F1ドライバー ベアマン事故で警告「僕たちの声に耳を傾けてほしい」
オリバー・ベアマンの大クラッシュを受け、F1ドライバーたちは2026年F1マシンの特性に起因する危険な速度差について、FIAとF1首脳陣に改めて対応を求めた。2026年F1日本GP決勝では、ハースF1チームのベアマンがスプーンコーナー進入で前を走るフランコ・コラピントを避けようとしてコントロールを失い、バリアに激突した。

ベアマンは50Gの衝撃を受けながらも自力でマシンを降り、膝に打撲を負っただけで済んだ。

サインツ「我々の声に耳を傾けてほしい」
グランプリ・ドライバーズ・アソシエーションのディレクターを務めるカルロス・サインツは、この事故がドライバーたちが繰り返しFIAとF1に伝えてきた懸念を象徴するものだと語った。

「それが、チームの話ばかりを聞いている時の問題なんだ。彼らはテレビで見ていてレースは問題ないと思うのかもしれないし、楽しんでいるのかもしれない」

「でもドライバーの立場からすると、実際にレースをしていて、50km/hもの速度差が生じ得ると分かると、それはもうレースじゃない」

サインツは、こうした速度差の大きさがバトルの中でドライバーを不意打ちにする可能性があると説明した。

「こんなクロージングスピードがあるカテゴリーなんて世界中に存在しない。大きな事故が起きるのはまさにそういう時なんだ。不意を突かれるし、遅れてディフェンスしようとすると、自分か後ろのクルマが引っかかってしまう」

そして、ドライバーたちはすでに変更を求め続けてきたとして、今回の事故が統括団体の行動につながることを望んでいると明かした。

「とにかく、我々の声に耳を傾けてほしい。そしてチームの話だけを聞くのではなく、我々が伝えてきたフィードバックに集中してほしい」

「我々はずっと前から、こういうことが起きると警告してきた」

「こういうクロージングスピードや、こういう事故は、いつか必ず起きるものだったし、今の状況にはまったく満足していない」

「こうした巨大な速度差を生まず、より安全にレースができる、より良い解決策が見つかることを願っている」

フェルスタッペン「50〜60km/h差は本当に危険」
他のドライバーたちも、レース後に同様の懸念を示した。

マックス・フェルスタッペンは、異なるエネルギーモードがマシン同士の大きな速度差を生んでいると指摘した。

「こういうことをやっていると、そうなるんだ。ひとりは基本的にパワーがなくて完全に止まっているような状態で、もうひとりは“マッシュルームモード”を使う。そうなると50、60km/hの差になることもある。本当に、本当に大きい」

「すごく危険になり得る。ブレーキング中の動きや、全体的な動きのようにも見えるけど、急激な減速が起きる時にも同じことが起きる。大きなクラッシュになる可能性がある」

ピアストリ「かなり早く見直すべきことがある」
オスカー・ピアストリは、ドライバーたちは新車の構想段階から、こうした大きな速度差が生まれる可能性を認識していたと語った。

「こういうことが起こり得るというのは、これらのクルマが構想された時からずっと話してきたことだと思う」

さらにピアストリは、日本GPのプラクティスでも似たような場面を経験していたことを明かした。

「プラクティスでニコとかなり危ない場面があった。彼はストレートで、自分が予想していたより3倍くらいの速さで迫ってきた。しかも、僕たちはどちらも全開だった」

「でも、このスポーツとして理解していることでもある。微調整すべきことがたくさんあるし、変えなければいけないこともたくさんある。特に安全面に関しては、かなり早く見直す必要があることがいくつかある」

ルクレールとノリスも危険性に言及
シャルル・ルクレールは、ドライバー側も新車の特性に合わせてレースの仕方を適応させる必要があるかもしれないと認めた。

一方、ランド・ノリスは、レース中にすでに同じような場面が何度も起きていたと示唆した。

「かなり何度もあったよ。最後のルイスとの場面でもそうだった」

「でも、僕はもう言うべきことは全部言ったし、これ以上言う必要はない。他のドライバーたちと同じだ。何度も繰り返し言う必要はない」

ステラ「驚きではない」
こうしたクロージングスピードへの懸念は、プレシーズンテストの時点ですでにチーム側からも提起されていた。マクラーレンのチーム代表アンドレア・ステラも、そのひとりだった。

「驚きではない」

「我々はテストの時点ですでにそれを言っていた。これは、2026年F1レギュレーションの中で改善すべき要素として、FIAの議題に入っている」

「何かが起きてから対策を講じるようなことはしたくない。だからこそ、実際に何かが起きてしまったんだ」

FIA「4月に複数の会議を予定」
FIAは、ベアマンの事故に大きな速度差が関与していたことを認めた一方で、ルール調整に向けた議論はすでに進行中だと強調した。

「2026年F1日本GPで発生したオリバー・ベアマンの事故と、その事故において高いクロージングスピードが一因となったことを受け、FIAは以下の説明を行いたい」

FIAは、2026年F1レギュレーションには、特にエネルギーマネジメント分野において複数の調整可能なパラメーターが組み込まれており、レースからさらにデータが得られれば見直しが可能だと説明した。

「そのため、2026年F1レギュレーションの運用を評価し、調整が必要かどうかを判断するための複数の会議を4月に予定している」

「特にエネルギーマネジメントに関する潜在的な調整については、慎重なシミュレーションと詳細な分析が必要となる」

さらにFIAは、FIA、F1、チーム、マニュファクチャラー、そしてドライバーとの協議を継続しながら判断していく姿勢を示した。

「FIAは今後もすべての関係者と緊密かつ建設的に連携し、スポーツにとって最良の結果を確保していく。安全は常にFIAの使命の中核であり続ける」

「現時点で、どのような変更があり得るかについて推測するのは時期尚早だ」

F1は5月のマイアミGPで再開される。

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カテゴリー: F1 / F1ドライバー