ホンダF1 角田哲史 「撤退という決定がエンジニア魂を再燃させた」
ホンダのF1プロジェクトリーダー角田哲史は、F1撤退という決定がレッドブルのパートナーシップがF1史上最も成功したもののひとつとなった転機になった語った。

マックス・フェルスタッペンは今年、3年連続のF1ドライバーズタイトルを獲得する予定であり、レッドブルはコンストラクターズタイトルのダブル獲得を予定しているが、このパートナーシップの驚異的な成果が壁にぶちあたる兆しはまだない。

しかし、ホンダのF1における最新の黄金期が、2020年に翌シーズン限りでのF1撤退を発表した後に訪れたという事実は、ある種の皮肉でもある。

ホンダのプロジェクトが、マクラーレンとの悲惨なハイブリッド時代初期の数年間を経て勢いを増しているように見えたとき、この衝撃的な決定はレッドブルの野望の終焉を告げるものだったかもしれない。

しかし、ホームグランプリとなる日本GPを前に興味深い事実が明らかになった。ホンダの決断はパートナーシップにとってマイナスではなく、むしろその後のホンダの成功をもたらした要素のひとつだったというのだ。

実際、これは開発の加速を引き起こし、レッドブルにとってより優れたパワーユニットの生産に貢献した。レッドブルは2026年からパワートレインに関してフォードと提携し、ホンダはアストンマーティンと正式に復帰することになる。

ホンダのF1プロジェクトリーダー角田哲史は、ここ数年レッドブルを支えてきたプロダクトをベースに振り返りながら、今回の撤退発表が、2022年にのみ新しいパワーユニットとバッテリー構成を導入するという当初の意図の変更を促した経緯を説明した。

「2022年からの撤退という会社の決定を受け、我々は新型PUを前倒しで2021年に投入することにしました」と角田は語った。

2020年10月にホンダの発表が公になる前から、角田のチームはレッドブルとアルファタウリに2021年の計画変更の可能性について相談していた。

「彼らは前向きに検討し、導入を決めました」と角田は言う。「その時点では両チームとも(エンジンの)図面を知らなかったにもかかわらず、我々を受け入れてくれました。だから、彼らの柔軟性にはとても感謝しています」

「何が何でもやりたかったし、チャンピオン獲得に貢献できたと思います。そして、この21年仕様をベースに22年仕様を作り上げたのですが、いろいろと苦労もありました」

角田は、この推進の原動力はエンジニアリングのプライドに基づいていたと説明した。つまり、ホンダの担当者は、レッドブルに競争力のないパワーユニットを現行のルールで走らせたままにしておきたくなかったのだという。

「そもそも、我々は2022年から離脱することが決まっており、レッドブルはそれ以降、それ(エンジン)を使うことになる。当初、我々が要求した条件は、新しいレギュレーションに準拠することだけだったが、ここで我々のエンジニア魂が再燃しました」

「ホンダに残したたものが、エンジン凍結の時代に何年も競争力を発揮できないという状況を作りたくなかった。だから、競争力を得るために全力を尽くすことにしました」

ホンダは2021年に向けて計画された開発を前倒しすることを約束するだけでなく、2022年に向けてICEの内部構造も全面的に刷新し、グラウンドエフェクト時代の覇権を握るレッドブルにさらなるパフォーマンスを提供した。

角田は、ホンダのエンジニアたちが余分なリソースを投入することなく完成させた余分な努力は、たとえ日本メーカー内の一部の派閥が懐疑的であったとしても、その価値があったと信じて疑わない。

「当初は、『ホンダが使わないものに、なぜこれほどの労力をかけなければならないのか』と言う人もいました」と彼は語った。

「しかし、最終的には全員が仕事をやり遂げることができました」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1日本GP