モハメド・ビン・スライエム、FIA会長に再選 任期は2029年まで
FIA(国際自動車連盟)は金曜日、モハメド・ビン・スライエムが会長として2期目を務めることを正式に発表した。対立候補がいない状況で選挙に臨んだビン・スライエムは、ウズベキスタンで行われた総会で再選を果たした。

選挙規則の特殊な要件により、他の候補者が立候補できない状況となっており、ビン・スライエムは2029年までの4年間、FIA会長職を続投する。

無投票再選という異例の形
今回の選挙では、各地域から必要数の副会長候補を揃える必要があるという規則が壁となり、対抗馬は立候補を断念せざるを得なかった。南米枠に該当する人物が1人しかおらず、その人物がすでにビン・スライエム支持に回っていたことが決定的だった。

その結果、ビン・スライエムは事実上の無投票再選となった。

就任後に続いた論争
2021年12月にジャン・トッドの後任としてFIA会長に就任した64歳のビン・スライエムの在任期間は、これまで複数の論争に見舞われてきた。それでも今回、加盟クラブから改めて信任を得た形となる。

「多くのFIA加盟メンバーが投票に参加し、再び私に信任を寄せてくれたことに感謝する。多くの困難を乗り越えてきたが、今日ここに集い、我々はこれまで以上に強くなっている」

「FIA会長を務めることは本当に名誉なことであり、モータースポーツ、モビリティ、そして世界中の加盟クラブのために、引き続き尽力していく」

FIA側も今回の選挙について、「FIAの定款に則り、堅牢かつ透明な投票プロセスのもとで実施された。連盟の民主的基盤と、グローバルな加盟組織の集団的意思を反映している」と説明している。

法的異議申し立ての行方
一方で、この選挙結果が今後覆る可能性も残されている。スイスのレーシングドライバー、ローラ・ヴィラールがFIAを相手取り、法的手続きを進めているためだ。

ヴィラール側は、フランスの裁判所が「FIA会長選挙に関して指摘された不正について審理されるべきである」と判断したと主張している。

ヴィラールの代理人であるロバン・バンサールは次のように述べている。

「我々は本案審理を担当する裁判官のもとで、この訴訟を継続する。最初の審理は2026年2月16日に予定されている」

これに対しFIAは、12月3日にフランス裁判所が選挙実施を認めたと説明し、「FIAは総会と、モータースポーツおよび自動車モビリティにとって重要な議題に引き続き集中している」との立場を示している。

なお、ヴィラールとアメリカ人のティム・メイヤーはいずれも、副会長候補を必要数確保できず、立候補を断念していた。南米枠の唯一の候補者であるファビアナ・エクレストンは、すでにビン・スライエム支持を表明していた。

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カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)