ルイス・ハミルトン フェラーリF1に来季集中を促す「2025年の限界は明らか」

バルセロナGP後、チーム代表のフレデリック・バスールは、マクラーレンがますます手の届かない存在になりつつある中でも、「目に見える」アップデートと「目に見えない」アップデートの両方が現行マシンに投入される予定であると明かしていた。
最近ではシャルル・ルクレールのペースが明らかに向上している一方、新加入のハミルトンは苦戦が続いている。バスールはイタリア紙『La Stampa』にこう語っている。
「このマシンを一言で表すなら?“繊細”だ」とバスールは語った。
「というのも、最大限の性能を引き出せることもあるけど、常にそうとは限らない。イモラやマイアミの予選が象徴的で、そこでは使い古しのタイヤでの方が速かった。私の人生でこんなことは見たことがない」
40歳のハミルトンは、今季のマシンで苦戦が続くことをある程度受け入れているようで、だからこそフェラーリに対し、急進的な2026年レギュレーションへの注力を呼びかけているのだろう。
「どんなアップデートが来るのか分からない」とハミルトンは語った。
「しばらく何も新しいものは来ていない。今あるもので戦い続けるつもりだ。ただ、手遅れになる前に、来年に集中してほしいとチームに伝えたい。今年は基礎を築く年。ツールを学び、構造やプロセスを洗練させ、来年には必要なマシンを手に入れたい」

バスールも、2025年にマクラーレンを打ち負かすのは事実上不可能だと認めている。
「マクラーレンのアドバンテージと一貫性を考えると、基本的にもう不可能だ」とバスールは語った。
「だが、我々は自分たちに集中すべきだ。12か月前もそうだったし、そのときもチャンピオンシップのことなんて考えていなかった」
「今もチームにその姿勢を求めたい」
「反応は良かった。モナコとスペインがそれを示している。今はその確認が必要だ」
ハミルトンが特に苦戦している点について、バスールはこう説明する。
「ハミルトンに足りないのは細部だけだ」とバスールは語った。
「ごくわずかな差――コンマ数秒の違いが、今の均衡したF1では1列目か3列目か、良い週末かそうでないかの分かれ目になる」
「でもそれは細部の話にすぎない。マシンの理解、セットアップ、コミュニケーション――チームを変えたときには普通のことだ。フラストレーション?それは理解できるよ」
同時にバスールは、ハミルトンの加入によってルクレールが大きく前進したことを称賛している。
「過去と比べて、彼は自分が何を求めているのかに対する確信が大きくなった」とバスールは語った。
「エンジニアに対してより直接的に自分のニーズを伝えるようになった」
ルクレールが明確なナンバー1ドライバーなのかという問いに対して、「我々には2人のトップドライバーがいる。リーダーは必要ない」とバスールは答えた。
「もしルクレールが前進したのだとしたら、それはハミルトンが彼にプレッシャーを与えたからでもあり、一方でルクレールはハミルトンがチームやマシンを理解する手助けをしている」
「彼らはうまく協力している。私は別に親友になれとは言っていないがね」
さらにバスールはこう続ける。
「ルクレールはフェラーリに恋をしている。彼のキャリアはアカデミー時代やGP3時代から“赤一色”だった」とバスールは語った。
「彼はチームと企業に対して強く結びついていて、より良いシートを探しているわけではない。彼はこのプロジェクトと家族の一員であり、それは大いに尊敬している」
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