キャデラックF1のテストで登場 “黒いフェラーリ”はシューマッハ以来28年ぶり

今回の黒いフェラーリは、2026年からF1に参戦するキャデラックが、オペレーション構築のためにフェラーリから借り受けた車両だ。スポンサー表示や赤の差し色を完全に排した漆黒のSF-23がサーキットを走る光景は、F1の歴史でもごく限られたケースといえる。
1997年シューマッハ以来の“漆黒のフェラーリ”
1997年のクリスマス前日、開発中のF300を空力パーツ未完成の状態で走らせた際、シューマッハは黒いプレーンカラーのマシンをテストした。それ以来、フェラーリのF1マシンが黒のまま正式に走行する例はほとんどなく、今回のイモラ走行は極めて稀なシーンとなった。
今回のSF-23はスポンサー表示や赤の差し色を完全に排した“漆黒”の仕様。キャデラックがオペレーションテストのために完全な“匿名状態”のマシンを求めたことから実現した。

キャデラックは実質“チームづくりのリハーサル”に
キャデラックは2026年のデビューに向け、今回のテストを「プレシーズンテストの総リハーサル」と位置づけている。ガレージ作業の動線確認やピットストップ練習、データ解析体制の構築、エンジニアとドライバーのコミュニケーション統一など、グランプリ週末に必要なあらゆるプロセスを実走環境で検証するのが狙いだ。チーム代表グレアム・ロードンは、この取り組みを「車ではなく、人間をテストする機会だ」と説明しており、黒いフェラーリでの走行は、組織としての完成度を高める重要なステップとなっている。
ペレスは約1年ぶりの実走でフィジカル状態を確認
全身黒のスーツとヘルメットで登ステアリングを握ったセルジオ・ペレスにとっても、このテストは重要な機会となった。レッドブル離脱後ほぼ1年ぶりのF1走行となる今回、ペレスは自身のフィジカル状態を確認する目的もあると語る。
「1年ぶりの走行で、冬の間にどこを鍛えるべきかが明確になる」
ペレスはイモラでの初日走行を終え、翌14日にも2日目のテストを予定している。
カテゴリー: F1 / スクーデリア・フェラーリ / キャデラックF1チーム
