ホンダF1:2021年 第7戦 F1フランスGP 予選レポート
ポールリカール・サーキットで開催中のF1フランスGPは、6月19日(土)に予選が行われ、レッドブル・レーシング・ホンダのマックス・フェルスタッペンがポールポジション(PP)を獲得。ホンダF1エンジン/パワーユニットにとって、開幕戦バーレーンGP以来、通算82回目のPPとなった。

予選Q1では、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの角田裕毅が、最初のアタックのターン1でリアを失い、後方からバリアに接触してストップ。これによって赤旗中断となった。

接触自体は軽く、角田はピットへ戻ろうとしたものの、ギアが入らなかったために再始動ができず、角田裕毅はタイムを記録できないまま最下位で予選を終えることとなった。

さらに、Q1終了間際にミック・シューマッハ(ハース)もクラッシュを喫して2度目の赤旗中断に。セッションはそのまま終了となったが、その前に上位タイムをマークしていたフェルスタッペン、セルジオ・ペレス、ピエール・ガスリーは、危なげなくQ2進出を果たした。このクラッシュ修復で部品交換によるグリッド降格ペナルティーがあった場合、角田裕毅は19番グリッドからスタートすることになる。

Q2でも、3台のホンダF1パワーユニット勢は好調な走りを見せ、ペレスが3番手、フェルスタッペンが4番手、ガスリーが6番手で突破を果たす。3台とも、他車同様にミディアムタイヤでベストタイムを記録しており、明日はトップ10全車がミディアムタイヤでスタートすることになる。

Q3では、再び全車がソフトタイヤでアタック。1度目のアタックでは、フェルスタッペンがルイス・ハミルトン(メルセデス)に0.4秒差をつけてトップに立つと、最終となった2度目のアタックでもその差を維持してさらにタイムアップ。開幕戦バーレーンGP以来のPP獲得を果たした。ペレスも上位に肉薄し、僅差の4番手に。ガスリーはペレスの真後ろからのスタートとなる、3列目6番グリッドを獲得した。

フェルスタッペンは今季2度目、レッドブル・レーシングとしてはホンダF1パワーユニットで5度目のPPとなった。また、ガスリーの6番手は、フランスGPの予選における、スクーデリア・アルファタウリの過去最高成績となる。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日のフランスGP予選は、レッドブル・レーシング・ホンダのフェルスタッペン選手が開幕戦以来のポールポジションを獲得しました。ホンダ勢としては、4台のうち3台がトップ6に入る、いい予選結果になりました。フェルスタッペン選手はFP2、FP3と連続でトップタイムを記録し、予選もミスのない走りで2番手に0.258秒の差を付けてのポールポジション獲得です。ペレス選手も3番手に僅差の4番手と、明日のレースでレッドブルの2台がメルセデスの2台とともに1-2列目でスタートできることは、レースでのチーム戦略を考えてもいい結果だと思います。母国GPとなるスクーデリア・アルファタウリ・ホンダのガスリー選手は、徐々に調子を上げ、予選では6番グリッドを確保し、3列目でペレス選手の後ろからスタートします。これで、3戦連続で予選トップ6という素晴らしい結果になります。今シーズンはレースペースでも安定してよいパフォーマンスを見せてくれていますので、明日のレースでのポジションアップを期待しています。チームメートの角田選手については、Q1の最初のアタックでコントロールを失いクラッシュしてしまうという残念な予選になってしまいました。マシンには速さがありますし、彼にとってここポールリカールはレース経験のあるサーキットですので、明日は着実に走りポジションを上げてフィニッシュしてくれると思います。まずは、ヨーロッパのパーマネントサーキットに戻っての3連戦初戦でポールポジションを獲得できたことは大きな励みになります。ただ、大切なのは明日のレース結果です。何が起こるか分からないレース、色々な状況を想定して対応できるようにチームとともに万全の準備を進めていきます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「このコースはパフォーマンス的に僕らにとって得意と言える場所ではないので、ポールポジションを獲得できたことで、希望が湧きますし、チームも大きく勢いがつくと思います。この結果は予想していなかったので、とてもうれしいです。レースウイーク中、すべてがとてもうまく機能していますし、セットアップを最適にするためのハードワークの結果、今日は昨日に比べて大きな進歩を果たせました。FP3を終えて自信はありましたが、予選での自分の実力や周りのドライバーが何をしてくるかは分からなかったので、このパフォーマンスにはとても満足しています。このコースはターン1までの距離が長いので、明日はいいスタートを決めなければならないですし、ライバルも接近してくるはずですが、FP2でのロングランペースはよかったと思うので、またいい戦いができると思います」

セルジオ・ペレス(レッドブル・レーシング・ホンダ)
「今日はマックスとともにフロントロー独占を狙えたはずなので、Q3のアタックでミスをしてしまい、タイムをやや失ったという点で、理想的な予選にはなりませんでした。セッティングの方向性は間違っておらず、マシンの感触もよかったのですが、ターン12で縁石に乗ってしまったために、チャンスを逃してしまいました。ただ、重要なのは明日の結果ですし、僕たちのレースペースは予選でのポジションよりもいいはずなので、いいレースができると思っています。メルセデスとは接戦になるので、最初からプレッシャーをかけていきます。ここまでいいスタートを決められているので、明日はスタートでポジションを上げ、そこからレースをマネージし、1-2フィニッシュという結果を持って帰れればと思っています。タイヤマネジメントがカギになるはずなので、その部分でライバルを上回りたいところですが、どちらにせよ明日はファンにとっても面白いレースになるはずですし、僕自身もとても楽しみにしています」

ピエール・ガスリー(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「とてもいい一日になりました。予選6番手はとてもうれしいです。ここに至るまで、厳しいレースウイークでした。マシンが快適に感じられず、コンディションの変化にも少し苦しんでいました。ウイークを通じて多くのセットアップ変更を行い、予選でそれが実を結びました。Q3の最初のアタックでラップタイムが取消となったことに気づいてがっかりしましたし、その後、一発で決めなければならないことは分かっていました。アドレナリンが高まり、さらにいいタイムを出すことができたので、満足しています。通常のサーキットに戻ってきたこともあり、明日は興味深い展開になるはずです。周囲のマシンと同じタイヤでスタートするので、戦略がカギになります。持てる力すべてを出しきり、ホームの観衆の前で多くのポイントを持ち帰ることができればと思います」

角田裕毅(スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ)
「今日の予選は僕のミスなので、チームには申し訳なく思っています。ターン1で黄色の縁石に乗りすぎてしまい、スピンを喫しました。バリアへの接触を避けるために、できる限り強くブレーキをかけようとしましたが、後ろ向きに氷の上を滑るように行ってしまいました。衝撃は軽かったものの、マシンにはダメージがあったので、チームは明日に向けて今夜作業をしなければならなくなりました。チームのみんなへの感謝を示すには、明日いいレースをするしかありません。ここはオーバーテイクの難しいコースですが、すべてのラップで可能な限りプッシュするとともに、訪れるチャンスを逃さないようにしたいと思います」

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1フランスGP