F1アルゼンチンGP復活計画が加速 ガルベス改修と政治支援が後押し
フランコ・コラピントのF1将来に不安が広がる中、アルゼンチンのモータースポーツ界は大規模な再興に向けて動き出している。

アルゼンチンの首都ブエノスアイレスにある伝統のサーキット、オスカル・イ・フアン・ガルベス・サーキットは大規模な改修工事に入る予定で、最終的にはF1カレンダーへの復帰を目指す。このサーキットは1998年を最後にF1開催から外れていたが、その原因は施設の老朽化だった。

設計を手がけるのはF1サーキット設計の第一人者ヘルマン・ティルケで、計画は2段階に分かれている。まずはMotoGP開催に必要なFIAグレード2の認可を取得し、その後F1開催に向けてグレード1へのアップグレードを目指す。

「フェーズ1は2027年のMotoGP開催を想定しており、フェーズ2でF1を視野に入れている」とティルケはスペインの『Soy Motor』に語った。

改修では「ビボリータ」や「オンブ」など往年の名コーナーがレイアウトから外れるが、名称は維持される。一方で「サロット」や「アスカリ・シケイン」は存続予定だ。観客のための高低差や360度見渡せるレイアウト、さらにコンサートエリアの設置など、観戦体験の向上も目指している。

「今回の再設計はドライバーのためだけではない。観客のためのものでもある」とティルケは強調した。「観戦のための高台、360度の観客エリア、コンサートスペースを設ける。ピットビルディングやガレージも大幅に拡張・近代化する必要がある」

改修工事は2025年11月に着工し、2027年2月に完了予定。MotoGPは同年3月に初開催されることが決まっている。

ただし、最終目標はあくまでF1だ。F1向けのレイアウトはMotoGP仕様より500メートル長く、2つのコーナーが変更される。F1開催にはインフラ整備に加えて、年間約4,000万ドルの開催料が必要とされる。

現在、アルゼンチン国内ではホルヘ・マクリ氏やオーリー・テラノバ氏、ダニエル・シオリ氏といった政治・経済界の要人がこの計画を後押ししており、F1復帰への政治的・商業的な機運も高まりつつある。

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カテゴリー: F1 / フランコ・コラピント