったと思います。しかし、目標である表彰台独占には届きませんでした。タイトル争いがし烈となり、あと2戦も激しい戦いになると思いますので、さらにマシンの速さに磨きをかけるべく、開発を続けていくつもりです。タイトル獲得に向けて、一層がんばりますので、応援よろしくお願いします」
カテゴリー: F1 / ホンダF1