ホンダ | 2019年 F1アゼルバイジャンGP 金曜フリー走行レポート
F1アゼルバイジャンGP初日はさまざまなトラブル続きの一日となったが、ホンダのF1エンジンを搭載する4台のマシンはすべてトップ10入りを果たし、いい兆候の一日となった。
ホンダはこのグランプリから4台のマシンにスペック2のパワーユニット(PU)を搭載して臨んだ。しかしながら、P1開始直後のインスタレーションラップの最中に、他チームのマシンの底部に外れたマンホールの蓋が直撃するトラブルが発生。安全確認とマンホールの修復のために、P1の残りのセッションはキャンセルされることとなった。
このトラブルにより、P2の重要性が増すことになったが、P2のセッションでも開始早々に他チームの選手のクラッシュにより赤旗中断となる。トロロッソ・ホンダのクビアトはセッティングの変更に時間を要し、セッション序盤の走行時間を失う。セッション中盤にセッションに復帰すると早々に6番手タイムを記録するが、そのすぐあとに第7コーナーでオーバーステアによりウォールに接触。マシンは損傷し、再度の赤旗中断となった。
ホンダ勢のその他の3台は順調に走行を重ね、マックス・フェルスタッペンはメルセデスの2台の間に分け入る4番手、アレクサンダー・アルボンが8番手、ピエール・ガスリーがその後ろに9番手と続いた。ここからは、今日得られたデータを解析し、P3への準備を進めていく。
なお、レッドブル・ホンダのピエール・ガスリーについては、P2で計量を指示された際、その指示に従わずガレージに戻ったことのペナルティーを受け、日曜のレースはピットレーンからのスタートになることが発表された。
田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日は予定通りスペック2のPUを4台のマシンに投入しました。P1ではセッション序盤での中止により1周ずつしか走行できず、P2でも赤旗中断により走行時間が削られてしまいました。状況は他チームも同じですが、新しいPUでしたので、もう少し走行を重ねたかった部分はありました。2本のロングストレートとタイトな市街地部分をあわせもつバクー市街地サーキットは、PUのエネルギーマネージメントやシャシーのセットアップなど、チャレンジングなサーキットです。今日はマシンからベストなパフォーマンスを出すセッティングを見つけるためのプログラムを実施しましたので、ここからは得られたデータを分析し、チームと一緒に明日以降への準備と改善を進めます。なお、P2でクラッシュを喫したクビアト選手については、早急にPUの状態の確認を行います」
アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)
「今日のプラクティスセッションはP2のみになってしまいましたが、(P1を中断したことは)安全面を考慮すると正しい判断だったと思います。ただ、P2開始後すぐの状態で、マシンにはすでに速さがありました。いい準備ができた状態で週末に臨めていますし、ロングランに入る前のショートランでも速いタイムを出すことができました。現状ではいい感じだと思っています。もう少しセッティングを熟成し、自分自身もこのサーキットでのF1マシンの走らせ方をもう少し理解すれば、さらにいいタイムが出せるようになると感じています」
ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)
「今日はいつもとは少し異なる一日になりました。P1はインスタレーションラップのみで終ってしまいましたし、P2ではステアリングホイールに異常があり、その修正をするために時間を要しました。P1でもP2でも大事な走行時間を失うことになってしまったので、P2で走行可能になったときは、すぐにプログラムに取りかかりました。ただ、残念ながらタイヤをロックさせてオーバーステアとなり、ウォールに接触してしまいました。ただ、ポジティブな部分としては、アクシデントが起こる前のマシンのフィーリングはとてもよかったと思うので、明日はさらに前進できるようにプッシュしていきたいです」
ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)
「ショートランはあまり手応えのいいものではありませんでしたが、ポテンシャルはあるので、しっかりとまとめていけば改善できると思います。一方で、燃料を多く搭載したときのロングランでは満足いく走行ができました。もちろんP1も走れればよかったのですが、P2ではやりたかったことのすべてをこなすことができたので、大きな問題にはなりませんでした。多くのテストを行い、明日へ向けての方向性がつかめました。手応えは感じているので、今日のセッションはとても前向きな一日になったと思います。ブレーキングは少し難しく、限界を探るために何度かエスケープゾーンに逃げなくてはならないときもありました。周回を重ねるごとにマシンの調子もよくなり、僕自身もマシンの感触には満足しています。フェラーリが今日のセッションでは速さをみせていましたが、明日の予選で自分たちがどのくらいできるか楽しみです。僕たちにはいいレーシングマシンが準備できているので、前向きな週末となりそうです」
マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)
「午前中のセッション時間が短くなってしまったことは他チームも同じですし、金曜のセッションではP2が一番重要なので、大きな影響はありませんでした。コースはとても滑りやすく、(タイヤが)ロックしたり、コース外にはみ出してしまうことがあり、なるべく多くの周回を走り路面コンディションに慣れることが大切でした。グリップを最大限に活かし、マシンを最大限までプッシュしながら周回を重ねていかなくてはなりませんが、このようなグリップ力の低いコースでは適応能力が求められます。今日のセッションの結果にはたいへん満足しています。さらに改善できる部分のデータを振り返る必要がありますが、ほぼ十分な仕上がりなのではないでしょうか。明日どの程度の結果を出せるのかまだわからない部分が多いですし、たった一度のプラクティスセッションだったので、他チームもまだまだ改善の余地があると思います。しかし初日としてはマシンのバランスの手応えはよく、両コンパウンドのタイヤで十分な周回数を重ねることができたセッションとなりました」
関連:F1アゼルバイジャンGP FP2 結果:シャルル・ルクレールがトップタイム
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1アゼルバイジャンGP
ホンダはこのグランプリから4台のマシンにスペック2のパワーユニット(PU)を搭載して臨んだ。しかしながら、P1開始直後のインスタレーションラップの最中に、他チームのマシンの底部に外れたマンホールの蓋が直撃するトラブルが発生。安全確認とマンホールの修復のために、P1の残りのセッションはキャンセルされることとなった。
このトラブルにより、P2の重要性が増すことになったが、P2のセッションでも開始早々に他チームの選手のクラッシュにより赤旗中断となる。トロロッソ・ホンダのクビアトはセッティングの変更に時間を要し、セッション序盤の走行時間を失う。セッション中盤にセッションに復帰すると早々に6番手タイムを記録するが、そのすぐあとに第7コーナーでオーバーステアによりウォールに接触。マシンは損傷し、再度の赤旗中断となった。
ホンダ勢のその他の3台は順調に走行を重ね、マックス・フェルスタッペンはメルセデスの2台の間に分け入る4番手、アレクサンダー・アルボンが8番手、ピエール・ガスリーがその後ろに9番手と続いた。ここからは、今日得られたデータを解析し、P3への準備を進めていく。
なお、レッドブル・ホンダのピエール・ガスリーについては、P2で計量を指示された際、その指示に従わずガレージに戻ったことのペナルティーを受け、日曜のレースはピットレーンからのスタートになることが発表された。
田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)
「今日は予定通りスペック2のPUを4台のマシンに投入しました。P1ではセッション序盤での中止により1周ずつしか走行できず、P2でも赤旗中断により走行時間が削られてしまいました。状況は他チームも同じですが、新しいPUでしたので、もう少し走行を重ねたかった部分はありました。2本のロングストレートとタイトな市街地部分をあわせもつバクー市街地サーキットは、PUのエネルギーマネージメントやシャシーのセットアップなど、チャレンジングなサーキットです。今日はマシンからベストなパフォーマンスを出すセッティングを見つけるためのプログラムを実施しましたので、ここからは得られたデータを分析し、チームと一緒に明日以降への準備と改善を進めます。なお、P2でクラッシュを喫したクビアト選手については、早急にPUの状態の確認を行います」
アレクサンダー・アルボン (トロロッソ・ホンダ)
「今日のプラクティスセッションはP2のみになってしまいましたが、(P1を中断したことは)安全面を考慮すると正しい判断だったと思います。ただ、P2開始後すぐの状態で、マシンにはすでに速さがありました。いい準備ができた状態で週末に臨めていますし、ロングランに入る前のショートランでも速いタイムを出すことができました。現状ではいい感じだと思っています。もう少しセッティングを熟成し、自分自身もこのサーキットでのF1マシンの走らせ方をもう少し理解すれば、さらにいいタイムが出せるようになると感じています」
ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)
「今日はいつもとは少し異なる一日になりました。P1はインスタレーションラップのみで終ってしまいましたし、P2ではステアリングホイールに異常があり、その修正をするために時間を要しました。P1でもP2でも大事な走行時間を失うことになってしまったので、P2で走行可能になったときは、すぐにプログラムに取りかかりました。ただ、残念ながらタイヤをロックさせてオーバーステアとなり、ウォールに接触してしまいました。ただ、ポジティブな部分としては、アクシデントが起こる前のマシンのフィーリングはとてもよかったと思うので、明日はさらに前進できるようにプッシュしていきたいです」
ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)
「ショートランはあまり手応えのいいものではありませんでしたが、ポテンシャルはあるので、しっかりとまとめていけば改善できると思います。一方で、燃料を多く搭載したときのロングランでは満足いく走行ができました。もちろんP1も走れればよかったのですが、P2ではやりたかったことのすべてをこなすことができたので、大きな問題にはなりませんでした。多くのテストを行い、明日へ向けての方向性がつかめました。手応えは感じているので、今日のセッションはとても前向きな一日になったと思います。ブレーキングは少し難しく、限界を探るために何度かエスケープゾーンに逃げなくてはならないときもありました。周回を重ねるごとにマシンの調子もよくなり、僕自身もマシンの感触には満足しています。フェラーリが今日のセッションでは速さをみせていましたが、明日の予選で自分たちがどのくらいできるか楽しみです。僕たちにはいいレーシングマシンが準備できているので、前向きな週末となりそうです」
マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)
「午前中のセッション時間が短くなってしまったことは他チームも同じですし、金曜のセッションではP2が一番重要なので、大きな影響はありませんでした。コースはとても滑りやすく、(タイヤが)ロックしたり、コース外にはみ出してしまうことがあり、なるべく多くの周回を走り路面コンディションに慣れることが大切でした。グリップを最大限に活かし、マシンを最大限までプッシュしながら周回を重ねていかなくてはなりませんが、このようなグリップ力の低いコースでは適応能力が求められます。今日のセッションの結果にはたいへん満足しています。さらに改善できる部分のデータを振り返る必要がありますが、ほぼ十分な仕上がりなのではないでしょうか。明日どの程度の結果を出せるのかまだわからない部分が多いですし、たった一度のプラクティスセッションだったので、他チームもまだまだ改善の余地があると思います。しかし初日としてはマシンのバランスの手応えはよく、両コンパウンドのタイヤで十分な周回数を重ねることができたセッションとなりました」
関連:F1アゼルバイジャンGP FP2 結果:シャルル・ルクレールがトップタイム
カテゴリー: F1 / ホンダF1 / F1アゼルバイジャンGP