ホンダF1:2021年 第17戦 F1アメリカGP プレビュー
2年ぶりとなるF1アメリカGPが、テキサス州オースティンのサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で開催される。

COTAは、急勾配を駆け上がるターン1に始まり、多様な高速コーナーにロングストレートと、バラエティー豊かなレイアウトが特徴のサーキット。前回の2019年は、マックス・フェルスタッペンがフェラーリ、メルセデス勢を相手に好バトルを繰り広げ、3位表彰台に登壇した。

今回は、今季唯一の北米大陸で開催されるグランプリということで、4台のマシンがAcuraロゴを載せて戦う。シーズンは残り6戦、大詰めを迎えているチャンピオンシップ争いを優位に進めるためにも、好結果を目指して全力で挑む。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今週末は、米国・テキサス州のオースティンでアメリカGPが開催されます。今シーズンのレースも残り6戦、このアメリカGPから南北アメリカ大陸で3戦、その後中東に戦いの場を移して、最後の3戦が行われます。今回のレースが行われる、サーキット・オブ・ジ・アメリカズは、さまざまなタイプのコーナーを擁するサーキットで、そのいくつかは、シルバーストーンやホッケンハイム、イスタンブールなどにある名物コーナーを模して造られています。また、高低差が41mと大きく、ピット前から第1コーナーに向けて駆け上がるストレートも特徴的です。かつてHPDの一員として長くインディカープロジェクトに関わっていた私にとって、米国には多くの思い出があります。この地でのレースは2年ぶりですが、毎回、HPDの同僚などが観戦に訪れることもあり、私にとっては楽しみにしているグランプリの一つです。米国では、インディカーを含めて多くのレースファンがホンダを応援してくれているので、そのレースファンの前でいいレースができればと思っています。シーズン終盤に向けて、我々にとってはチャンピオンシップの厳しい争いがまだまだ続きます。今回もチームとともに準備を進め、メンバー一同、全力で臨みます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「米国に戻ってこられるのはうれしいです。これまで米国ではいつもいい戦いができていて、好結果は残せているので、今回はそれを勝利につなげたいです。僕らは、どのコースでも最低限表彰台争いができることは分かっていますが、今年は優勝を目指せるという点がここ数年と異なります。常にできる限りのベストを尽くして勝利へトライしていますが、オースティンでもそれは変わりません。今週末も僅差の戦いになるはずで、楽しみにしています。(トルコでの結果を受けて)勢いが変わるとは思っておらず、僕らはいつも最適なパフォーマンスを発揮するために、レースウイークにおけるすべての要素を上手くまとめ上げなければならず、可能な限りの準備をしています。チームとしてはそれ以上にできることはありません。僕らには競争力の高いマシンがありますが、メルセデスとの比較でどうなるか、今季は毎戦分からない状態です。今週末も彼らと争うことができて、チャンピオンシップのリードを守れればと思います。レースウイークごとに克服しなければならない課題があり、今回もそれは変わらず、レースでは何が起こるか分からないので、自分たちのことに集中して他者のことは考えません。(トルコでの結果を受けて)勢いが変わるとは思っておらず、僕らはいつも最適なパフォーマンスを発揮するために、レースウイークにおけるすべての要素を上手くまとめ上げなければならず、可能な限りの準備をしています。チームとしてはそれ以上にできることはありません。僕らには競争力の高いマシンがありますが、メルセデスとの比較でどうなるか、今季は毎戦分からない状態です。今週末も彼らと争うことができて、チャンピオンシップのリードを守れればと思います。レースウイークごとに克服しなければならない課題があり、今回もそれは変わらず、レースでは何が起こるか分からないので、自分たちのことに集中して他者のことは考えません」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「今は最高の気分なので、またマシンに乗り込むときが待ちきれないですし、レースウイークがすごく楽しみです。シーズン開始から、僕らは自分たちの持てるすべてを最大限発揮しなければならないと思ってきました。直近の4~5戦はメルセデスがとても強く、スピードでは彼らと競えていませんが、オースティンとメキシコは僕らに分があると思いうので、いいパフォーマンスが発揮できるはずです。僕らは一つのチームとしてとても上手くやれているので、今季残りのレースも楽しみです。今回は僕らにとって重要なレースで、僕も、チーム全体も張り切っています。オースティンでも表彰台に上がることができればと思います。先日参加したダラスでのショーランでは、今週末の戦いに向けて素晴らしいエネルギーをもらうことができました。シーズン中は(コロナ対策で)狭いバブルの中で過ごしていて、レースに集中していることもあり、その外側で何が起きているのか忘れてしまいがちです。ショーランのようなイベントがあると、僕らレッドブル・レーシング・ホンダが、そしてF1というスポーツが、人々にどれだけの意味をもたらしているのかを気付かせてくれます。多くのメキシコ人やラテン系の人々が見に来てくれて、彼らの応援が今週末に向けて僕の心に火をつけてくれました。ファンの皆さんはかけがえのない、とても特別な存在なので、オースティンで会える日が待ちきれません。ダラスでは観衆の皆さんが熱狂的で、多くのエネルギーをもらいましたし、今週末それが再現されるのが待ち遠しいです。大観衆の中で、素晴らしい雰囲気になるはずです。皆さんに最高のレースウイークを届けたいですし、前回のトルコのような好結果を再現したいですね。オースティンでは温かい声援を受けるので、僕にとっては2つ目のホームレースのように感じていますし、米国に来るのが大好きです。僕や、チームへ大きな声援をもらえるでしょうから、皆さんに喜んでもらいたいですし、もちろんそれはメキシコでも同じです。アメリカGPからホームのメキシコGPへと続く、僕にとってはシーズンの中でも特別な期間になります。また、来年はマイアミでもレースが開催されるのは素晴らしいことで、僕もホームレースが増えるような気持ちです。アメリカでは過去何年もレースをしてきましたが、F1に対する熱さが増してきているのが分かるのも、うれしいです。5年前は今ほどの人気はなかったのですが、F1は素晴らしいスポーツなので、これから米国での存在感は増していく一方だと思います」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「前戦のトルコでは、予選でレッドブルやフェラーリに約0.1秒差と、非常にいいパフォーマンスが発揮できました。5番手タイムという結果にもとても満足しています。レースではペナルティーがなければより上位に行けたかもしれませんが、メルセデス勢、レッドブル勢、フェラーリの1台に続く位置で、表彰台圏内まで10秒差でのフィニッシュというのはとてもいい結果です。パフォーマンスが上位陣に近いことを改めて確認できたこともよかったです。イスタンブールでのレースを終えた後、水曜日にはフランスリーグのオリンピック・マルセイユが本拠地にしているヴェロドローム・スタジアムで、サッカーのチャリティーマッチに出場しました。ディディエ・ドログバ氏の財団とUNICEFに向けてのチャリティーでしたが、有名なスタジアムでレジェンド級のサッカー選手たちとプレーできたのは、信じられないような体験でした。しかも、僕はゴールまで決めたんです!次は米国での戦いですが、これまでオースティンではそれほどいい結果が出せず、最高は前回の予選10番手です。ドライビングの面では、すごくエキサイティングな高速コースで、第1セクターが少し鈴鹿に似ていて特に好きです。そこを抜けると、第2セクターは少しスピードが落ちてテクニカルになります。今週末も一筋縄ではいかないとは思っていますが、とても面白いコースです。前回もバンプがあってあまりよくない状況でしたが、数週間前のMotoGPでは、悪化していたように見えました。これによってセットアップで妥協せざるを得ない部分も出てくるはずですが、実際に見てみるまでは分かりません。現状、僕らのマシンはどのコースでも上手く機能しているのであまり心配はしていませんが、チャンピオンシップでアルピーヌに近づくためにも、問題を回避していかなければなりません」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「トルコでのレースウイークは、スタートからすべてのフリー走行にわたっていいペースを発揮でき、なかなかポジティブでした。予選で路面コンディションが大きく変化して、ペースをつかんで適切なマシンバランスを見出すのに少し苦労しましたが、Q3に進出して9番グリッドからスタートできたことはよかったです。レースはウエットでのスタートとなり、Q2をソフトタイヤで突破したことの不利はなくなりました。ルイス(ハミルトン/メルセデス)とのバトルは楽しめましたが、スピンを喫してからはタイヤ温度が低くなってしまい、ペースに苦しみました。面白いレースウイークでしたし、今後に向けていい経験になり、多くを学びました。トルコ以降は、今週末のオースティンを含めて、最終戦のアブダビ以外は経験のないサーキットが続きます。イスタンブールでのレース後は、シミュレーターでCOTAをドライブしましたが、さまざまなタイプのコーナーがあり、急勾配の先がブラインドになっているターン1など、とても面白いサーキットだと思います。セクター1はまるでジェットコースターのようで、このサーキットを実際に経験するのが楽しみです。MotoGPライダーが路面について苦言を呈しているのを見たので、今週末に間に合うように、彼らがどう対処したのかを確認しておかなければなりません。米国に行くのは今回が初めてなので、それも楽しみです。ずっと行きたいと思っていた国なので、ワクワクしています。オースティンではバーベキューレストランが有名だと聞いたので、日本の和牛と比べてどんなものか試してみたいと思います!」



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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1アメリカGP / スクーデリア・アルファタウリ