ホンダF1:2020年 第11戦 F1アイフェルGP 予選レポート
2020年のF1世界選手権 第11戦 F1アイフェルGPの予選はセッション終盤で接戦となり、ホンダのF1エンジンを搭載するレッドブル・レーシングのフェルスタッペンがポールポジション獲得にも手が届く走りを見せまが、最終的には決勝グリッド3番手を獲得することとなった。

悪天候のためレースウイーク初日の金曜日に予定されていた練習走行が全てキャンセルとなり、FP3が予選前唯一の走行チャンスとなった土曜日は、いつも以上に多忙な一日となった。

予選Q1ではホンダのF1エンジン搭載の4台は無事に突破を果たした。続く予選Q2では、12番手のガスリーと13番手のクビアトの差が0.007秒、そして11番手をマークしたフェラーリのベッテルとの差は0.04秒以内と僅差だったが、それ以上にタイム差をつめることができず、明日の決勝は中団からのスタートとなった。

今日の気温は2桁に届くことはなく、明日も更に不安定な天気が予報されている。もしもドライコンディションであれば、アルファタウリ・ホンダの2台は決勝のスタート時のタイヤコンパウンドを自由に選ぶことができる。

レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンとアレクサンダー・アルボンは予選セッションを通して力強さをみせ、2台はQ3まで進出。フェルスタッペンがアタックラップ1周目でトップタイムを出すと、続いてアルボンは4番手のタイムをマークした。

最後のアタックラップでポールポジション獲得に近い走りを見せたマックス・フェルスタッペンだったが、低い気温に悩まされたコンディションもあり、3番手の結果となった。アレクサンダー・アルボンはフェルスタッペンのすぐ後ろの5番手からスタートとなる。明日はトップ10圏内のドライバー皆がソフトタイヤを履き、低い気温のなかでレースをスタートする。

なお、本日の予選でメルセデスのバルテリ・ボッタスが記録したタイム(1分25秒269)により、2004年にBARホンダの佐藤琢磨が記録し保持していたニュルブルクリンクでの予選ラップタイムレコード(1分27秒691)が、16年の時を経て破られる形となった。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「昨日のアイフェルGPの初日は悪天候のために走行できませんでしたが、2日目の本日は天候が回復し、外気温は9℃と低いもののドライでFP3、予選ともに走行できました。FP3では1時間のセッションの中で予選と決勝に向けた最適なセットアップを見つけなければならず、また初走行のサーキットということもあり、かなり忙しい一日になりました。昨日の遅れを取り戻すべく、チームとともにプログラムを見直してFP3に臨みました。基本的に予定通りにプログラムを消化し、いい仕事ができたと思います。また、昨日の悪天候のおかげで奇しくも第13戦に予定されている2 Dayイベントのエミリア・ロマーニャGP(イモラサーキット)の予行演習にもなりました。予選では、アストンマーティン・レッドブル・レーシングのフェルスタッペン選手が3番手、アルボン選手が5番手といい走りをしてくれました。スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2台についてはガスリー選手が12番手、クビアト選手が13番手という結果でした。Q3進出を果たせなかったことは残念ですが、明日のレースでは新品のタイヤを履いてスタートできる利点を活かしてポイント獲得を狙ったレースができればと思います。明日も気温が上がらず路面温度も低い予報ですが、本日の走行からPUそして車体側ともによいデータが得られたので、明日に向けて最大限のパフォーマンスを発揮できるように準備を進めます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「今日は一日を通して調子がよく、決勝グリッドの2列目を獲得できたことはいい結果だったと思います。昨日予定されていた2セッションを走行することができず、皆にとって忙しい土曜日だったと思いますが、総合的に見るとポジティブな一日になりました。マシンの感触もよく、全てが安定していました。もちろんまだマシンのバランスで改善したい部分があるものの、今日の走行を終えてこのレースウイークに自信を感じています。重要なQ3で、路面が冷たく少しアンダーステアになってしまい、フロントタイヤが削れてゴムを使いすぎてしまいラップタイムに少し影響が出てしまいました。メルセデスに近づいているということは、僕たちが向かっている方向性が正しいというポジティブな証拠であり、いつも決勝では更にその差を縮めることができています。明日は更に気温が下がると予想されているので、タイヤがどのように働くかが見どころの面白い一戦になりそうです。どのチームにとっても明日は分からないことばかりの決勝となりそうですが、走っていてとても楽しいサーキットなのでエキサイティングな一戦となるに違いありません」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「今日の予選の走りにはある程度満足していますが、まだ改善できる部分はあると思っています。プラクティスの時間は限られていましたが、マシンの手ごたえは最初からいいと感じていました。(昨日のセッションが未実施となったことによる)今回のような“2日間開催形式”は気に入っていて、F2やF3に似ているような気もしています。もちろん予選でルクレール選手の前に出られればよかったのですが、彼はいい走りをしていましたし、最後の最後に抜かれしまいました。5番手は悪くないポジションですし、ここから戦っていけると思います。ルノーの2台が後ろにいるので簡単なレースにはならないと思っていますし、1コーナーできちんとポジションを確保しなければなりません。あまり走行を重ねられてないので、本当のチャレンジはロングラン走行に入ってからになりますが、ひとまずベストを尽くすのみです。ここでは天気が荒れやすいこともあり、多くのポイントを獲得してフィニッシュできるチャンスは大きいと考えています」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「12番手という予選結果は少し残念ですが、FP3での感触からこのレースウイークはタフになりそうだと予想していました。FP3を終えた後はマシンの方向性が正しくなかったと感じたので、予選の中で小さな変更を加えていきました。その結果改善はされたものの、速さを見せていたライバルたちを相手にするには十分ではありませんでした。何をすればよかったのかここから分析する必要があると思います。ポジティブな点としては、明日スタート時のタイヤ選択が自由であることなので、明日の決勝は力強いレースをすることができる自信があります。12番手からのスタートなので、戦略としては他と違うことを試してみようと思っています。うまくはまればいいレースとなるはずなので、明日の決勝が楽しみです」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「今日は本当に寒かったです!FP3後にすぐ予選が迫っていたので、この寒いコンディションで何がベストなセットアップ、走行ラインなのかをすぐに解析する必要がありました。チャレンジングなコースは走行していて楽しかったです。しかし、ペースに関しては“素晴らしい”とはいえず、“まずまず”であったと感じています。とはいえ、今日の自分の走行ラップには満足していますし、あれ以上のタイムは出せなかったと思います。Q3進出へのタイム差は、いつもよりも大きく開いていたようでした。僕たちはいつも予選よりも決勝で力を発揮することができているので、明日の決勝もポイントを獲得するチャンスは十分にあると思います。ここニュルブルクリンクでの一戦がいいものにできるよう、チーム一丸となって戦います」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / F1ドイツGP / スクーデリア・アルファタウリ