ホンダF1:2020年 第12戦 F1ポルトガルGP 金曜フリー走行レポート
ポルティマオのアルガルベ・インターナショナル・サーキットで開幕した2020年のF1世界選手権 第12戦 F1ポルトガルGPは、レッドブル・レーシング、アルファタウリ・ホンダともに好調なペースを見せたものの、ガスリー選手のマシントラブルに遭遇するなど、波乱に富む初日となった。
F1初開催のコースということで、まだコース上のグリップが低いFP1から、限界を探るためにプッシュしての走行となり、マックス・フェルスタッペン、ダニール・クビアトがスピンを喫する。
ピエール・ガスリーも、車体の問題で走行を切り上げる場面があったものの、フェルスタッペンが3番手、アレクサンダー・アルボンが5番手、ガスリーが10番手と、ホンダF1パワーユニット勢は4台中3台がトップ10入り。クビアトもガスリーと約0.1秒差の13番手につけた。
FP2の冒頭30分間は、ピレリタイヤのテストセッションとなり、全チームがプロトタイプのタイヤコンパウンド使用が義務付けられた。テストの内容はチームに開示されておらず、レッドブル・レーシング、アルファタウリ・ホンダともにピレリによって設定されたプログラムに従って走行した。
残りの60分間が通常のフリー走行となり、各チームが予選、決勝へ向けたセットアップに取り組んだ。しかし、ガスリーのマシン後方から炎が上がってストップし、セッションは赤旗中断となる。このトラブルについては、炎上箇所の確認とともに原因の特定に取り掛かり、同時にパワーユニット(PU)の損傷度合いについても分析を行っている。
この赤旗中断が明けた直後、ターン1でフェルスタッペンが、イン側に交錯してきたランス・ストロール(レーシングポイント)と接触。これによって再び赤旗が掲示され、フェルスタッペンは燃料の少ない状態でソフトタイヤを使ったアタックラップの確認ができなかった。これにもかかわらず、フェルスタッペンはこのセッションでバルテリ・ボッタス(メルセデス)に次ぐ2番手タイムをマークしている。
また、ガスリーが7番手、アルボンが10番手となり、ホンダF1 PU勢はFP1に続いて3台がトップ10入りしており、予選シミュレーションができなかったクビアトは17番手となった。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「F1初開催となったアルガルベ・インターナショナル・サーキットでの走行初日は、2回のプラクティスセッションを通して車体・PUともにセッティングの最適化を進めていきました。PUとしては、事前のシミュレーションをベースにP1、P2で走行した実データを元に改善を進めました。明日の予選、レースに向けて、今晩データを解析して準備を進めます。ムジェロやニュルブルクリンクでの経験が生き、最適化がスムーズに進むようになり、さらに細かいところの詰めに時間を割くことができるようになってきています。FP2の中盤に発生したガスリー選手のトラブルについては、電源がシャットダウンしたことが起因となっていたことは確認しています。マシンがガレージに戻ってくるのを待ち、何が起こっていたのかの確認と、原因の特定を進めていきます。マシンが大きく燃えてしまいましたが、まずはガスリー選手に怪我などがなかったことは幸いだと感じています」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「今日はやや難しい一日になりました。路面に新たな舗装が施されたことで、使えるラインが1つしかなく、膨らんでしまうと大きくグリップを失う状況でした。午後には風も強くなりましたが、FP1からFP2でマシンを向上させることができたと思いますし、少し走りの感触もよくなりました。まだ改善点はあるので、さらに向上させられるように取り組んでいきます。ピレリタイヤの新コンパウンドを2種類試しましたが、面白かったです。僕らは自分たちがどんなタイヤを履いたのか把握してないものの、2種類ともいい感触でしたし、片方のセットのほうがよりいいと感じました。今年使っているタイヤよりも速くなるのかは分かりませんが、ネガティブなコメントはありません。今週末、メルセデスは速そうに見えるので、彼らと戦えるかを語るのはまだ難しいですが、どんな時でも不可能という言葉は使いたくないですし、僕らは常に全力を尽くしているので、明日どうなるか見てみたいと思います」
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「ポルティマオでの初日は順調とは言えませんでした。FP1で初めてこのコースを走りましたが、走るのがとても面白いコースで、高低差が楽しませてくれます。残念ながら、FP2ではトラブルがあってマシンから火が上がってしまったので、原因を分析しなければなりません。これによって、ソフトタイヤでの走行時間が取れなかったので、ショートランでの他チームとの比較ができていません。ここまでパフォーマンスはかなりよさそうに見えますが、僕としてはマシンに完全に満足できているわけではないので、明日さらに向上できればと思います。予選への準備をしっかりとして、いいスタートポジションを手にするためにも、FP3がスムーズにいくことが重要です」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「コースは楽しいのですが、今日はグリップ不足と風の強さで、まるで氷の上を走っているようでした。路面温度が下がって風も強くなり、路面には一日中ラバーが乗りづらかったので、実感としてはFP2よりFP1のほうがよかったです。新たなコースでの戦いは面白くなると思いますし、明日のフリー走行、予選にかけて路面も改善するはずです。走行ごとに風の状況が異なり、タイムが不安定になっていたので、今日の結果では、僕らの立ち位置を判断するのは難しいです。明日はそれがもっと明確になると思います」
ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「FP2ではリズムに乗るのが難しかったので、まだ見えていない部分が残っており、分析しなければなりません。現時点では路面がまだ滑りやすい状態なので、マシンの感触はよくないのですが、こうしたコンディションでなにが有効なのかを理解するためにも、詰めていかなければならない点があります。今日はグリップがあまりなくてドライビングを楽しめませんでした。マシンがスライドしていたので、明日はまた違った展開になると思います。このコースで最適なバランスを理解するために、調整しなければなりません」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ / F1ポルトガルGP
F1初開催のコースということで、まだコース上のグリップが低いFP1から、限界を探るためにプッシュしての走行となり、マックス・フェルスタッペン、ダニール・クビアトがスピンを喫する。
ピエール・ガスリーも、車体の問題で走行を切り上げる場面があったものの、フェルスタッペンが3番手、アレクサンダー・アルボンが5番手、ガスリーが10番手と、ホンダF1パワーユニット勢は4台中3台がトップ10入り。クビアトもガスリーと約0.1秒差の13番手につけた。
FP2の冒頭30分間は、ピレリタイヤのテストセッションとなり、全チームがプロトタイプのタイヤコンパウンド使用が義務付けられた。テストの内容はチームに開示されておらず、レッドブル・レーシング、アルファタウリ・ホンダともにピレリによって設定されたプログラムに従って走行した。
残りの60分間が通常のフリー走行となり、各チームが予選、決勝へ向けたセットアップに取り組んだ。しかし、ガスリーのマシン後方から炎が上がってストップし、セッションは赤旗中断となる。このトラブルについては、炎上箇所の確認とともに原因の特定に取り掛かり、同時にパワーユニット(PU)の損傷度合いについても分析を行っている。
この赤旗中断が明けた直後、ターン1でフェルスタッペンが、イン側に交錯してきたランス・ストロール(レーシングポイント)と接触。これによって再び赤旗が掲示され、フェルスタッペンは燃料の少ない状態でソフトタイヤを使ったアタックラップの確認ができなかった。これにもかかわらず、フェルスタッペンはこのセッションでバルテリ・ボッタス(メルセデス)に次ぐ2番手タイムをマークしている。
また、ガスリーが7番手、アルボンが10番手となり、ホンダF1 PU勢はFP1に続いて3台がトップ10入りしており、予選シミュレーションができなかったクビアトは17番手となった。
田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「F1初開催となったアルガルベ・インターナショナル・サーキットでの走行初日は、2回のプラクティスセッションを通して車体・PUともにセッティングの最適化を進めていきました。PUとしては、事前のシミュレーションをベースにP1、P2で走行した実データを元に改善を進めました。明日の予選、レースに向けて、今晩データを解析して準備を進めます。ムジェロやニュルブルクリンクでの経験が生き、最適化がスムーズに進むようになり、さらに細かいところの詰めに時間を割くことができるようになってきています。FP2の中盤に発生したガスリー選手のトラブルについては、電源がシャットダウンしたことが起因となっていたことは確認しています。マシンがガレージに戻ってくるのを待ち、何が起こっていたのかの確認と、原因の特定を進めていきます。マシンが大きく燃えてしまいましたが、まずはガスリー選手に怪我などがなかったことは幸いだと感じています」
マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「今日はやや難しい一日になりました。路面に新たな舗装が施されたことで、使えるラインが1つしかなく、膨らんでしまうと大きくグリップを失う状況でした。午後には風も強くなりましたが、FP1からFP2でマシンを向上させることができたと思いますし、少し走りの感触もよくなりました。まだ改善点はあるので、さらに向上させられるように取り組んでいきます。ピレリタイヤの新コンパウンドを2種類試しましたが、面白かったです。僕らは自分たちがどんなタイヤを履いたのか把握してないものの、2種類ともいい感触でしたし、片方のセットのほうがよりいいと感じました。今年使っているタイヤよりも速くなるのかは分かりませんが、ネガティブなコメントはありません。今週末、メルセデスは速そうに見えるので、彼らと戦えるかを語るのはまだ難しいですが、どんな時でも不可能という言葉は使いたくないですし、僕らは常に全力を尽くしているので、明日どうなるか見てみたいと思います」
ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「ポルティマオでの初日は順調とは言えませんでした。FP1で初めてこのコースを走りましたが、走るのがとても面白いコースで、高低差が楽しませてくれます。残念ながら、FP2ではトラブルがあってマシンから火が上がってしまったので、原因を分析しなければなりません。これによって、ソフトタイヤでの走行時間が取れなかったので、ショートランでの他チームとの比較ができていません。ここまでパフォーマンスはかなりよさそうに見えますが、僕としてはマシンに完全に満足できているわけではないので、明日さらに向上できればと思います。予選への準備をしっかりとして、いいスタートポジションを手にするためにも、FP3がスムーズにいくことが重要です」
アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「コースは楽しいのですが、今日はグリップ不足と風の強さで、まるで氷の上を走っているようでした。路面温度が下がって風も強くなり、路面には一日中ラバーが乗りづらかったので、実感としてはFP2よりFP1のほうがよかったです。新たなコースでの戦いは面白くなると思いますし、明日のフリー走行、予選にかけて路面も改善するはずです。走行ごとに風の状況が異なり、タイムが不安定になっていたので、今日の結果では、僕らの立ち位置を判断するのは難しいです。明日はそれがもっと明確になると思います」
ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「FP2ではリズムに乗るのが難しかったので、まだ見えていない部分が残っており、分析しなければなりません。現時点では路面がまだ滑りやすい状態なので、マシンの感触はよくないのですが、こうしたコンディションでなにが有効なのかを理解するためにも、詰めていかなければならない点があります。今日はグリップがあまりなくてドライビングを楽しめませんでした。マシンがスライドしていたので、明日はまた違った展開になると思います。このコースで最適なバランスを理解するために、調整しなければなりません」
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ / F1ポルトガルGP